香椎宮の狛犬。と言っても、本物の狛犬は別にあり、これは誰かが寄進したものであろう。あまりにも八重桜との相性が良かったのでこの構図となった。さて、狛犬と沖縄のシーサー、DNAは共に同じ。なんと!エジプトのスフィンクス (Sphinx)である。「百獣の王」と称されるライオンは古来より紋章や文様に用いられている。古代エジプトでは人の顔、ライオンの体、鷲の翼を持つスフィンクスとして神格化された。これが中国や朝鮮半島を経由して日本(琉球)に伝わったとされている。シンガポールのマーライオン、これも原型はスフィンクスだそうだ。写真の狛犬、よく見ると背中に翼がある。その色といい、おそらく外国製であろう。
香椎宮の獅子楽、少なくても300年以上の歴史があるという。大正時代、時の皇太子(昭和天皇)も御覧に供したことがあるという。さて、その構成は、一獅の首尾に一人づつ、2人立ちの雌雄2頭の獅子を縦横に笛、大小鼓、手拍子に合わせて操る。演目内容は、デハ(序)、ナカノキリ(破)、キリ(急)の3段で、雌雄の出会いから、意識し合い、求愛までを演じているといい、なるほど!段階が進むにつれて動きが激しくなり、そのため、演目毎に獅子の操手が交代する。因みに、香椎宮の「獅子楽」は、福岡県の無形民俗文化財に指定されており、香椎宮以外で奉納されることない。一見の価値あり!次は秋の大祭だっ!!
これから「獅子楽」が始まる。普通なら「獅子舞」と呼ぶが、ここでは「獅子楽」という。なぜ?それは演目の構成が序、破、急から成り立っており、これは雅楽から所以している。因みに、「序」とは、一番ゆったりとしており、あまり制約がなく、序奏的なもの。「破」とは、ゆったりした流れだが、拍子が決められていて、終盤に向かうためのキッカケとなる。そして、「急」とは、その名の通り、テンポよく、所謂、情熱的な奏法である。さて、大方の人は雅楽と縁がなく、生演奏など聞いた経験がないものと思う。しかし、普段、何気なく使っている言葉、例えば、「打ち合わせ(うちあわせ)」、これは、管楽器同士で練習をした後、打楽器を交えて、最終的なリハーサルをしたこと。また、「上手い(うまい)」も、雅楽の右舞(うまい)から所以しているのである。因みに、昨年、宮内庁樂部の演奏会に招かれた。演奏会の場所は皇居、皇族方と同席である。しかし、のっぴきならない急用で欠席してしまったのである・・・
拝殿のなかでは巫女さんの装束に身を包んだご婦人方により、「踏歌」が奉納されている。オイラも「踏歌」を見るのは初めて!踊り手は、足で地面を踏みつけて調子(リズム)をとり、謡(合唱)と箏の演奏で優雅に舞うのである。一種独特の雰囲気がある。これも香椎宮が天皇家と密接な関係にあり、それだけに厳かな雰囲気をかもしだしているのであろう。特に、琴の響きがいい!香椎宮に祀られている仲哀天皇も琴の名手であったという。さて、「踏歌」が終わると「獅子頭」が神官の手から、境内で待機していた氏子へと引き渡された。
祭とは、神社や寺院を舞台として行われることが多く、その目的は、五穀豊穣や大漁、商売繁盛、疫病退散、無病息災 等を祈願して行われる。「まつり」という言葉は「祀る」の名詞形で、本来は神を祀ること、またはその儀式を指すものである。香椎宮では、春と秋の2回、氏子大祭が執り行われるらしい。オイラも博多弁でいう「のぼせ(祭り好き)」、これまで、26年連続!浅草「三社祭」で御輿を担ぎ、また、山笠では西流で山をかき、祭りと聞くと血が騒ぐ!どんな祭りなのか?その一部始終を見てみることにした。
日曜の朝、香椎宮への参拝が恒例となった。今朝もいつも通り、健康のため!?と意識しながら早足で参拝にでかけた。今日の香椎宮、いつもより参拝客が多く、また、菊のご紋のノボリも風にひらめいている。拝殿には雅楽を奏でる楽士、そして大勢の巫女さん。すると雅楽が始まり、権禰宜を先頭に、数名の神官が入場してきた。これから「春季大祭」が始まるという。慌ててマンションへデジカメを取りに帰ったの!