2012年3月末、石垣島に行ってきました。
その際に「新・くだもの日記」の管理人であるbuabuahanさんの職場にお邪魔しました。
buabuahanさんは、タイを中心に東南アジアをフィールドとしている熱帯果樹の研究者です。
魅力的なものを多々見せて頂きましたが、その中で今回のイチオシはこちら。
写真1:マンゴスチンの鉢植え大樹
160L鉢(?)で栽培されている樹高3.5m強はある国内最大級のマンゴスチン樹です(写真1)。
しかも、樹のあちこちに蕾や花が見られます(写真2、3)。
写真2:マンゴスチンの蕾
写真3:マンゴスチンの花
初めて見るマンゴスチンの花にテンションが上がります。
Buabuahanさんの説明では、石垣島ではマンゴスチンの花は18:00頃から咲き始め、翌朝には開花しているそうです。
しかし、タイでは18:00頃には開花しているそうです。
栽培条件により開花のタイミングが異なるのでしょう。
次に花の形態を見てみましょう。
マンゴスチンの花では、発育の初期段階で雄しべと雌しべが作られますが、雄しべは早い段階で生長が止まり、生殖能力をもつ花粉を作ることはありません。
そのため、雌しべのみで結実できる(単為生殖)様になっています。
開花した花をよく見ると、雌しべは太くて大きいのに対し、その基部に14~18本ある小さな(5mm程度)雄しべは茶色く変色し、乾燥しているのがわかります(写真4)。
写真4:マンゴスチンの雌しべと雄しべ
観察ポイントを花弁に移します。
マンゴスチンの花の花弁は4枚。
一般的な花弁の色は写真の様に内側が白っぽく、外側がピンク色っぽいです。
しかし、インドネシアのジャワ島では、花弁の色が異なる2つの個体群が見つかっています。
一般的なものと異なるタイプは花弁の色が全体的に青白くややオレンジ色がかった色をしています(Sobir & Poerwant, 2007;PDFファイル:197KB)
さらに、マンゴスチンの花の裏側を覗いてみます。
花弁の後ろに大きな萼片(がくへん)があります(写真5)。
写真5:マンゴスチンの花の裏側
開花数日後の花では、花弁が落ち、萼片が花弁の様に見えます。
また、開花当日は白っぽかった柱頭が、開花数日後には茶色くなります(写真6)。
写真6:開花数日後で花弁が落ち、柱頭が茶色くなったマンゴスチンの花
初めて見るマンゴスチンの花に本当にテンションが上がりました。
夢中になって脚立に登り、写真を撮りまくりました。
Buabuahanさん、改めてありがとうございました。
この写真撮影後のマンゴスチンの花→果実への生長は、Buabuahanさんのブログ「新・くだもの日記」に続報があります。
興味のある方は、是非チェックしてください。
このまま国産マンゴスチンがたくさん収穫できることを願っています。
○参考文献
・「Mangosteen Genetics and Improvement」. 2007. Sobir & Roedhy Poerwanto. International Journal of Plant Breeding; 1(2); pp. 105-111. Gloval Science Books.(PDFファイル:197KB)
その際に「新・くだもの日記」の管理人であるbuabuahanさんの職場にお邪魔しました。
buabuahanさんは、タイを中心に東南アジアをフィールドとしている熱帯果樹の研究者です。
魅力的なものを多々見せて頂きましたが、その中で今回のイチオシはこちら。
写真1:マンゴスチンの鉢植え大樹
160L鉢(?)で栽培されている樹高3.5m強はある国内最大級のマンゴスチン樹です(写真1)。
しかも、樹のあちこちに蕾や花が見られます(写真2、3)。
写真2:マンゴスチンの蕾
写真3:マンゴスチンの花
初めて見るマンゴスチンの花にテンションが上がります。
Buabuahanさんの説明では、石垣島ではマンゴスチンの花は18:00頃から咲き始め、翌朝には開花しているそうです。
しかし、タイでは18:00頃には開花しているそうです。
栽培条件により開花のタイミングが異なるのでしょう。
次に花の形態を見てみましょう。
マンゴスチンの花では、発育の初期段階で雄しべと雌しべが作られますが、雄しべは早い段階で生長が止まり、生殖能力をもつ花粉を作ることはありません。
そのため、雌しべのみで結実できる(単為生殖)様になっています。
開花した花をよく見ると、雌しべは太くて大きいのに対し、その基部に14~18本ある小さな(5mm程度)雄しべは茶色く変色し、乾燥しているのがわかります(写真4)。
写真4:マンゴスチンの雌しべと雄しべ
観察ポイントを花弁に移します。
マンゴスチンの花の花弁は4枚。
一般的な花弁の色は写真の様に内側が白っぽく、外側がピンク色っぽいです。
しかし、インドネシアのジャワ島では、花弁の色が異なる2つの個体群が見つかっています。
一般的なものと異なるタイプは花弁の色が全体的に青白くややオレンジ色がかった色をしています(Sobir & Poerwant, 2007;PDFファイル:197KB)
さらに、マンゴスチンの花の裏側を覗いてみます。
花弁の後ろに大きな萼片(がくへん)があります(写真5)。
写真5:マンゴスチンの花の裏側
開花数日後の花では、花弁が落ち、萼片が花弁の様に見えます。
また、開花当日は白っぽかった柱頭が、開花数日後には茶色くなります(写真6)。
写真6:開花数日後で花弁が落ち、柱頭が茶色くなったマンゴスチンの花
初めて見るマンゴスチンの花に本当にテンションが上がりました。
夢中になって脚立に登り、写真を撮りまくりました。
Buabuahanさん、改めてありがとうございました。
この写真撮影後のマンゴスチンの花→果実への生長は、Buabuahanさんのブログ「新・くだもの日記」に続報があります。
興味のある方は、是非チェックしてください。
このまま国産マンゴスチンがたくさん収穫できることを願っています。
○参考文献
・「Mangosteen Genetics and Improvement」. 2007. Sobir & Roedhy Poerwanto. International Journal of Plant Breeding; 1(2); pp. 105-111. Gloval Science Books.(PDFファイル:197KB)