Pains パリの味

パン屋、ベーカリー作りを応援します。

ベーカーテクノサービス

自家製天然酵母(Levain nature maison)

2009-05-30 15:16:32 | Weblog

天然酵母、この言葉に騙されている方いませんか。
酵母とイーストの違いは?酵母とイースト同じものですね、酵母は日本語、イーストは英語のyest,酵母と表示されているとなぜか天然物・安全と理解している方多いと思います。
市販されている袋詰めのパンには最近酵母との表示が多く見られます。消費者の弱点を巧みに突いているように感じます。
酵母は呼吸法が2つあります。一つは単糖類(ブドウ糖、果糖など)をアルコールと二酸化炭素に分解する発酵です。もう一つは酸素と糖分の存在下で呼吸し出芽と言う方法で増殖します。イースト(酵母)市販されていますが、酵母は空気中や水の中、どこにも存在します。どこにも存在する無数の酵母から発酵力の強い菌体を選び純粋培養したものです。
この市販のイーストの元の菌体は野生酵母(天然酵母)です。

 いわゆる『天然酵母』、とても曖昧な言葉でしかも定義も無く、市販の天然酵母の規制すら出来ない。市販されている天然酵母、本当に天然酵母といえる物が幾つあるか。

本来天然酵母はルバン(Levain)で無ければなりません。ルバンとは小麦粉或いはライ麦粉と水で生地を作り、その中で酵母やその他の好気性菌(酢酸菌、乳酸菌など)を繁殖させ、アルコール、有機酸が蓄積し、さらにエステルが生成し香りと味の元になります。これがルバンで本来の天然酵母の正体です。
ルバン(天然酵母)は有機酸の生成でphが下がり、酵母が活動できるphの範囲より酸性が強くなっています。そのため、酵母の発酵力は弱く酵母以外の微生物を上手く利用するパン用の発酵種です。このルバンの利用で新製法、新商品の開発が可能で、ドーコンの利用で工程の改善、労働時間の短縮も可能になります。

この自家製天然酵母(ルバン)がベーカリーの未来を開くと確信しています。市販の天然酵母では出せない風味、パンの性格がライバル店との差別化につながり、固定客創りに力を発揮します。美味しい食事パン(食パン、フランスパン、ドイツパンなど)がベーカリーを強く元気にします。また、種起こしから応用までサポートします。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

 


スクラッチベーカリー

2009-05-29 08:56:45 | Weblog

今回はスクラッチベーカリーについてお話します。
スクラッチベーカリーとは、店内厨房で生地を作り、発酵・熟成、分割・整形、ホイロ、焼成と工程を進める、言わば職人・技術者が彼らの気持ち・考えをパンに込め、美味しいパンに焼き上げるベーカリーのことです。

ベーカリー機材の選定、材料の吟味、商品の設計、その設計図に従って配合、製法、マニュアル、工程と組み立て、商品を作る。この積み重ねで商品構成が出来ます。商品構成には店のポリシーが一本貫かれている事と、買いやすい売り場創りで元気なベーカリーが生まれます。
スクラッチベーカリーは労働時間が長いと思われています。労働時間の長さは、ドーコン、冷蔵庫を上手く利用することで生地発酵を夜間行い、朝開店に合わせて焼成できる製法・工程を組むことで解決できます。併せて自家製天然酵母を利用することで、風味と食感を改善し高品質なパンになります。
自家製天然酵母は種起こし、種継ぎともに難しいことではなく、温度と硬さの調整で種のphをコントロールするだけのことです。天然酵母(ルバン)はベースの粉で風味が変わり、出来るパンの性格も決まります。

スクラッチベーカリーの労働条件を改善すること、売上・利益率の改善をし、ベーカリーが元気になればと考えています。コンサルタントはそのノウハウをお教えし、元気なベーカリー創りのお手伝いをします。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

 


