沖縄県中央卸売市場で扱われるマンゴーを品種毎に数量別に見ると1位が「アーウィン」、2位が「キーツ」というのは不動の順位で、3位が「金煌1号」かな?と云う具合でした。
ところが、2015年は3位に新興品種である「金蜜」が食い込んできました(写真1、2)。
写真2.「金蜜」マンゴーの果実
今回は、この「アーウィン」より少し小さく、黄色い果皮の「金蜜」の紹介をします。
市場関係者にお話を伺ったところ、「金蜜」は3年ほど前から少量の入荷が見られる様になり、年々その入荷量が増えてきた注目品種とのこと。
その入荷量の推移は2013年から2015年の3年間で約10倍に増えたと市場関係者は語ります。
図1.2013~2015年 「金蜜」マンゴーの市場取扱数量
(株)協同青果より聞き取りで作成
2015年の市場入荷量は約2,300kgとまだまだ少ないものの、この数量の伸びは注目に値します。
また気になる取引価格ですが、2015年7~8月におけるマンゴーの平均価格が約1,100円なのに対し、「金蜜」は約1,300円でした。
これまでは、外観が黄色い(赤くない)或いは「アーウィン」より小玉な品種のマンゴーは「アーウィン」より安価で取引される印象が強かったのですが、「金蜜」はそれを覆しました。
では、何故「金蜜」は市場で高く評価されているのでしょうか?
それは「とても甘いから」という単純な理由が挙げられます。
「アーウィン」の場合、糖度(Brix)15%以上が高水準と評価されることは、宮崎県産のマンゴーブランド「太陽のたまご」でお馴染みですが、私がこれまでに測定した「金蜜」では糖度(Brix)が20±2%程度になるものが多く、高いものではBrix24%を記録したものもありました。
そのため購入者にリピーターが多く、これまで国産マンゴーを買い続けてくださったお客様にサンプルとして1果を入れておくと「あの黄色いマンゴーを送ってよ」と再注文が入った等と云う話を今夏は複数件聞きました。
まだ、生産量が多いとは云えない品種ですが、甘いマンゴーを食べたい方は「金蜜」という品種名を憶えて損はないはずです。
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