奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

朝の散歩 佐保川の植物など

2021-06-14 20:48:17 | 奈良散策
奈良散策 第120弾


6月9日朝の散歩は佐保川の土手を歩いてみました。ただ歩いているだけだと虫はなかなか見つからないので、この日はもっぱら植物を撮ることにしました。





メヒシバにしては小さく、また群生しているので撮りました。「帰化&外来植物 見分け方マニュアル 950種」を見ると載っていました。枝みたいに出ている部分を総と呼ぶようですが、総が同じ場所から出ているのは東南アジア原産のコメヒシバというようです。この本は種の違いが端的に書かれているので大変役立ちます。





これはカラタチですね。実ができています。







佐保川の土手にはワルナスビが群生していました。







これも土手にいっぱい生えているのですが、春に見ていたハルジョオンよりちょっと大きくなった気がしたので、茎を折ってみました。中が詰まっているので、ヒメジョオンのようです。





これはセイバンモロコシ。これもいっぱい生えています。



ツバメシジミが止まっていました。普段だったら撮らないのですが、奈良に来てから、先日初めて見たばかりだったので、撮っておきました。





ネズミムギにしては芒が短い感じがするし、ホソムギにしては芒が生えているし、以前、観察会で聞いたネズミホソムギかなと思って撮影しておきました。「帰化&外来植物 見分け方マニュアル 950種」を見ると、第1包頴が小穂の長さの1/2以上で、芒があるというので、やはりネズミホソムギでよさそうです。これはネズミムギとホソムギの自然交雑種です。



また、ツバメシジミがいました。





こちらは第1包頴が小穂の長さの1/2以上で、芒がないのでホソムギです。



クスダマツメクサがまだ咲いていました。







コサギの冠羽が立派なので撮りました。





オオキンケイギクもそろそろ終わりみたいです。



これはヤナギハナガサ





セイバンモロコシ、名前が分かったばかりなのでまた撮ってしまいました。





これはムラサキツメクサ



田んぼにならなかった畑にいっぱい生えていました。これもヤナギタデか、ボントクタデかでいつも迷う種です。「帰化&外来植物 見分け方マニュアル 950種」には違いが載っていました。



花穂がしなだれて五月雨的に花がつき、托葉鞘に長い縁毛が生えているのはボントクタデの方です。(追記2021/07/15:白い、比較的大きな花が咲いているので、シロバナサクラタデではないかと思っています



花を拡大してみました。クロスジチャイロテントウがいました。



田んぼの横の溝にはタウナギが2匹死んでいました。この辺には結構いるようです。

雑談)頼んでおいた本(秋田正人、「カブトエビのすべて」(八坂書房、2000))が今日届きました。いろいろな内容が書かれていますが、どれもあまりすっきりとは書かれていないので、分かりにくい感じです。でも、分類的にはLonghurst (1955)の分類を用いているようです。ただし、尾節背面の棘の数や配列については、著しい地方的差異があると書かれていました。分布図から奈良県はアメリカだけが書かれていますが、アメリカの特徴は尾節後縁棘は明らかに後縁より前方にあると書かれており、この辺りの種とは違うようです。昨日、何匹かの尾節の写真を撮ったので、今度、比較してみたいと思います。

奈良散策 甘樫丘

2021-06-14 08:10:59 | 奈良散策
奈良散策 第119弾


前日、奈良テレビで甘樫丘のササユリの映像が流されたので、翌日の午前、偵察のつもりで行ってみました。昼までに帰るつもりだったので、ちょっと歩くだけという感じです。大和郡山からは車で南下し、郡山南ICから京奈和道に乗ります。この道は途中までしかないので、終着の橿原北ICで降り、後は下道を走りました。家からだと45分くらいで甘樫丘の駐車場に到着しました。ここは明日香村の北西にあたる場所で標高は148m、ちょっとした丘陵という感じのところです。



駐車場から河原展望台に向かって登りました。木に覆われたこんな暗い道です。





ものの10分もしないうちに川原展望台に着きました。ちょろっと見えている山が耳成山。



あまりに早く展望台に着いたので、ここから甘樫丘展望台まで歩くことにしました。これは途中で西側を見た写真で、ここから下に降りることもできます。遠くに見えるのが畝傍山。



途中は暗い樹林の中を歩く道で、植物も虫もあまり見かけません。時々、アゲハの仲間が飛んでいる程度。そのうち、オカトラノオの花を見つけました。



それからササユリも一株だけ見つかりました。でも、もう花は終わりですね。



これはヤマボウシ。途中で気の付いたのはこのくらい。



甘樫丘展望台が近づくとちょっと見晴らしがよくなりました。これは東側を見た写真で、見えているのは御破裂山で、その向こう側が談山神社になります。





そして、甘樫丘展望台に着きました。北側を見ると、左に畝傍山、右に耳成山が見えています。





ここから西側に降りて、麓を歩いてみることにしました。途中で見たアジサイです。全体に暗いので、光が当たっている花を撮るとこんな感じになりました。



甘樫丘を取り巻く麓道も樹林帯の中で意外に暗かったです。これはオオシオカラトンボ





この黄色の花はクサノオウだと思います。





それからホオジロ



これはシオヤトンボ



それにキアゲハ。虫はこれくらいかな。





このまま南の端まで歩き、そこから河原展望台まで登りました。途中はウバユリが群生しています。まだ、ツボミなので、これは見ごたえがあるかもしれません。そして、河原展望台から駐車場まで。わずか1時間ほどの超特急の偵察でした。ずいぶん昔にここに来たことがあって、その時はチョウが飛び回っていたという記憶があったので、私の心の中では甘樫丘は理想郷のような場所だったのですが、あれはいったいどの場所だったのだろう。もう少しじっくりと周囲を歩いてみないといけませんね。

雑談)最近は天気がよくないので、あまり散歩には行っていないのですが、出かけると田んぼが面白いので、田んぼの生き物の写真ばかり撮っています。昨日の夕方もちょこっと田んぼに行って、カブトエビの尾節の写真を撮ってきました。大阪自然史博物館のHPによると、近畿地方にはアメリカカブトエビとアジアカブトエビの2種がいることになっています。昔の論文(Longhurst 1955)に載っている尾節の棘の特徴からはTriopus longicaudatus(アメリカカブトエビ)よりTriopus granarius(アジアカブトエビ)の方が近いのですが、ぴったりと一致するわけでもありません。最近の論文を見ると、Longhurstは世界中に生息する数百種以上のTriopus属に属する種を強引に4種にまとめたというような記述があり、ちょっと不安になってきました。また、最近、アジアカブトエビはタイリクカブトエビ T. sinensisと和名と学名が変わっているのも気になります。いずれにしても秋田正人氏の「カブトエビのすべて」という本を注文したので、それの到着待ちです。