パネッテリアバール

2009-05-26 08:49:08 | Weblog

パネッテリアバールとはフルサイズのべーかりーを併設したバールです。
写真のプリンチは、有機素材と天然酵母で大型の直焼きパンを焼く、それも石窯で。このプリンチ、古いベーカリーでしたが、リニューアルでパネッテリアバールと言う新しいスタイルを創り出しました。

世田谷三宿の La terre 、ベーカリーとレストラン、ケーキ、自然素材と天然酵母を使用した食事パンが並びます。ベーカリーにレストランを併設は困難ですが、カフェの併設はそうハードルが高いわけではありません。
ベーカリーの活性化方法としてカフェは手を出しやすい分野で、コーヒーとサンドイッチでスタートし、メニューを広げ、デザートに使える焼き菓子をアイテムに加えて行く。

事業拡大を目指してがんばりませんか。今のベーカリー、カフェどちらにも満足しているお客様は多くありません。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/


ベーカリーコンサルタント業務

2009-05-25 09:26:28 | Weblog

ベーカリー開店、どこに相談したら良いか、お悩みの方いらっしゃいますか。
機材の価格、工事に関して、技術に関して。

コンサルタントの仕事は、売上予想を立て商売として成り立つかどうかの判断します。次に、ご予算、構想を伺い店舗設計、厨房機材の選定、売り場什器の設計・選定、工事計画の策定、お見積もりの提案、計画の変更や調整後、プロジェクト契約の締結そして工事を開始します。

工事中は進捗チェック、商品構成、売価、原価計算のチェック、プライスカード・POP作成、アルバイト・パート社員の採用・技術訓練、販売員教育を済ませますが、これらに対してアドヴァイス・お手伝いをします。開店後の支援は、製造応援、技術的な支援を用意いたしております。

初回のお問い合わせ、ご相談は無料で承ります。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

http://ynarano.web.fc2.com/


ベーカリーコンサルタントの独り言

2009-05-21 18:54:04 | Weblog

1976年パン業界に入り、今日まで30年以上パンに携わってきました。入社から約10年間、大型ラインで食パン、菓子パン、冷凍生地の生産、品質管理、商品開発と良く体が持ったものだと感心しています。
その後、86年よりフランス、91年よりハワイと転勤で海外のパン業界を勉強し、商品創り、店創り、人創り、工場管理と携わってきました。帰国してみると、日本はチマチマ物を作る雰囲気でなく、大した労働をせず金儲けをすることが当たり前、美徳のような国に変貌していました。
その変貌がコンビニを台頭させ、スーパーが無休で営業し、金儲けにはルールも、モラルも、良心も関係なく、日本人の良いところを全て捨て去り、金を儲けた者が勝ち組、あたかもそれが善、普通に生きて金儲けをしそこなった者が負け組みと、思いやりの欠片もない人たちが生活を謳歌している歪な国になってしまった。

外から日本を見ていると、日本人は自分たちがすごいだろ、世界を動かしていると勘違いしている愚かな人間の集団に見え、海外で暮らす日本人はいささか恥ずかしい思いをしていました。フランスは地価が安定し、それはパリなど大都市は土地の私有が禁止されていたり、制限されていることもあるが。農業は100%自給し、余りは輸出し外貨を得ている。
日本の農業はと言うと、休耕田に補助金を出している。補助金とは本来、プラスになって帰って来るように出す物、減反政策はどぶに金を捨てるような愚かな政策でしかない。日本の農業を本当に考えるなら、農地改良、転作、農業の集約・大規模農業への転換しかない筈。若者が胸を張って従事し、安定した収入が期待できる農業に変えなければ、日本自体が存亡の危機を迎えることを認識して欲しい。

自民党がその愚かな政策に気がつき転換しようとした前回の選挙、民主党は減反政策を転換しませんと公約を掲げ、農村部で票を獲得し選挙に勝ちました。何を考えているのか。民主党議員は自民党ををリストラされたような人も多く、次の選挙で民主党が勝ってもこの国良くなることは無さそうです。

