▲ エピローグが冗長だった「アルキメデスの大戦」、しかし本編は文句無し!
自由が丘大人の音楽教室の新沼健です。
「自由が丘大人の音楽教室」とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
家人をともない、映画「アルキメデスの大戦」を鑑賞してきました。
昭和8年(1933年)、第2次世界大戦開戦前の日本。
日本帝国海軍の上層部は世界に威厳を示すための巨大戦艦の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六は今後の海戦には航空母艦の方が必要だと主張する。
進言を無視する軍上層部の動きに危険を感じた山本は、天才数学者・櫂直(菅田将暉)を軍に招き入れる。
その狙いは、彼の卓越した数学的能力をもって巨大戦艦建造にかかる高額の費用を試算し、計画の裏でうごめく軍部の陰謀を暴くことだった。 (シネマトゥデイ より)
本編は文句無し!!と言いつつも、山本五十六が菅田将暉を味方にひき入れるまでと、お話の本題「巨大戦艦」の見積もりに取り掛かるまでが少し退屈でした。
しかし、菅田将暉が「鉄」の使用量からあらゆる軍艦の建造費を導き出す関数を思いついてから、とんぼ返りで東京に戻ってからの会議室の対決シーンは圧巻!
どんでん返しに次ぐどんでん返しに感心させられました。とても良くできた脚本だったと思います。
また紅一点のヒロイン浜辺美波の出番がちょうど良く、本筋の邪魔をすることなく華を添えました。
さて、良くできた本編に対し、エピローグがとても冗長なのが私には残念でした。
1)史実プラス会議室でのクライマックスシーンより、菅田将暉がそうなるんだろうなあとは予想できたので、あまり詳しすぎるその後の解説は、個人的に不要だったと思います。
2)また登舷礼のシーンは「トラトラトラ」の長門を大和に替えたかのような(パクリ)シーンにびっくり。
家に帰って「トラトラトラ」のDVDを見直しましたが、やはり、実写の迫力の方が上でした。
まあ、監督と年代が近い私には監督の気持ちがわからないでもない、オリジナルはとても良くできていたので、自分でもやってみたかったんでしょうね、きっと。
3)ラストシーン「大和」の航走が20年ほど前に見た映画「タイタニック」で見た「タイタニック号」とダブって見えてしまいました。(20年前の洋画と同じCGクオリティなのか!?)「永遠の0」の赤城などはとても良くできていたと思うので、この辺、冗長なエピローグを象徴するようでとても残念でした。
とはいえ、物語の斬新な切り口なためか、旧来の邦画戦争映画のように過度にウエットになることもなく、エンタメ作品として上々の出来で、とても楽しめる作品となっています。
劇場での鑑賞を超強力にお勧めします。