いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

「信じられる自分」に気づく本 大原敬子著

2014年04月08日 | 読書

 久しぶりに読書レビュー。ユーモラスで実践的な人生啓発本。ブック○フでとても安い値段で手に入れることができて感謝感謝。

 「自分を知るまで、自分を愛するまで、なんとまあ、長い時間と遠い道のりをかけてきたことか」という言葉が好きな筆者。自分を知ることの大切さ、愛することの尊さは「自分の欠点」を理解することの中で教えられるという立場で、悩みの原因、そしてその悩みの解決に合ったアドバイスを書いています。

 いくつか例を挙げてみます。

いつも他人と比べてしまう人へ

 いつも他人と比べてしまうのは、もっともっと自分の人生を貪欲に生きたいからです。

 自分の存在を語る唯一の証は子供の頃の写真です。寝る前に幼いころの写真を見ましょう。なえた心を奮い立たせてくれます。

 

いつも責められていると感じる人へ

 いつも責められている気持ちになる人は、大きな失敗をしない「人生の達人」です。

 寝る前に、枕を思いっきり投げとばしてみましょう。きょう一日の「我慢」を吐き出すように。

 

何もしたくないという人へ

 何もしたくないときは自分が寂しいときです。むなしさもせつなさも、自分の思い通りにならないからです。でも反対に目的さえ見つかれば、一気にそこに突進します。

 休日、公園に出かけましょう。そして一日じゅう、ボーッとしているのです。ボーッとしているつもりでも、あなたはきっと何かをつかむはずです。

 

自分では決定ができない人へ

 自分で決定ができないのは、決して優柔不断ではなくて、欲張りだからです。生きるのに貪欲なだけです。

 朝起きたら、大きな声で言いましょう。「私は欲張り!」と。欲張りと認めることで心から満足するから不思議です。

 

私がこの本を読んでいて印象に残ったのは、悩みのもとには欲がある、ということが書かれていたことです。欲というものは人を動かす原動力にもなるけれど、認識を間違えると心をまどわせ悩みの元になりかねない。なので自分はどんな欲をどれぐらいもっているか、ということをまず自覚することが、心のもやもやから解放されるのに不可欠な気がしました。

 最後にこれを挙げることにします。

むなしさに襲われる人へ

 私は今まで何をしてきたのだろう、そう思った時が新たなる門出です。人は自分の危うさには敏感だから。

 月に一回、大きな図書館に出かけてみましょう。あの本の一冊一冊に、その人の人生が凝縮されているのです。手でふれるだけでも、帰り道のあなたの表情は違います。


若き詩人への手紙・若き女性への手紙

2013年04月27日 | 読書

 先日あるところで無料の講演を聴きに行きました。その講演の会場に置いてあった本に、「人生を変える読書」武田修志著php新書 というのがあり、気になり手に取ったところ真っ先に目に入った本が、リルケ著の「若き詩人への手紙・若き女性への手紙」リルケ著・高安国世訳でした。著者の武田氏はこの本を何度も読み心の糧にしてきた、ということでした。私はすでに若いとは言えないのですが、この本から力づけられることが多そうな予感がしたので読むことにしました。

 武田氏の感想と私の感想、まさにほとんど一緒でした。本文から抜粋します。

「あなたは御自分の詩がいいかどうかをお尋ねになる。ほかの詩と比べてごらんになる、そしてどこかの編集部があなたの御詩作を返してきたからといって、自信 をぐらつかせる。それは(私に忠言をお許し下さったわけですから)私がお願いしましょう、そんなことは一切おやめなさい。あなたは外へ眼を向けていらっしゃる、だが何よりも今、あなたのなさってはいけないことがそれなのです。誰もあなたに助言したり手助けしたりすることはできません、誰も。ただ一つの手段があるかぎりです。自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深くさぐって下さい。もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい。」

 この文章に出会っただけで、リルケ氏、そして武田氏に出会えてよかったと思いました。ここでは詩ですが、たとえば演奏や文章や他のものにもあてはまるでしょう。プロとしてやっていく場合はとくにそうかもしれませんが、そうではなくても、本質的にこの助言はなにかを作ろうとする者にとってはあてはまるような気がします。