 しかし、この金儲け主義のお陰でベーカリー業界に人が集まらない。数ある私立のパン学校は、パン業界がばら色の業界であるように宣伝しているのだろうか。そうもしないと学生が集まらないのか。パン学校から来る人材、使い物にならない。学校によっては3ヶ月で職人に育てますなんてキャッチコピーが出ています。3ヶ月でパンが理解できる訳が無い。1年間パン学校で勉強しました、パン作れますという若者がきました。言うことは一人前以上、仕事は1/10人前、何を教えているのか、学校は単なる金儲けの場?生地の丸めくらいできるようにお願いしまよ。本当に。

そこで、本当の技術者を育てるパン学校を創ります。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

http://ynarano.web.fc2.com/


ベーカリーコンサルタント クロワッサン

2009-05-21 09:24:09 | Weblog

1986年よりフランス・パリに駐在し、パン作り、パン屋創りを研究していました。パリに着いた翌朝、ホテルで出されたクロワッサンに魅せられました。今まで味わったことの無い、味と香り、口溶けの良さ、サックリした軽い食感で究極の内相を持った、本当に素晴らしいクロワッサンでした。

フランスにいた4年間パリをはじめ各地でパン、ビノワズリーを食べましたが、このホテルのクロワッサンに勝る物には出会えませんでした。クロワッサンの生地配合は単純で、小麦粉とバターの性格がそのままクロワッサンの風味を決定してしまいます。フランス産の小麦の性格から歯切れの良い食べ口が生まれ、フランス産バターの持つサラッと溶ける特性から香りと口溶けの良さが生まれるものと考えていました。

帰国後、日本の小麦粉をブレンドしフランス産小麦に近い歯切れの良さと、香りを持つ小麦粉を探しブレンドの比率を決めました。国産バターは国内メーカー各社のバターをテストし、あるメーカーの発酵バターがフランス産バターに最も近いことが判りました。
これまで、この配合、材料でクロワッサンを製造、販売してきました。価格は高い設定になり、受け入れられるか不安でしたが、発売してみると好評で日本でもクロワッサンが売れると確信しました。

現在、このクロワッサンを提案しています。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

http://ynarano.web.fc2.com/

 


AOSTA

2009-05-20 10:46:19 | Weblog

アオスタ、イタリア北部の古い町で、ローマ帝国時代の水道遺跡などが残り、歴史を感じる町でした。

フランスとイタリア国境のモンブラントンネルを一度走りたいと思っていましたが、たまたま、義母が我が家に来た時、スイスとシャモニーに出かけ、シャモニーに連泊したのでミラノへ行く途中に立ち寄った町です。パンはスイスのパンに似ていて、小麦全粒粉が混じったpain sur levain が美味しく、チーズフォンデュにぴったりです。
当時はパリでパン屋の運営と、ヨーロッパのパンを中心にした食に関する資料収集・取材が主な仕事でしたので、2日以上時間が空いたときは必ずパリから出てパン屋とレストラン巡りをしていました。

この小麦全粒粉のパンですが、粉の粒度とフスマのバランスは日本では見ないので、機会ある度に色々ブレンドして試していますが、いまだに同じようなパンにはなりません。粉は触るだけで大体の性格が判りますが、この時の粉、全粒粉は再現できない不思議な粉です。日本の小麦粉は手をかけすぎで、もう少し自然な小麦粉が欲しい。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/


ベーカリーの価値

2009-05-19 17:47:00 | Weblog

ベーカリーの価値、日本では法律での規制が全く有りませんので、冷凍生地だけでパンを出していても、スクラッチと言って、全て粉から生地を作り、整形、焼成と工程を踏んでパンを出しているパン屋も同列で語られています。

