日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 立花隼人圀秀 Kunihide Katana

2016-11-21 | 
刀 立花隼人圀秀


刀 立花隼人圀秀文化四年

 圀秀は上野国出身の刀工。相州伝で名高い一貫斎義弘に学んで相州鎌倉に移住した。一貫斎一門は、微妙に質の異なる鋼を組み合わせて板目肌が綺麗に浮かび上がる地鉄鍛えを得意としている。ここに相州古作を手本とした意識が窺える。本作もその影響が良く示された刀で、寸法二尺三寸七分と、伸びやかな姿格好。刃文は互の目に小丁子、尖刃などが交じって小模様に複雑に乱れ、匂口締まって冴えており、刃境には鍛え肌に伴う筋状の働きが顕著。刃中には沸匂の広がりと、小足、地中には飛焼が配され、帽子は激しく乱れ込んで返り、相州振りが顕著である。

脇差 常陸守宗重 MUneshige Wakizashi

2016-11-21 | 脇差
脇差 常陸守宗重


脇差 常陸守宗重

 江戸時代前期の大坂では、斬れ味に優れた多くの刀工が活躍していることは前にも説明したことがある。宗重もその一人。この脇差は、常に比べて元先の身幅が広く。重ねは尋常に迫力のある造り込み。小板目鍛えの地鉄は、大坂物らしく良く詰んで地沸で覆われ、地底に細かな地景が観察される。刃文は互の目に湾れの複合。刃形は一定にならず抑揚変化し、刃中に小足が入り沸が広がり、肌目に沿って金線が走る。特に物打辺りの刃縁の景色が濃密で、帽子は物打辺りから連続している金線が流れ込み、先は小丸に返る。