佐野洋子の50代の頃のエッセイを集めた本。
極端に正直な人だなぁ。正直というのはするりと生きづらいものなんだろうなぁ。
本当に本当のことだけでは人は生きていけないものなんだろうなぁ。
「私は石ころだらけの野っ原に立ち、野っ原の果ての死までが見通せた。生まれて初めての見通しの良さに少し感動していた。」
お椀の中の味噌汁の。
ゆっくりとした対流は。
地球のお腹の。
マグマの流動。
みたいだなぁ。
朝の池の上にある。
白いもやで。
世界はもやもや。
もやってるんだな。
いろんなものが見えなくて。
うつくしいなぁ。
世界もきみも木も空も。
たくさんの音の中。
一瞬だけどギターの軋む。
音が聞こえた。