 他にも心に残った言葉。

「もしあなたの日常があなたに貧しく思われるならば、その日常を非難してはなりません、あなた御自身をこそ非難しなさい。」

「必然から生まれるときに、芸術作品はよいのです。こういう起源のあり方の中にこそ、芸術作品に対する判断はあるのであって、それ以外の判断は存在しないのです。だから私があなたにお勧めできることはこれだけです。自らの内におはいりなさい。そしてあなたの生命が湧き出てくるところの深い底をおさぐりなさい。」

「あまり自分自身を見つめすぎてはいけません。」

 厳しい言葉といえば厳しいのですが、深い愛情が感じられます。とても力強く勇気づけられる言葉。何度も読み返しそうです。講演もよかったのですが、講演を聴きに行ったおかげでこの本に出逢えて本当によかったです。

 


コミック「ムジカ」 第1巻

2013年04月27日 | 読書

 久しぶりのブログ更新はコミックの紹介からいきます。先日、「ムジカ」 (かかし朝浩さん著)というコミックの第1巻が幻冬舎コミックスから発売されました。シューマンやその周辺の作曲家たちの生涯を描いた漫画で友人が紹介してくれました。シューマンの生涯をもっと知りたいと思ったし、何と言ってもシューマンを主人公にした漫画自体が貴重に思え、入れ込めそうな気がしたので読むことにしました。

 ロベルトがクララの父親ヴィークに弟子入りし、クララと出会ったところからストーリーが始まります。父親かつ師匠でもあるヴィーク氏のクララに対する技術を徹底的に鍛え上げる一方彼女の感情を封じ込めるスパルタ教育ぶりのすさまじさ、それを見て痛ましく思いながらもクララを応援するロベルト、その後ひょんなことで社交界にデビューし、さまさまな人物に出会うストーリーになっていました。ショパンに小犬のワルツをささげ支援したことでも有名なデルフィナ・ポトッカ夫人やメンデルスゾーンも登場します。

 史実とは少し違う所もあるということですが、それでも当時の様子を思い浮かべ楽しく読むことができそうです。ポトッカ夫人はちょっとくずして描かれているような気もしたのですが、おかげで彼女の生涯にも興味が湧いてきました。のだめカンタービレもそうだと思うのですが、クラシック音楽を広める上で漫画やメディアによる貢献は大きいと思います。のだめカンタービレのおかげで私も特にピアノ曲以外で聴くようになった曲が増えたような気がします。

 続きの発刊が楽しみです。

 


振動からできているもの

2011年09月16日 | 読書

 野村順一氏の『色の秘密』という本によると、古代の賢者も現在の科学者も、存在するものは必ず振動している、という点で見解が一致していて、振動は力ないしエネルギー活動の結果であると述べられている。

 そして光と音も波であり、振動に他ならないとあった。

 音は低い振動(102~10)で、それより高くなると電気(109)、熱(1012~1014)となる。そして音の何オクターブかの上に光と色彩(1014~1016)の振動があるという。色彩の領域は、最も低い赤(1秒間に458兆の振動)から紫(1秒間に789兆の振動)に及んでいる。そして紫の上には、もはや目に見えない紫外線、X線(1018)があるという。

 別次元のものに思えていた音と光とが、振動という同列のものに並んでいる、という事実は、衝撃的な話だと思った。

 ちなみにドレミの音階が色彩でとらえられるという話もあり、色彩共感覚と呼ばれている。ドは赤、♭レは紫、レはすみれ色、♭ミは淡い青、ミは黄金色、ファはピンク、♯ファは緑青、♭ソは濃い緑青、ソは明るい青色、ラは冷たい黄色、♭シは橙、シは鮮明な銅色だという。ちなみに私はミが緑に、ファが橙、ラがピンクに思えてしまったのですが・・・。

 そして高い音調は明色(ある色に白が加わってできる色)、低い音調は暗色(ある色に黒が加わってできる色)に傾斜するそうだ。

 

