元町中華街の入り口にある加賀町警察の前に、「中華飯店」という
古くてボロボロの小さな店があった
周囲は電飾できらびやかな店ばかり
中をのぞくと、いつもおばさんが数人の客と談笑していた
今春、突然こんな張り紙を出して閉店した
「万感の思いが込み上げる次第ですが、ここは心機一転!
気合も新たに入れ直し、更なる精進を……」
移転先は、中華街の外れにあった
おばさんは、国際結婚した中国人の夫と39年前に創業
美智子皇后のご実家で腕を振るったこともある自慢の夫は、
開店1年後に病で倒れ、46歳で他界した
それからおばさんも厨房(ちゅうぼう)に立ち、店の隅で2人の子を育てた
夫が得意だった「モツ炒め」をのせたラーメンを考案して評判も呼んだが、
創業40年を目前に、立ち退きを求められた
「あの店に自然と足が向くけど、つらくて近寄れない」
新天地は裏通りで客は少ない
「みんな苦労して頑張ってるから」と、夫の味を受け継いだ長男と歯を食い縛る
張り紙に書いてある通りだった・・・毎日新聞2015年6月18日 地方版より
あれから約1年・・・
裏通りとはいえ、店は、これまでのように多くの常連さんでいつも賑わっている
また、週末には、数年前に病で倒れた若女将(長男の奥さん)も顔を見せる
俳優の藤竜也さんも中華飯店の大ファン!!昔のように、いつか若夫婦が揃って
店に立つ日を待ち望んでおり、時々、若女将を見舞っては勇気づけていた
しかし、今日、Fさんから連絡があり、若女将が17日に亡くなったと聞いた
本当に残念だ。言葉がない。週末に執り行われる葬儀でお別れをしてくる
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