「福島原発作業員の記」池田実 2016八月書館
東京の郵便配達員が年齢的なタイミングや義憤、そして経済的問題もあわせて除染作業に参加し、そのままの流れで(会社を変えて)福島第一原発でも片付け仕事をする。
あのね、予想通りの内容だった。
震災、事故前の原発作業員の状況とほとんど同じ。危険な環境で素人作業。
管理監視の行き届いている場所だけはそれなりで、そうでない場所では労働条件や仕事のクォリティーが低すぎる。
この本の中でも書かれているが、民間の東電に廃炉を任せていてはまずいのではないか。
ああ、国は本当はもう見限っているんだな。たぶん東電とも打ち合わせはできている。実質的なギブアップだが、やっているふりをしていれば時間が解決してくれると。自分たちの生きているうちは計画の責任を問われることもなく、先送りして後の人間に任せるということだな。大義名分ができたので、逆に金を使いまくれると喜んでいる者たちも多いだろう。その金は誰が出しているのか。ほとんど誰も文句は言わない。廃炉作業の責任を金で回避できればその方が楽だから。
まあ、「将来の安全よりも目の前のはした金」っていう「作業員」がいるのも事実で、それに乗じて被曝線量の上限を引き上げた(2016年04月)のは、国としては当然の行動であるのかもしれない。2011年12月16日の『収束宣言(野田元総理)』してから、そこに『非常時の危険作業』はないのだから。
現在の作業員たちに生涯にわたる被曝保証待遇はないらしい。
そして格差社会はそういった職場への人員補充に貢献するシステムとして働くのだろう。狙ってやっていたら犯罪的だね。
P176の9行目の1文字目、「L」ってなに?誤植ですね。
「イチエフから出しLて彼らを野に放ってしまえば町はどうなりますか」