奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

春日若宮おん祭 御旅所の下見

2022-12-21 21:34:20 | 神社・寺・古墳など
奈良散策 第665弾


12月15日から18日まで春日若宮おん祭が開かれました。そのハイライトとなるのが、17日未明に行われる遷幸の儀と暁祭、正午からの御渡り式と松の下式、そして、午後2時半ごろから御旅所祭です。御渡り式と御旅所祭は見学したかったのですが、予報はあいにくの雨。それで、前日の16日には、もう準備が整っているだろうと思って、その様子を見に御旅所に行きました。



御旅所の入り口にはこんなに高い竹の門が造られていました。



御旅所の中はこんな様子。



奥には御仮殿が造られていました。



正面上には三角形の奇妙な模様が取り付けられています。これは何でしょうね。



入り口はこんな藁で造られていました。両側の松は若宮遷幸の儀の後、暁祭のときに立てられると「奈良まほろぼソムリエ検定」に書かれていたのですが、もう立てられています。





この大きなものは鼉太鼓(だだいこ)という和楽器の最大の太鼓のようです。



仮御殿の前は御旅所の入り口から見て一段高くなっていて芝舞台と呼ばれています。この上で、田楽や舞、猿楽、舞楽が行われるようです。





この両側は御渡り式を済ませた参加者が座る場所になっています。それぞれ場所が決まっているようです。この日の夜には若宮の神が出御する遷幸の儀が執り行われる予定なのですが、準備の最中でした。





御旅所の前には砂が幅広く敷かれていました。この上で「競馬」という馬の競争が行われるようです。





これは御旅所前桟敷席です。この場所が5500円。結構、高いです。







御旅所から一之鳥居の方に向かいました。参道沿いにはこんな布で覆った場所が3か所ありました。これは流鏑馬の的を置くところかなぁ。







一之鳥居の近くには参道の両側に桟敷席がありました。こちらは4000円。ここには「影向(ようごう)の松」というのがあって、御渡り式を終えた行列が松の下式を行う場所です。



「影向の松」の場所には行列を検分する「頭屋児(とうやのちご)」と「奉行」の席がありました。





一之鳥居には大榊(ナギの木)が新しく飾られていました。

17日に雨が降らなかったら、見に行こうと思ったのですが、残念ながら雨。来年に期待するしかありません。

早朝の散歩 氷とケリ

2022-12-20 20:00:13 | 奈良散策
奈良散策 第664弾


昨日(12月19日)の朝は寒かったですね。大和郡山でも氷点下になりました。たぶん、何もいないだろうなと思ったのですが、7時前に家を出ました。





遠くの山を見ると、うっすら雪化粧をしていました。たぶん、葛城山あたりだと思います。







氷はいつもより分厚い感じです。



最近はまったく猫を見かけませんね。「猫広場」を過ぎて、そのまま金魚池の方に行くと、この辺りでいつも夜明けになります。7時15分頃です。



そして、水を抜いたため池に着きました。





いつものようにダイサギがいました。いつも同じ写真になります。



これはモズ





畑にケリがいたのですが、やはり寒そうです。









金魚池に置かれた噴水にいっぱい氷がついていました。ちょっと芸術的ですね。

早朝の散歩 月と夜明けとノスリ

2022-12-19 19:54:04 | 奈良散策
奈良散策 第663弾


12月18日早朝の散歩のときに撮った写真です。この日も朝7時前、暗いうちに家を出ました。



今日は半月に近い月が見られました。明け方に見えるこんな形の月を下弦の月というようです。





途中、まったく撮るものがなくて、いつものため池に着きました。何も撮らないのもどうかなと思って、まだ暗かったのですが、カイツブリを撮りました。



金魚池がいっぱいあるところに着きました。いつもこの辺りで夜明けになります。



西側にある雲もピンク色に染まっていました。



ちょうど電車が通り過ぎました。



水を抜いたため池に行ってみました。ダイサギが4羽。何となく寒そうです。





陽が上って、わずかに残ったため池の水に光が当たっています。



ため池のそばを歩いていたら、急に鳥が飛び立ちました。行き先をずっと追いかけていたら、田んぼの向こう、200 mほど先の電柱に止まりました。そこで、気が付かれないようにゆっくりとその電柱に近づいていきました。





