「原発のコスト」大島堅一 2011岩波新書1342
2013第4刷
2011年のうちに書かれた本なので、圧力容器の圧力が下がった理由がメルトダウンとは書かれていなかったり、4号機の爆発が3号機からの水素だとわかっていなかったりするわけですが、早い段階でこういう本を出されたことは素晴らしいと思います。
論調はともかく、「原発不要論」として一番説得力があるのではないでしょうか。若い人に一人でも多く読んでもらいたい。
除染費用は不明となっている。ワタシ的には4万㎢くらいの除染が必要で、1㎡当たり1万円くらいかかると思うのね。そうなると除染費用は400兆円くらいです。本当は海の除染も入れたいくらいですが、これは単価がかなり高くなって兆の単位で済まなくなりそうですね。
放射性廃棄物貯蔵施設が2000平方キロメートルで80兆円なら、4万平方キロでは1600兆円ですよ!(あら、平米1万円より高いのね)合わせて2000兆円ですね!
※除染10平方キロメートルで5000億円(1㎡5万円)・・・それでどれくらいの効果があったのかも教えてもらいたい。
廃炉費用1~6号機1兆六八三九億7千万円、これまでの展開を見ていれば10倍以上になるだろうから20兆円は見た方がいいね。
原子力損害賠償紛争審査会(文科省)
これはひどい・・・範囲が酷い。
宮城県の南部とか、明らかに汚染のひどい場所があるのに対象ではない。
群馬県とかも逃げたい人(実際に逃げた人)はいるよね。
未だに中間指針であるし、
生活再建はほぼ不可能じゃん。
(国の)予定通りに死ねと?(「ヒロシマ・ノート」参照)
原子力損害賠償『事故があっても健全な原発事業の発展』
賠償の主体は事業者であり、免責になれば国の支援もなくなる仕組み。
原子力保険プール
政府保証
原子力損害賠償支援機構
東電は当初法的整理の方向であったが、いつの間にかそうではなくなる。
支援機構の目的が「円滑な運営の確保」???!!!
保有資産の買取りが可能であり、
発送電分離も可能。
やる気次第!
東電からのいい加減な報告での援助
支援に見合うだけの情報の開示が必要
どっちに転んでも国民負担。電力料金か税金か。
東京電力には損害賠償の窓口となる資格がない。
研究開発コスト
立地対策コスト
広告料・寄付
事故コスト(除染・廃炉・賠償)
バックエンドコスト(放射性廃棄物処理・管理(トラブル))
全部入れれば、引き受ける保険会社がない。
「19兆円の請求書」すらも安すぎる。
そのバックエンドコストもすでに電気料金に上乗せされている。
12兆1900億円使って作られるMOX燃料の経済的価値は9000億円(1割もない)
2009年「原子力に関する特別世論調査」で、すでに半数以上が「不安」だった。
私は「安心」していたバカの方だったから、完全に遅れていたわ!
「わくわく原子力ワールド」「チャレンジ原子力ワールド」などの洗脳
脱原発費用:さしあたって15年間毎年2兆円
脱原発で節約できる費用:年1兆3100億円
損害に見合った賠償と除染をきちんとして、それを原発コストに繰り入れたら100円/kwは楽に超えるんじゃない?