 ちなみに香りや味覚は振動という同列のものにはおさまりきらない。そのため、電子機器による直接的な伝達が難しいのだろうとも思ったが。


世界最高のピアニスト

2011年09月04日 | 読書

 今日書店の音楽コーナーに、許光俊氏著の『世界最高のピアニスト』という本が置いてありました。「世界最高」とは相当独断的なタイトルだと思いながらも手に取ってみました。前書きには


「ピアノは、誰が弾いても同じ音が出る?ピアノを習っていたから、曲や演奏のことはよくわかる?-それは大きな勘違い。天才たちの音は時に常識を超え、聴く者を惑わせ、心を動かす」


とありました。そして序章には「ピアニストによってこんなに演奏が変わる!」とありました。


紹介しているピアニストは


ヴァレリー・アファナシエフ 子供に聴かせてはならないピアニスト


イーヴォ・ポゴレリッチ 異常な領域に突入したピアニスト


ヴィルヘルム・ケンプ ヘタと言われ続けた名ピアニスト


ヴラディミール・ホロヴィッツ 芸人だけれど芸術家


フリードリヒ・グルダ 奇行で知られた天才


マウリツィオ・ポリーニ ガツンと来る蒸留酒の味


マルタ・アルゲリッチ ピアノ界のカルメン


マリア・ジョアン・ピリス 禅僧か賢者か


クリスチャン・ツィメルマン 優等生の坊やにあらず?


マレイ・ペライア 強烈な意志の人


グレン・グールド エクスタシーの音楽家


ファジル・サイ 国境も時代も超えるピアニスト


中国のピアニスト 対照的な新旧ふたりの音楽家(ラン・ランとフォー・ツンでした)


それ以外の名ピアニストたち


 目次を見ただけでも辛口な感じです。紹介ピアニストは著者の許氏が「最高」と選んだピアニスト、コメントも内容も著者の独断と偏見がかなり含まれていすが、なんだか面白そうだったので買ってしまいました。ピアニストにあまり詳しくない私にも参考になるかも、と思いました。そして内容を読んだら予想通り、情報源は確かだと思われるのですが書きたい放題、反論も出そうな気がするのですが面白いです。8月20日に出たばかりなので情報も新しいです。
ただ、この本、買ったあとで気づいたのですが、最後の「それ以外の名ピアニストたち」では、私がいいと思っているピアニストのことをいいように書いていないところもあったりして残念でした。ひとまずそういうのもありかもしれない、と思いながら読みましたが。この「それ以外の名ピアニストたち」のところは、表現が大雑把だったり、乱暴に思えるところもあったので、そのコーナーは読み飛ばしたほうがいいかもしれません。(中には投げ出す人もいるかもしれません(汗))個性の強い著者の意見にすっぽりとは飲み込まれないように、学べそうなところや共感できそうなところから目を向けようと思いました。ピアノ鑑賞CDの紹介もありました。


 著者の許氏はまさに音楽評論家、あとがきによると、本人は練習は嫌いだけど聴くのは大好き、本書は「ピアノ嫌いのためのピアノの楽しみ方」であり「飛び抜けた天才へのオマージュ」とありました。ここの記事を自分のピアノに生かそうということを考えるのはやめたほうがよさそうですが、CDも含め、まったく聴いたことないピアニストもいるので聴いてみたくなりました。


 


 そして凡人のピアノ練習。ハイドントリオの楽譜になかったのは強弱だけではなくて指使いもでした。クラシックでまったく指使いが書かれていない楽譜に出会ったのは初めてかもしれません。強弱とともに弾きやすい指使いを考えながら練習です。ちなみに今日はなんと、ハイドンのソナタ47番ロ短調(Hob.XVI32)がコーヒーショップでかかっていて驚いたとともにとても嬉しくなりました。大好きな曲で、横浜に来たばかりのころ、弾きたいと思っていながらも保留していた曲でした。


 リストのほうは、指でちゃんと弾けないところが目立たないようにうまくごまかして聴こえるための指使いを考案中です。こちらは指使いだけではなくて足使いもです。敏捷性が鍛えられそうです。


