Pains パリの味

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ペジーブル今年のシュトーレン

2014-11-26 18:46:32 | Weblog





柏市柏下135-1、社会福祉法人ワーナーホーム  わたげワークス「天然酵母パンペジーブル」
今年のシュトーレン


昨日やっと3回目の製造が終わりました。例年ですほぼ製造が終わる時期ですが、今年は出張が多く、またデニッシュ、クロワッサンの製造に追われ、未だ3回が終わっただけです。予定数240台には未だ100台以上あるわけで、どうしましょうか。

1986年から1989年までの間に、ドイツを何度か走り回り、各地でシュトーレンの製造ノウハウを集めた日々がありました。89年は11月下旬に既に大雪で、そんな中ノーマルタイヤで何とかパリまで戻った事も。若かったから出来たことで、今ではとても無理であろうと思います。

そんな苦労をして集めたノウハウであり、毎年修正を加え、かなり発展したと感じている。昨年からは中心に栗のペーストとマロングラッセを置き、本来のシュトーレンからするとかなり違うものになってしまった感がある。しかしシットリしなやかで、シュトーレンの香りもする美味しい物に仕上がったと自慢の商品です。

シュトーレンはクリスマスまでの約1ヶ月、これをアドベントと言うそうですが、この間に食べるお菓子です。日本ではクリスマスに食べるお菓子と考えられていて、クリスマス直前でないと売れない商品でしたが、最近やっとクリスマス前のお菓子と認識され始め、早くから売れるようになりました。その為か今年はこれまでに無く売れ行きが良いようで、やっと本物を作る苦労が報われる思いです。

シュトーレンは焼き上げてからの作業が多く、また大変で、その為焼き上げてから1ヶ月以上経たないと本当の美味しさが出てこないことの表れでもあります。

2014-11-24 17:51:04 | Weblog


40年ほど前、内定取り消しに遭いパン屋に就職、第二次オイルショックで内定取り消しが横行した時でした。意に反してパン屋に、よりによって、パン屋とは。当時は大きな企業でした。研究室に配属され、毎日詰まらない事極まりない。現場への配置換えを希望し、菓子パンの仕込みに、横型ミキサーが3台並ぶ仕込み部屋、醗酵室には生地を発酵させる為の発酵ボックスが20数台。朝5時から、仕事が終わると既に20時、21時の毎日。後悔の毎日。

ここで教えてもらった事、ミキサースイッチの操作方法、生地温度を調節するための冷水のレバー操作。これだけで此処での仕事が始まり、後は先輩の仕事ぶり、動きを記憶すること、観察、周りの動きに注意しながら。先の分割機の動き、生地の減り方、身体で覚える以外に何も無い。マニュアルは基本的な配合とミキシングタイム、捏上温度、フロアータイム、後は感。

先輩が休みの日の緊張感、配属後1ヶ月頃初めての経験。アンパンが平たい、扁平だと包装から怒りの声。捏ね上げ温度もフロアータイムも同じ、それでもパンが違う。全く解らない数ヶ月が過ぎ、生地の感触と其の生地から出来るパンが微かに浮かんでくるようになる。

教えてもらえる事が極めて少ない、この世界。

その後食パンに移動、食パンは1台のミキサーを見ていれば良いので、菓子パンの仕込みに比べればはるかに楽でした。捏上温度、フロアータイムを守れば、粗良いパンには成る。しかし、仕込み担当が異なると、パンも異なる。同じミキシングタイム、温度、フロアータイムでもパンは違う。