日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 和泉守國貞(真改) Kunisada Wakizashi

2016-11-16 | 脇差
脇差 和泉守國貞(真改)

 
脇差 和泉守國貞

 真改國貞の、真改に改銘直前の寛文十二年の脇差。一尺八寸弱。反りを二分に控えた時代の姿格好が、健全に残されている。小板目鍛えの地鉄が特に綺麗だ。均質に詰んだ中に細かな地景が網目のように交じって、さらに細かな地沸が全面を覆い、肌立たずにしっとりとして潤い感に満ちている。これが大坂の横綱に位置付けられ、大坂正宗と評価された真改の真実だ。刃文は浅く湾れ、帽子も調子を同じくごく浅く湾れ込んで先小丸に返る。均質で深々とした小沸による焼刃は、刃境がほつれて刷毛目のように掃き掛け、刃中には細かな沸筋、砂流し、金線が肌目に沿って流れる。沸は刃先近くまで広がり、匂による冴えと複合して一段と明るい。写真でこの全貌が伝えられないのは残念。現品を手にとって見てほしい。□