刀 春光



刀 春光天文二十三年
十郎左衛門尉春光の湾れ調子の出来。先に紹介したように、この工は作品が少なく、残されているのはいずれも優れている。この刀も、銘の上が消されていることから、注文者の名前が刻されていたものと思われる。板目交じりの小板目肌が良く詰んでしっとりとした感がある。地鉄も肌立つ風がなく、上出来だ。刃文は直刃調子ながら湾れが交じり、刃境ほつれ掛かり、小足が盛んに入る。帽子は浅く乱れ込んで先は乱れずに丸く返り、棟焼となる。春光にはこのような鋒から物打辺りまでが棟焼とされた例が多い。




刀 春光天文二十三年
十郎左衛門尉春光の湾れ調子の出来。先に紹介したように、この工は作品が少なく、残されているのはいずれも優れている。この刀も、銘の上が消されていることから、注文者の名前が刻されていたものと思われる。板目交じりの小板目肌が良く詰んでしっとりとした感がある。地鉄も肌立つ風がなく、上出来だ。刃文は直刃調子ながら湾れが交じり、刃境ほつれ掛かり、小足が盛んに入る。帽子は浅く乱れ込んで先は乱れずに丸く返り、棟焼となる。春光にはこのような鋒から物打辺りまでが棟焼とされた例が多い。

