Naoの誰でもわかる!英語の話

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「いい言葉」から学ぶ英語(6)

2010-01-09 | Weblog
いい言葉6)Never let the fear of failure be an excuse for not trying. Society tells us that to fail is the most terrible thing in the world, but I know it isn't. Failure is part of what makes us human.
(失敗するかもしれないという恐れを努力しない言い訳にしてはならない。社会は私たちに失敗することはこの世でもっともひどいことだと言うが、私はそれが間違っていることを知っている。失敗は私たちを人間足(た)らしめているものの一部なのだ。)

これはAmber Deckers(「Ella Mental and the Good Sense Guide」より)の言葉です。内容的には古くから言われていることですね。「人間は失敗をして学ぶ」とか、「人間は失敗を繰り返して成長する」とか。特にスポーツにおいて言われる言葉のような気がします(かな?)。英語的には特に変わった、あるいは面白い表現があるというわけではありませんが、今回の言葉は私たちが学校で習った親しみ易い(?)文法項目や注意しなければいけない言葉の使い方を確認できるので取り上げました。また英文の流れもいいため、覚えることで、それらの使い方をマスターできるというメリットもあります。是非、覚えてみてください。

では、どんな英文法をこの言葉から確認できるのか、一つずつ見ていきましょう。まずは最初の部分です。

Never let the fear of failure be an excuse for not trying.
(失敗するかもしれないという恐れを努力しない言い訳にしてはならない。)

1) 命令形
2) let+何か=名詞(人、者等)+動詞の原形
 Note: 何かをして~させる(使役動詞)
3) failureは抽象名詞であるため、aやthe(冠詞)はつかない。
4) forは前置詞なので、その後には名詞、もしくは動名詞がくる。

問題はないですね。では、次の部分です。

Society tells us that to fail is the most terrible thing in the world, but I know it isn't.
(社会は私たちに失敗することはこの世でもっともひどいことだと言うが、私はそれが間違っていることを知っている。)

1) この場合のsociety(社会)は、どこか特定の社会を意図しているわけではく、一般的な意味での「社会」を表しているため、冠詞のtheが付いていない。
2) to failは不定詞の名詞的用法
3) the most terrible thingのthe most は比較の最上級。
4) I know it isn’t のitは、前のto fail以下の文を受けている。

では、最後の文です。

Failure is part of what makes us human.
(失敗は私たちを人間足らしめているものの一部なのだ。)

この文章はかなり英語的と言えます。ま、英語ですからすべて「英語的」なんですけどね。You know what I mean, don’ you?(僕の言ってる意味、わかってもらえますよね。)特に英語的と思えるのは、その意味がすんなり日本語にならないことからきているものと思います。つまり、日本語的発想になじみにくいということですね。では、この文の特徴を見てみましょう。

1) 前述のように、Failureは抽象名詞のため、冠詞がついていない。
2) par ofは、~の一部分という意味だが、aはつかない。
Note: a par ofという場合がないわけではないですが、a はつかないのが普通です。「~は~の一部分、部分をなす」と言う時にはa part of ではなくて、part ofでいいと覚えましょう。僕はよくaをつけてネイティブから何度もチェック受けた記憶があります。
3) par of whatのwhatは、「~というもの、こと」を表す関係代名詞。
4) makeは「~を~の状態にする(作る)、ならしめる」という意味を持つ他動詞(つまり目的語を取る動詞)。

この最後の文章、Failure is part of what makes us human.という文を日本語に訳そうとすると、こんな風になります。あくまで僕の場合ですが…。

「失敗は一部分である。(何)の?私たちを人間にするものの。」

「失敗は私たちを人間にするものの一部分なのだ。」

「人間にするもの?」

「人間が人間であるために必要なもの?」

「人間であれば必ず持っているもの?」

「人間を人間足らしめているもの?」

「人間足らしめているもの」

「失敗は私たちを人間足らしめているものの一部なのだ。」

結局ちょっと難しい、「足(た)らしめる」という日本語を使ってしまいました。「人間にしているものの一部分」でも意味はわかる気はするのですが、なんか稚拙な感じは免れないですものね。こういった言い回しは日本語では理屈っぽい言い方なのであまりなじみがないことが日本語訳を難しくしている原因かもしれません。でも英語ではこの言い回しは日常的に使われるので、この手の表現を理解するには日本語訳に頼ることなく、英語そのものを理解する、そして使うことで脳にその意味を理解させることが大事です。つまり、「英語の意味の感覚を自分のものにする」ということです。是非何度もこの文章(Failure is part of what makes us human.)を音読して、そらで言ってみて、その感覚を体得してください。

今回の「いい言葉」は、決して目新しいものではありません。きっと誰でもこのような言葉はどこかで聞いたことがあるはずです。でも、私たちは失敗をして、その都度落ち込み、悩みます。「いい言葉」は、「知っている言葉」や「聞いたことがある言葉」では意味がありません。私たちにとって「いい言葉」は、何かあった時にすぐ頭に出てきて自分を納得させる、励ます、「自分自身の言葉」であるべきです。ですから皆さん、「これは本当にそうだな、いい言葉だな」って思ったら、是非覚えてください!意味がしっかりわかっていたら、英語でも、「いい言葉」は、いい言葉ですから。最後にもう一度今回の言葉を読んでみてください。

Never let the fear of failure be an excuse for not trying. Society tells us that to fail is the most terrible thing in the world, but I know it isn't. Failure is part of what makes us human.

Got it? See you in the next story, folks. Goodbye! nao