Pains パリの味

パン屋、ベーカリー作りを応援します。

ベーカーテクノサービス

パンの品質・美味しさ

2009-07-31 20:59:47 | Weblog

美味しいパンを焼くために。その条件は?

イースト量は少なく。
生地捏上温度は低く。
発酵時間は長く
吸水は多めに。

ゆっくり発酵することで、小麦粉中の澱粉の水和が進みます。水和が進むと澱粉のアルファー化率が高くなります。澱粉は水分の存在下で熱が加わるとβ澱粉がα澱粉に変わりますが、冷えるとまたβ澱粉に戻ります。焼き上げてから時間経つとパンが固くなり美味しさを感じなくなるのは、α化した澱粉がβ澱粉に戻るからです。また、冷めた食パンをトーストするとβ澱粉が再びα澱粉に変わるので美味しく感じられるようになります。
このβ化澱粉に戻るスピードを遅くすればパンが美味しく感じられる時間が長くなる訳で、発酵時間を長くするとα化率が高くなり、またβ澱粉へ戻るスピードが遅くなり日持ちの良いパンになります。

イタリアのパネトーネの日持ちが良いことは知られていますが、卵とバターの高配合、洋酒漬けフルーツの効果もありますが、パネトーネ種と言うルバンの使用と長時間発酵の特異な製法が無ければ日持ちの良さは実現しません。

美味しいパンを作る条件:長時間発酵と自家製天然酵母=ルバン・ナチュール

天然酵母は自家製天然酵母でなければ効果はありません。

 


ベーカリー開店、パン屋開業

2009-07-30 09:07:44 | Weblog

個人ベーカリー開業に当たっては、天然酵母にこだわり自家製の天然酵母でパンを焼いていただきたい。

市販の天然酵母は厳密に言えば天然酵母ではありません。天然酵母という言葉は曖昧な言葉で、「ルバン・ナツュール」に統一されることを願っています。
ルバンを上手に使うことで美味しさ、香りの良さ、日持ちの良さをお客様に伝えることが出来ます。市販の天然酵母ではバサバサでシットリ感の無いパンが、自家製天然酵母に替えるだけで全く別の商品に感じられます。
自家製天然酵母=ルバン・ナチュールと冷蔵庫・ドゥーコンを組み合わせ、製法・工程を店ごとに考えることで、食パン・バゲット・カンパーニュを毎日複数回焼成することが出来ます。それも本物をお客様の多い時間帯、需要の多い時間帯に焼成することが出来ます。

これからのリテールベーカリーの使命はお客様の需要に合わせて焼き上げること、これは大手ベーカリーチェーンでは出来ません。立地の悪さは、お客様の声を細かく聞くこと、品質・風味を極限まであげること、これで克服できます。


パン屋開店コスト

2009-07-29 09:07:34 | Weblog

個人ベーカリーの標準的な大きさ、15~20坪として、ミキサー、オーブン、ドゥーコン、冷蔵庫、冷凍庫、冷房設備、排気設備、給排水設備、電気・ガス設備及び工事と店舗内装、什器の最低限必要な機材を揃え、約600~800万円でしょうか。
ベーカリー機器は中古で十分なオーブン、ミキサー、ドゥーコンは中古で、冷蔵設備、冷房設備は新品で揃え、立地、建物等で排気ダクト、給排水設備の工事費が異なりますがこの位で納まります。
パン屋創りで大切なのは、大きな能力を持つ機材を導入しないことです。

小さな焼成能力の設備で焼成回数を増やすことが売上増に繋がります。


ベーカリーの栄枯盛衰

2009-07-28 07:17:46 | Weblog

渋谷東急百貨店地下1階、ちょうど半蔵門線へ行く階段を降りた左手にアンデルセンがあります。いつも客で賑わい通り抜けるにも一苦労ですが、その先に三宿のラ・テール、さらにその先にタンドレス・サンジェルマン。
ラ・テールには客が立っているが、サンジェルマンには全く客が居ません。
店作りは流行の対面ですが、どうも洗練さが無いのか、輝きが無い。ポール、ヴィロン等の単なる真似で売り場創りのノウハウが全く無いのだろう。商品の陳列にも全く工夫が感じられないし、商品は20年前そのまま、売れる店創りを考えていないのでしょうか。
売れる店創りには幾つかの法則があります。有楽町のイトーシア地下にあるタンドレス・サンジェルマンも同じように黄昏ています。

JTに買収されてから、冷凍生地が美味しくない。サンジェルマンの冷凍生地は以前から美味しいとは言えなかったが、最近特にひどい。冷凍生地用生地改良材が良くない事も考えられますが、JT製の生地改良材を使用しているのでしょう。

サンジェルマンには、サンジェルマン、プルミエ・サンジェルマン、タンドレス・サンジェルマン、ドゥーマゴ、フラマンドール、など多くのブランドがありますが、商品がどこも同じですか。明らかな商品の差が感じられません。
エクセル・ブランと言う看板商品がありますが、この商品の主な支持層は団塊の世代以上の年齢層です。先を見据えた商品開発が急務ではないでしょうか。一時輝いていた時期もありましたので、残念でたまりません。
サンジェルマンは東急百貨店の子会社であったため、努力せず良い場所を取り、売上を作っていた時代が長くありました。そのためベーカリー経営のノウハウが蓄積されていないのは否めません。


