NHKスペシャル シリーズ原発危機
「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」 2012-01-15
海が~湖が~河口が~東京湾が~
この番組の中でも学者の不誠実さを見た。
本人は正直なつもりでも、きちんと答えないことで誠実な対応と言えなくなっている。
漁師がどれくらいで再開できるのか聞いているのに、学者は(最低)2年半は様子を見なければならないと答える。
これは応えになっていない。
そのために漁師は2年半で再開できるつもりになっているじゃないか。
※ 再放送を見たら、「もっとかかるかもしれない」と言っていた。でも、そのすぐあとの漁師の言葉は「あと1年8ヶ月か、長いな」だった。
チェルノブイリの時の影響は2年半でほぼなくなった。その時と現在の相違点を言わずに、そこから考えられる最低限の答えも言わない。チェルノブイリの時の何倍の汚染が出ているのだ、その汚染の影響が消えるのにどれくらい時間がかかるのか。本当の答えは「わからない。見当が付かない」か、または「○○年は無理」だろう。そう言うべきなのだ。そういう、「科学的に間違っていない」が「言葉として通じない」ことを言って、テストの回答のようなことをしていたから、トンチン菅な前総理大臣が判断を誤ったのだろうに。
番組のナレーションでは「2年半後にならないと何もいえない」と語っているが、再開を望む漁師たちがそう受け取っているだろうか。諦めるべきものであれば早く諦めて、早く新しい生活の再建に取り組みたいはずなのに。曖昧な答えで引き延ばしを図り、補償費用も何とか減らそうとする政府の対応(意向)が学者たちの態度にも反映されてしまっているのではないのか。これはきわめて非効率で残酷なことだ。いや、学者たち自身も予算を獲得するために曖昧にしているのかもしれない。学者自身が引き延ばしを諮っているのか。そうであれば犯罪的な行為だと言わざるを得ない。
ストロンチウムについての言及がなかったが、セシウムだけについて言っても生態系に重要な泥に結合していることから、福島の海は100年以上影響が残るといわざるを得ないのではないのか。100年後でも5%残っている。1%になっても影響が消えたといえるレベルではない。拡散希釈に期待したであろう東電や政府の思惑は外れたのだ。(100年ともなればある程度の拡散も期待できる?)
2年後には江戸前の寿司は老人だけのものになる。若者が口にしてはいけないものに。
※ 再放送で気になった点は、ニュースなどでも使われている「それほど高くない値」という表現だ。
それは「福島などの高度汚染地区と比べれば」というものであって、本来の数値としては許されないほどの高さのはずなのに。