登場人物(主人公)を一人の人間として観察せず、「時代の所為」で済ましながらその行動を肯定していけば、いつの間にやら感情移入して妹を死なせてしまった悲しみに同情して泣けてくる。
だが、実際は「(裕福な)軍属のわがまま息子」が母親の死を見ていながら好き勝手やって、そのわがままのために妹を死なせてしまっただけのこと。自分勝手な思い上がった坊やの自滅物語。
監督が、「兄妹が2人だけの閉じた家庭生活を築くことには成功するものの、周囲の人々との共生を拒絶して社会生活に失敗していく姿は現代を生きる人々にも通じるものである」と解説している通り、その部分を見なければならない作品だ。
あ~なるほど~、それで今回泣けなかったんだな~。
悲しみよりも怒りの方が先行してしまう。
もう二度とこの作品で泣く事はないんだろうな。たぶん。
たしか、7千円あったんだっけ?
私だったら妹を連れて避暑地でのんびり遊ぶかも~