夏休み

2009-07-27 09:50:19 | Weblog
20年前フランス駐在中、夏のこの時期はヨーロッパ各地を訪ねる事が楽しみでした。地方・町ごとに異なるパン・ケーキがあるヨーロッパですから、まだ見たことも無いパン・ケーキに会えることも多々ありました。
日本ではどこのベーカリーへ行っても同じような商品が並んでいますが、ヨーロッパのベーカリーは各店異なる独自の商品が見られ、訪れたベーカリーに必ず得る物があります。
日本人のパン屋であると伝えると、丁寧に製法まで教えて下さることも多くありました。現在提案しています「シュトーレン」はその一例で、デュッセルドルフのあるベーカリーで教えて頂いた配合・製法が基本になっています。

食事用パン

2009-07-25 12:35:16 | Weblog
蒸し暑い夏、食欲が無く朝食を食べることさえ苦痛になります。ところが、美味しい食パンであれば、たとえ食欲が無くても食べられます。
美味しいパンを作るこつ、これは製法にあります。美味しいパンを作るこつ、それはストレート法です。
パン創りの原点はこのストレート法です。1.5時間発酵で美味しい食パンが出来ます。また、生地はミキサーで完全に作るのではなく、発酵でゆっくり生地を作る。生地の捏上温度は低く、工場・厨房内の温度によって異なりますが、食パンなら真冬より3~4℃低くしなければ生地は過熟成になります。工場によってはイーストの使用量を少なくする必要もあります。
捏上温度が高いと、パンはシットリ感の無いバサバサの食感になります。バサバサのパンでは、夏の朝食にはきついですね。と言っても、大手メーカーの湯種食パンのネチャ付き味の無いパンでは食欲も出ませんが。
最近は味・香り・シットリ感・歯切れの良さのバランスが取れたパンが少ないですね。

パンの香り

2009-07-23 17:10:13 | Weblog

 パスコの冷凍生地で柔らかな食パンがでています。バターロール形に整形された冷凍生地を形に数個並べて白く焼く。食感はネチャつく、香りはいかにもフレーバーを着けましたと言わんばかりのマーガリン臭、白く焼くからパン本来の香りが全く無く、こんな物を消費者が求めて居るのだろうか。
新しい需要を開拓したいのは解るが、パンの原点を忘れていませんか。こんな事でパンの需要回復に繋がると思っているのでしょうか。甚だ疑問です。
山崎製パンが一人勝ちの様相を呈していますが、ホールセールも冷凍生地も、直営フレッシュベーカリーも、2位以下のメーカーは何をしているのでしょうか。
朝食を食べない、家庭で料理をしない、これではパンの需要は下がる一方です。そして旨くもない食パンを作る大手製パンメーカー、これではパンの需要が回復するわけありません。

政府は米食を奨励し、大手製パンメーカーは旨くも無いパンをスーパーに供給するだけ。もう少し質の良い食パンを供給しませんか。2位以下の製パンメーカー。山崎の食パンだって3日連続で朝食に食べたら飽きてしまいます。
山崎製パンだけになったら選ぶ楽しみ、味わう楽しみが無くなってしまいます。そしてフレッシュベーカリーは全てヴィドフランスになってしまいます。

山崎の冷凍生地は美味しいですね、ホイロの温度、焼成温度・時間良く考えられています。日本人好みの食感になっています。

しかし、本来のパンではありません。本来のパンの味・食感は違います。

だから、リテールベーカリーが必要なんです。


パンステージ・ ドゥーコンディショナー

2009-07-21 22:45:37 | Weblog

このドゥーコン、価格はリーズナブル、性能・使い勝手が大変良いこと、これが特徴です。

私は、小さな個人ベーカリーではドゥーコンなど必要ない。これが私の持論です。

しかし持ちたいと言われれば、この共立プラント工業製のドゥーコンをお勧めします。真面目に創り、また真面目に販売する。良心的な価格と高価格機に匹敵するかそれ以上の性能と使い勝手の良さ。

最近のパン創りのプロ、機械への依存が高すぎます。良い機械を使えば楽が出来ます。しかし、より良い商品を創りお客様に喜んで頂く、この努力を怠っていませんか。

http://baker.bgst.jp/


ベーカリー機器

2009-07-16 08:18:44 | Weblog

ベーカリーを開店する時の出店コスト、最近高くなっています。ベーカリー機器が優秀になり、それにつれて価格も高くなりました。
企業では、従業員のレベルの差で製品のバラつきを生じないよう、また技術者のレベルの低下を優れたベーカリー機器で補うことが求められます。しかし、個人でベーカリーを開業しようと考えておられる方はそれなりの技術と知識を持ち合わせているはずです。
最近、外国産オーブンを導入しました、ミキサーもどこどこの物を使っています、などベーカリー機器を自慢し、それを売りにしているベーカリーが目立ちます。優れたベーカリー機器は技術の不足を補いはしても、個人の技術・知識を上げるわけではありません。
ベーカリー機器への依存が高くなれば出店コストは高くなり、ますます出店が困難になります。

ベーカリー開店に何が必要なのか、考えるべきではないでしょうか。


ドゥーコンディショナー

2009-07-15 09:33:29 | Weblog

ベーカリーの必須機器となったドゥーコン、オーブンに次ぐ高価格でベーカリー開店では選定に慎重になります。
企業では人件費を抑えるため、前日に冷凍生地を天板に並べドゥーコンに収容しますが、個人ベーカリーでは必ずしも必要ではないと言えます。

配合・工程の組み方、冷蔵庫の利用で無理の無い生産が可能です。
個人で出店をお考えの方には、出店コストを出来る限り抑えた、しかも売れる店舗創りを提案してまいります。