電柱から50mほどに近づきました。ノスリのようです。こちらを気にしているようですが、意外に逃げるそぶりを見せません。







これ以上近づいたらどうせ逃げるだろうと思って、構わずその電柱の下を通り過ぎました。驚いたことに逃げません。お陰で前からの写真も撮ることができました。





この電柱はため池の横にあるのですが、ここもソーラー発電に変わりつつありました。ついこの間も別のため池がソーラー発電に変わったばかりだったので、これで最近2か所目です。



そのすぐ近くのため池は無事でコガモがいっぱい泳いでいました。







ちょっと拡大して撮ってみました。



電線では強い風を受けてスズメが寒そうです。

雑談)大和郡山に来てから撮った鳥の写真をまとめて小冊子にしようと編集していました。今日やっと目次、索引を加え、前書きを書き、表紙のデザインを済ませてほぼ完成しました。結局、ドバトも入れて83種というところでした。次はチョウとトンボの冊子を作ろうと思っています。

春日若宮おん祭 大宿所詣、御湯立の式

2022-12-18 20:47:44 | 神社・寺・古墳など
奈良散策 第662弾


12月15日は春日若宮おん祭の大宿所詣と御湯立の式がありました。午前中、御湯立の式が開かれる大宿所の下見をしたのですが、13時からJR奈良駅から大宿所詣が出発するというので、急遽、タクシーでJR奈良駅に向かいました。



着いたのは出発1時間前の12時だったのですが、もう衣装を着た人たちが多数集まっていました。本当は出発までに昼食を食べようと思っていたのですが、とりあえず集まっているところに行ってみました。



変わった車が置いてありました。この中に誰かが乗るのかなぁ。



しばらくすると被衣(かずき)で顔をすっぽり覆った巫女が現れました。参加者に聞いてみると、この後、記念写真を撮って、12時半か40分頃に出発するとのこと。予定より早く出発しそうなので、お昼を食べる暇がありませんでした。



12時5分過ぎになると参加者はもう記念写真の椅子に座り始めました。





そして、12時20分頃に記念写真が行われました。左端には奈良市のコンシェルジェ、中央右寄りに奈良市観光大使の演歌歌手の方も座っています。



記念写真の後、巫女は台座の上に乗りました。



これを担いでいくのかなと思って見ていたら、台座の下に車がついていました。



そして、12時45分頃、やはり予定より早く行列が出発しました。



行列は狭い三条通を進むのですが、特に通行止めにはしていないので、初め、歩道を進むのかと思っていました。



でも、車道を進みます。行列の後にはパトカーがついて、その後ろは車が連なっていました。



行列の後ろにこんな看板を持った人が歩いているのですが、後ろについてしまった車は災難でした。行列は思ったより速く進みました。ほとんど普通に歩いているのと同じ速さです。だから、写真を撮ろうと立ち止まるとすぐに追い越されてしまうので、結局、歩きながら行列の同じ場所ばかりを撮ることになってしまいました。どこかで待ち構えていないと駄目ですね。来年はそうしよう。



行列が東向商店街に着くと、ここから北上して奈良女子大の方まで行きます。そこで行列とは別れて昼食を取ることにしました。御湯立の式は2時半からなので、それまでに行けばよいと思って、開始20分前に大宿所に行ったら、もう見物客でごった返していました。



何重にも人垣ができて、とても中の方までは見えません。そこで、後ろのちょっと小高いところにいて、ときどき、人垣の低いところに行っては手を伸ばして写真を撮りました。御湯立のお釜は辛うじて撮れました。









御湯立の巫女さんの紹介がありました。現在、この御湯立を行う巫女さんは一人しかいないとのことです。で、実はこの夏、偶然に見学した大和郡山の新城神社で行われた湯立て神事をしていただいた巫女さんと同じ方でした。追記2022/12/19:その後、お顔を詳細に比較したところ、どうやら別人ではないかと思うようになりました。それで、その部分を削除しました