 


いろいろ

2011年07月31日 | 読書

 最近改めて読んでいるブログがあります。本ブログで紹介しておきながら、いつの間にか自分は読まなくなっていたのに、ある方がちゃんと読んでくださっていたのを知り、改めて読もうと思った伊熊よし子さんのブログです。そのブログの記事に、いいタイミングでピアニストの萩原麻未さんの記事が出てきました。このブログで紹介するのはちょっと恐縮なのですが、出身が同県だし、演奏も一度だけですが聴いたことがあるのです。初めて聴いた演奏もすごいなあ、うまいなあと思ったけれど、世界的なピアニストになられましたね。最近演奏を聴いていないので聴いてみたいです。(9月にハープとデュオの演奏会があるようです)


 本も読みました。『音楽演奏の社会史』大崎滋生氏著 ある方のブログに紹介してあり興味が湧き購入していたのですが、なかなか最後まで読めずにいました。しかしやっと読めました。興味深い内容を誠実に書いていると感じました。でも今のところ内容がまとまらず。。。音楽を純粋な音の並びとしてだけではなく、社会的なコンテキストや演奏慣習で見る必要がある、ということと、過去の慣習を知ったとしても過去の音楽が初めて演奏された時点に戻ることはできない(たとえば当時の社会的環境と現代とは違うし、人々のとらえ方も明らかに違う)ので、本当に完全には音楽の復興はできないのだけど、当時の環境を知り近い状況を作ることによって、立つべき前提を確認することによって近づいたり意味のあるものにしたりできるのでは、といったような内容だったと思います。


 ほかにも読んだ本がありました。『からだで変わるピアノ』宇治田かおるさん著、ピアノを弾くうえで体の使い方が非常に大切だということを述べた本ですが、まずピアノが好きだということ自体が才能だ、その人の演奏はその人しかできない、という内容で勇気づけられた私です(甘い?)。フォルテのところはピアノで、ピアノのところはフォルテで練習するのもあり、とのこと。


 『オーケストラが好きになる事典』緒方英子さん著、も読んでいました。オーケストラに出てくる楽器の奏者たちの裏話が興味深く語られていました。ヴァイオリンは篠崎史紀氏、ピアノは横山幸雄氏でした。それにしてもピアノ以外の楽器の奏者って、楽器に対しておどろくほど神経を使っているのだなあと。おどろくべき話もあったのですが、また気が向いたときに紹介します。


 そして読む予定の本を他にも何冊か買っているということは、それらの本と確かに縁があるということなのですが・・・・。


色川武大 『うらおもて人生録』

2011年07月27日 | 読書

 まとめて読書する、ということがめっきり減っていてなんとかしたい、と思いながらも読みとおしたです。著者は自称劣等生不良少年出身で、賭博の世界でも有名で麻雀小説も書いていたということも知ったのですが、人生や物事の本質を鋭くとらえていると感じました。若いときに読んでおきたかった本でもあります。ここで紹介したくないぐらい(笑)(また賭け事を決してすすめているわけではないこともご理解ください)主な内容です。


 大勢の人にあるがままで関心を持てたのは幸せだと思う。好きになれたのも幸せだと思う。何十年か前のゴミ屋さんの顔や口もきいたことのない運転手さんたちの顔なんかを思い出せたことが心の支えになることもあったそうです。


 プロの勝負の世界で大切なのはフォームを崩さないこと、9勝6敗を守ることが大切。そのときたまたまというのではだめ、いつも維持できていないと。継続自体が本当は大変なんですね。あれこれ考えすぎるのがよくないこともある。マイナスを消そうとすると長所が消えてしまうこともあるし。大事なところでチャランポランになる能力、というのが必要だ。自分のそのときの限界を見せてしまわないこと(ついついやってしまうのですが)。スケールの大きさが大切。


 中学のころ主席を通した男のすごかったところはずばぬけてスケールが大きかったことだ。学校側が与えるものを乾いた砂地が水を吸い込むようにうのみのように飲み込んでいた。非常に素直になる努力をしていたということだ(ちなみに卒業後は脇目もふらず英文学の世界に突っ込み学者になったそうです)


