「地震列島、原発の真実 まるで原発などないかのように」原発老朽化問題研究会[編] 2008現代書館
柏崎刈羽原発が証明した原子力行政と電力会社、御用学者の嘘。
それでも私はまた丸め込まれて忘れていた。安全だと思ってしまっていた。たぶん、当時にこの本を読んでも鼻くそをほじくりながら、「ふ~ん」としか思わなかっただろう。しかし、福島第一原発事故の状況と関係筋の対応と情報の出し方を見ていると、この本に書かれていることが実感として迫ってくる。どれほど地震に対して甘い想定をしていることか。現実は設計用最強地震どころか、「ありえない」はずの設計用限界地震を超えている。これは現実が想定を超えているのではなく、運転のために想定を甘くしていたことが見えてくる。
甘い見通し。甘い想定。
運転を前提とした「アワ(セ)スメント」
想定を運転できるところまで引き下げる。
基準まで運転可能にするために引き下げる。
単一故障での想定(実際は複合になる)
運転の支障になる情報の隠蔽
2003年東京電力公約
「安全第一に情報公開します。体質改善を進めます」
コスト削減のための手抜き検査
コストのための安全性ごまかし運転延長
当事者による審査や評価
告発するのは外国人
動き始めるととめられない巨大事業
恣意的なデータの選択
(あからさまな安全性評価の改竄)
班目春樹
原発が気持ち悪いと言ってしまう推進派。
「安全」は強調するが、「安心」なんかは無いと言う。
班目さんは東大と東芝に籍を置いていたので、推進派にならざるを得なかったようだ。だが、いつの間にか原子力安全委員会の委員長になっていた。何?この矛盾。2010年に安全委員会に入り、いきなり委員長。つまり、温暖化対策を口実に原子力発電を推進しようとする民主党が、規制派の発言を抑えるために行った人事だったのだろうか。事故のはじめごろに会見に出てきていたが、トンでも発言を怖れた政府や関係者から圧力を受けて姿を消したのだろう。※04月18日の国会に出てたよ。菅総理大丈夫か?
東京電力は柏崎刈羽原発の運転再開を希望したと言う。(04月13日NHKニュース7)
いやいや、それはだめだろ。(あ、そうだ、想定外の震度(衝撃)を受けた原発は全部廃炉にするしかないじゃないか)
弾性限界を超えた怖れがある金属の装置を、誰がその性能を認められるのか。
行政と事業者、学者の癒着だけでなく、裁判所(静岡地裁)まで頭の悪い判決を下す。東京高裁、最高裁と進んでいくことになるのでしょうが、運転を止められないのであれば、その前提となるデータの正確性と妥当性を証明し、その上で納得のいく説明をしていただきたい。だが、それでは時間がかかりすぎる。中部電力は堤防を15mにする(04月12日報道)などと言う検討ではなく、原発停止の可能性を考えてもらいたい。もっと違う方面での将来ビジョンを示して欲しい。
中部電力浜岡原発(東海地震震源直上)運転差し止め訴訟
原発のコマーシャルは行われているでしょうか。このタイミングで安全を謳えないのであれば、現在運転している原発はすべて止めるしかないでしょう。ほら、コマーシャルやってみろ。何万年も危険性の消えない原子力のごみを地下深くに埋めれば安心だと言ってみろ!プルトニウムは丸呑みしても大丈夫だと言ってみろ。(世界中から嘲笑の的になっているプルトニウム君)
六ヶ所再処理工場が本格運転に入ると出るガラス固化体
その受け入れを引き受けたフィンランド
2013年着工2020年操業開始と書かれている。
フィンランドはそのまま受け入れるつもりだろうか。計画は見直されるのか。日本側から謝るのか。
日本はまだ頑張るつもりか。中国やアメリカがウランをやめてトリウムに変更しても、日本は再処理にこだわるのか?
10年後で考えれば、メタンハイドレートと石油藻による火力発電で、電力需要の拡大は充分に賄えるだろう。原子力を残すかどうかの議論はあと数年のものではないか。どんどん縮小していくしかない。日本は原爆の被害にあった国だ。そして、今回自爆したじゃないか。ビートたけしが言うように、「次に原発を建設するなら都内」でできなければならない。
※実は、止めること自体も危険を招くので、すぐに判断できないのではないだろうか。全国で一斉に止めようとして問題が起きたとき、全部に手が回らなくなる可能性もある。そうであれば、より危険な場所にあるものから順次止めていくようにしてもらいたい。その考え方からすれば、浜岡原発が一番最初だろう。
おまけ「原発がどんなものか知ってほしい」原発の製造現場、管理現場
痛いニュース2011-04-15「わくわく原子力ランド」
RCサクセション サマータイムブルース~LOVE ME TENDER