御湯立の式が終わると、小学生による合唱がありました。ほとんど聞こえなかったのですが、「遍昭(センジョ)行こう 万衆(マンジョ)行こう 遍昭の道に何がある 尾のある鳥と尾のない鳥と 遍昭行こう 万衆行こう」という「おん祭りの歌」が歌われていたようです。これは雉や兎などの懸物(かけもの)を囃した歌だそうです。





式が終わると、見物客はさっといなくなって、お釜に近づくことができました。





それで、建物の中をもう一度写しておきました。







ついでに懸物の写真も。昔は、雉が1200余羽、兎と狸が130~140匹、ぶら下がっていたとのことですが、どんな感じだったのでしょう。

今年の反省として、大宿所詣の行列の写真を撮るにはどこか場所を決めて待ち構えておく方がよい。大宿所の御湯立の式はかなり早めに行って場所を確保しておく必要有り。

春日若宮おん祭 大宿所の下見

2022-12-17 21:09:43 | 神社・寺・古墳など
奈良散策 第661弾


12月15日から18日は奈良最大のお祭りである「春日若宮おん祭」の日です。15日には近鉄奈良駅南側にある餅飯殿(もちいどの)センター街にある大宿所(おおしゅくしょ)で御湯立や大宿所祭が開かれます。いろいろな行事が始まる午後になるときっと混むだろうから、その前に写真だけ撮っておこうと思って、午前中に大宿所に行ってみました。いつもなら車で行くのですが、今回はお祭りなので、駐車場が混むだろうと思って、近鉄電車で行きました。





近鉄奈良駅で降りて、東向商店街を歩いていたら、春日若宮おん祭の展示がありました。この衣装は「馬長児(ばちょうのちご)」が17日の御渡り式で着るもので、被り物の上には山鳥の尾がついています。「馬長児」はもともと興福寺学侶が交代で稚児を出したということです。



こちらは「春日若宮祭礼屏風」をもとに現代に描かれた屏風です。御渡り式の様子を描いています。



餅飯殿町センター街の入り口には案内が出ていました。



大宿所の入り口はこんな狭い餅飯殿町センター街の途中にあります。その入り口にも案内が出ていました。





センター街から中を覗いたところです。入り口は狭いのですが、内部は広そうです。



中に入ってすぐに気が付くのは途轍もなく大きな刀です。これは17日の御渡り式で「野太刀(のだち)」として行列に参加します。長さ5.5mもある刀です。





そして、向かって右側には木の枝で覆われたものがありました。これは「懸物(かけもの)」といって供物を掛けるところです。





中には雉と鯛と鮭がぶら下がっていました。昔は雉が1200余羽、狸が143匹と兎が136匹、その他鯛などが神饌としてぶら下がっていたということです[1]。これは領主の要請により村々の庄屋が手に入れたとのことです。現在はさすがに雉は剥製5羽と鯛が20匹、鮭が多数という構成でした。正面には懸鳥奉賛者一覧が掲示されていて、多数の会社が名を連ねていました。
[1] 森隆男、「仮屋から見た春日若宮祭」、関西大学博物館紀要 4, 82 (1998).



これは反対側から撮ったものです。





広場の中央には御湯立(みゆたて)の式のために大きな釜が置かれていました。



午前中だったので、まだ準備中でした。



以前、大和郡山の新城神社で湯立て神事を見たことがあったのですが、そのときよりは大きな釜でした。





正面の建物の中も見ることができました。



奥には御渡り式で着る多数の衣装が展示されていました。



ガラス越しに撮ったものです。



奥には立派な鎧が置かれていました。これは大和士(やまとざむらい)が着用するものです。



そして、これは御幣です。



外側には七夕のような笹が置かれていました。短冊が吊り下げられていて、「忍ぶ恋」、「見る恋」、「逢う恋」など、やたら「恋」という文字が目立ちます。これは「恋笹」といって、最初に出てきた「馬長児」の後ろに従う「被者」がもつものだそうです(近くにいた人に教えてもらいました)。





もう一度、正面の建物を撮りました。「奈良まほろばソムリエ検定」という本によると、もともとこの大宿所は「おん祭を支えた大和の武士団が身を清めて、祭りの準備のために泊りこんだ」ところのようです。「御湯立の式」もその清めの儀式だったのですね。大宿所を見た後、「大宿所詣」の出発地点であるJR奈良駅に向かいました。