 生きている、というだけで、すでになにがしかの運を使っている。けっして、権利で当然生きているわけじゃない。それ以上の運を費やそうと思ったらそれなりの努力が必要なんですね。


 わかるということは、言葉でわかったりすることじゃない。わかるということは、反射的にそのように身体が動くってこと。なんだか実生活やピアノでも言えそうなことです。


 ばくちでは勝ち星が先、負け星が後だけど、実生活では負け星が先、それから勝ち星。自分を客観的(外から眺める)ことが大切。


 どんな人にもどこかに短所があると思う。その短所とちゃんと向かい合うことから始まる。そしてその短所が致命傷となるようなコースは避けよう。そして自分の一病(短所)をこれだと定めて、これは仕方がないから養うしかない、と思ったら完全人間の誇りは捨てること。その一病に対しては他人から軽く扱われても怒っちゃいけない。


 色川さんって、非常に愛情あふれた温かい心の持ち主だったのだと思う。近くにいたら大変な人だったのかもしれないけれど。


 


ゆるく考えよう

2011年03月08日 | 読書
 ゆるく考えようという本を読んでいます。
 目標は低く持ちましょう
 人生は早めに諦めよう
 退屈な時間を楽しもう
 日本はアジアのイタリアに
 「やめる」決断ができれば「はじめられる!」

など、ゆるそうなタイトルも多いのですが、本当は甘い内容ではありません。特に厳しいと思ったのは

 「成長したい!」だけではダメ
 インプットを最小化する

「インプットを最小化する」たくさん学び情報を得たからと言っても、それをアウトプットしなければ、意味がない、ということです。生産性を上げる方法を思いつきたいならインプットを最小化するとよい、という考え方は、ついつい溜めこんでしまいがちな傾向のある者(私もそうです)にとっては非常に厳しい内容だと思いました。

 この本を書いたちきりんさんのブログも読みごたえがあります。

心に残るヒト以外の名言集

2011年02月06日 | 読書
 「心に残るヒト以外の名言集」、お気に入りのメールマガジンです。ヒト以外のものが、心に残ることばを語っていて、その語っている言葉にちなんだエピソードをユーモア豊かに描いています。今回はチョコレートの名言「私はどんな仕事も引き受ける。人が喜ぶことをしない理由がどこにあるだろうか」という柔軟性の大切さを語った言葉。前回はイルカのハナちゃんの「自分では飽きるほどやっていることでも人にとっては初めて見るエンターテイメント」という新鮮な気持ちを持ち続けることの大切さを語った言葉。そしてその前はカフェオレの「人は誰もが複数の顔を持っている。全員が多重人格者なんだ」という言葉が載っていました。その後に書かれているエピソードも微笑ましくてほのぼのします。
 とっても気に入っていたこのメールマガジン。なんとメールマガジンを書かれているご本人が、今回のメールマガジンの最後に広めてくださいと書いていたのでここで紹介することにしました。購読とまでは行かなくても、バックナンバーをちょっと覗いてみてください。