フランスでは、ミキサーを持たないパン屋もどきの店、要するに冷凍生地を焼成するだけでパンを商品として販売する店には、”Boulangrie=パン屋と言う看板を出してはならぬ”と言う法律が出来、いい加減な店を規制しています。日本では、某大手メーカーがフランス、パリに在る”Grands Moulins de Paris"社と技術提携し、ホイロ後冷凍技術を導入したうえで、ミキサーを持たぬパン屋の展開を進めています。

ホイロ後冷凍とは、焼成する直前まで発酵させ冷凍しているので、そのままオーブンで焼成するとパンになると言う画期的な商品であります。全ての商品がホイロ後冷凍生地ではありませんが、最近冷凍生地の品質が良くなり、冷凍生地より品質が劣るスクラッチのベーカリーがあること、こちらの方が大きな問題であると感じるようになりました。

冷凍生地にスクラッチの商品が負ける、こんな事私には考えられませんが、現実にあります。かなり売れているベーカリーでも呆れる味の店もありますので、日本人の舌はどうなってしまったのでしょうか。リテールベーカリーもう少し頑張らなくては。ただ、売れるか売れないか、品質の良し悪しだけではありませんので。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/

 


リテールベーカリーを強く元気に、利益の出る体質に

2009-05-19 12:02:19 | Weblog

材料コストについて努力しているでしょうが、十分ですか。

材料問屋さんとのお付き合い馴れ合いになり、価格交渉もあまり強く言い出せないことが多いのではと感じます。材料問屋数ありますが、中には賞味期限切れ直前の物を納品したり、価格も良心的でないなど、苦情を多く耳にします。

 出来たら2社またはそれ以上と、上手く付き合うことが価格交渉もし易くなります。リテールベーカリーでは価格の相場が判らず、高いものを買わされている事多々あります。

 価格の相場、各メーカー別、問屋別の情報を集めることをお勧めします。

 http://tokyo.cool.ne.jp/baker/


ベーカリーアイテム

2009-05-18 21:51:10 | Weblog

ベーカリーの商品構成で必要不可欠と思われている材料に、ソーセージ、ハム、ベーコンがあって、この素材を使った商品が多いこと。

確かに売れることは売れますが、もう少し芸のあるところを見せないと。こんな商品はコンビニに任せて、もっとセンスの良さと文化の高いところを見せられる様な商品が並ぶべーかりーを実現したいところです。

フランスはどんな田舎でもレストランとパン屋があり、それが美味しいメニューを持っています。感心したりちょっと羨ましく思ったり、フランス人の文化の高さと自分たちの文化を守る姿勢に、なんだか日本人として寂しさを感じます。

日本人には寿司、そばと言う、世界的に見ても最も素晴らしいファストフードであろうと思われる食品があります。しかし、コンビニが台頭してから、日本の文化を蔑ろにした食品が多くなり過ぎました。そばには麺つゆをかけてしまう、麺も増粘多糖類を多用し、時間が経っても麺が着かない、パスタしかり。弁当は電子レンジで温めて直ぐ渡され、便利ではあります。

しかし、食品もう少し自然で、手を加えすぎてない物、安心して食べられ、子供にも不安を感じることなく手渡せる物、そんな食品を創りたい、提案したい。パンも一つの外来種ですが、日本の文化を壊さないよう、そして安心して食べられるパンを提案します。

フランスでは日曜日デパートが営業できません。ドイツも同様です。これで巷のパン屋をはじめ個人経営の商店が成り立つわけで、今の日本は個人店を全く頭から否定する政策は私には馴染めません。アメリカでさえショッピングセンター、日曜日は5時閉店ですから。

ヨーロッパ型の社会の方が生きて行くには良いように思います。フランスの企業は社会保障費の負担が日本の1.5倍ほどあります。日本の企業も儲けるだけでなく社会に還元することを考えなければ。情けない、大企業の経営者。

個人店を元気にするため頑張ります。

http://tokyo.cool.ne.jp/baker/