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弱体ベーカリー

2009-11-17 07:59:57 | Weblog

弱体ベーカリー

 全て人任せで開店したベーカリー、どうなるか想像がつきますか。熱い心はあっても、技術と知識が無ければ。

 技術・知識・経験があれば、売上が落ちかけたとき次の一手を打てる。自身で商品設計ができ、生地配合を組み立て、製法を決め、工程に合わせて試作を行い、形、大きさ、風味、食感を決め、さらに修正し、原価計算、売価の決定、発売にいたる。特に配合が自身で組めるかどうか、風味・食感は微妙な配合の差と製法・発酵時間で大きく変ります。この生地開発が出来れば全く異なる商品の開発ができる。生地開発が出来なければソーセージなどフィリングを変えただけの小手先の商品開発に止まります。殆どのベーカリーは生地開発が出来ない後者に当たり、ベーカリー業界凋落の原因ではないでしょうか。

 もう一つは、消費者は天然酵母に興味を持っていましたが、市販の天然酵母で美味くないというより、不味いパンを提供し続けたことで天然酵母のパンは高いだけで不味いという印象を持ってしまいました。本来、自家製天然酵母でパンを創れば、美味しく、店ごとに味が異なり、それぞれ独自の味を出せたものを、そして大手には創れないパンが巷に氾濫していたかも。

 良く天然酵母のレーズンブレッドを目にします。オーナーに伺うと、レーズンブレッドは売れませんと言います。そのレーズンブレッドはボソボソ、バサバサ、硬く、しかもレーズンが少ない。これでは売れません。お客様は買いません。まだ、大手のレーズンブレッドの方が遥かにまし。しかし、レーズンブレッドは売れます。フランスでも日本でも良く売りました。インターネット通販でも売りました。飛ぶように。レーズンは対粉100%(ルバンを使うため実質約85%)、売れる配合はあります。既にブログでも、HPでも紹介しています。配合だけで、詳しい製法マニュアルは載せていませんが、配合を見ただけで作れるように成らなければ。プロとして恥ずかしい。趣味が高じて「パン教室を開いちゃおうかしら」、なんて言っている自惚れ主婦と同じですか。趣味の配合とプロの配合・製法は全く違います。


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