びびりそうですね、就職活動本

2010年08月04日 | 読書
 書店で「○○内定」というようなタイトルの就職活動本を立ち読みしました。私よりかなり若い学生さん対象の本です。就職が厳しくなっているこのご時世、このような本を読まれている学生さんも多いのではないかと思います。仕事というものは、確かに厳しいものなのかもしれませんが、書いている内容も本当に厳しいですよね。勉強は当然のこと、サークル、アルバイト、遊び、恋愛、すべての面においてアクティブかつテンション高く取り組み、しかもそのときの内容が具体的に言葉で表現できるぐらい活性化させておかなければならないようです。(ちなみに恋愛でも、ある雑誌によると、20歳までに○○をなくしておかないと遅れていると焦っている学生さんもいるとあってびっくりしました。確かに恋愛が大切だと思う気持ちはわかります。しかしそのようにとらわれることは決してないのに。焦ることはないのに。)自己分析というもんですね。そして、そこまで自分はできていない、と思える人たちは、卒業までに慌てていろいろな活動をするようになるか、またはそのままなりになんとか乗り切ろうと思うか、あまりの恐ろしさに回れ右をするか、ということになりそうです。または果敢にぶつかっても、企業から冷たいあしらいをうけることもあります。その上、自己分析というものだけではだめで、企業の業界研究も必要ときています。しかも受ける会社が多ければ多いほど多くの研究が必要になります。自分の将来にかかっているのだから当然なのかもしれませんが。それだけでも大変なのに、この不況ときています。本当に大変だと思います。
 ちなみにこの就職活動本を読んで回れ右をしたくなる人の気持ちが私にはよく分かります。なぜなら自分がそういう人に近かったからです。勉強はがんばっていたのですが他の面で相当抜けていた学生時代の私、某書籍を読んで大変恐ろしくなり落ち込みました。全然だめではないですか(汗)それなら尊敬できる先生がいて楽しくて自分もがんばってきた(?)勉強を続ける方があっていると思いました。しかしそちらもかなりのテンションが必要だったし、相当リスクが高かったのですけどね。そう、アクティブでテンション高い人が輝いているように見えました。(じつは私も思いは熱かったのですが、テンションの表現が下手くそでした。別に輝いてなくてもテンションの表現がうまくなくても、地道にがんばっていけば道は開ける可能性もあったのかもしれないと今は思います。しかし当時の私にはそれはきつすぎました。犠牲も多かったと思うし。)
 結局その後そちらは断念し、紆余曲折しながらも某企業で働くことができました。そのときは涙が出るほどうれしかったです。だって学生時代あんなに恐ろしいと思っていた会社というものに入れたのですから。そのとき感じたことは、あの恐ろしい就職活動本を真に受ける必要はほとんどなかった、そして、できるものなら企業は新卒で入ったほうがいい、ということでした。そして大学はあてになる面もあるけれど、まったくあてにならない面もあるので、自分で考え自分の足で動くことが最も大切だということ、活用できると思えるところがあったら思いっきり活用するとよいということでした(ちなみにこれは、ある地方大学の当時新設学科の昔の例です)。就職活動本を読んで、ますます気が進まなくなっている人たち、ひょっとしたらその本は、ものすごく優秀な方を対象に書いているものかもしれません。しかし現実はそこまで立派ではなくても、働いている人たちはたくさんいます。「そういう本なんか読んでなかったよ」という人もたくさん働いています。希望している会社に入れなかったり、数社続けて落ちたりして凹みそうになっている人もいるかもしれません。しかしあなたと縁のあるところはかならずあります。とにかく凹みそうになったら、自分で抱え込んだり、結論を出したりする前に、友達でも先輩でも家族でも先生でもいい、信頼できる人にその気持ちを正直に話したらいいと思います。そうしながらも前へ進んでいけばいいと思います。ベストを尽くすのは大切ですが、辛くならないようにやり方を考えるのも大切です。
 それから自己分析に縛られるよりも、業界や企業の研究のほうが大切だと今の私は思います。もちろん資本金や福利厚生を見ておくのもありですよ。自己実現という考えも、自分の心から生まれたもので現実に即していればいいのですが、企業においてはそれにとらわれてしまうときついこともあると思います。
 それからもう一つ、組織内で希望の部署にいけたらいいけれど、そうではなくても自分はだめだと思うことはないと思います。希望の職種に後に行ける可能性もあるかもしれません。また好きなことは必ずしも会社の仕事を通してではなくても始めることはできるのです。私もピアノを再開できたしね。

 う~ん、えらっそうに書いてしまいました。○年前の自分に向けての発言かも。このブログに立ちよる学生さんはほとんどいないと思いますが、偶然でも立ちよった方がいらっしゃったら、すこしでも参考になることがあったらしていただけたらと思います。

 今も規模は縮小していますがささやかに動いてます。前書いたところは土曜日必ず出勤ということで縁がありませんでしたが(それでも承諾すればよかったのかもしれませんが、後々のことを考えたらこれでよかったと思います)