滋賀県彦根市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。
一級河川の起点は彦根市安食中町護葉上
の沢。南西流し、彦根市須越町で琵琶湖
東岸に注ぐ。近くの県立大学では、亀山
小学校の脇を流れるこの川の水質調査を、
本校生徒が児童に指導しているという(
採水方法・パックテストによる化学物質の
濃度測定・プランクトンネットによる水生
生物の採取方法と顕微鏡 による観察)。
河川スケールでは並行し流入する宇曽川
に比べれば小さいが荒神山や山崎山そし
て不飲川、曽根沼、多景島と琵琶湖の景
観が絶妙で、秋の稲刈りがはじまり天気
の良い黄昏時に訪れ、八坂町・須越町か
ら多賀・鈴鹿山系方面に向けて黄金の瑞
穂を見る絶景は全国一だろう。
彦根市内における琵琶湖内の地形は沿岸
部から多景島までが緩やかな傾斜となっ
ており、最大水深は約40mである。湖底の
底質環境は砂、砂泥、泥などで構成され、
深度3~7m 付近ではクロモ、センニンモ
などの沈水植物がところによって繁茂し
ている。また湖岸形態をみると、そのほ
とんどが砂浜護岸で形成されており、一
部が抽水植物護岸、岩石護岸、人工湖岸
で形成されている。琵琶湖内ではこれま
でに55種程度の魚類の生息が確認されて
おり、13科37種・亜種が確認されている。
琵琶湖で確認された魚類は、アユをはじ
めとして琵琶湖固有種・固有亜種である
ビワマス、ホンモロコ、ニゴロブナ、ス
ゴモロコ、デメモロコ、ビワヒガイ、イ
サザ、ウツセミカジカが構成種に含まれ
ていることが特徴的であるといわれてい
る(※「淡水魚類」)。
ウツセミカジカ
カワニナ(川蜷)
ウツセミカジカは琵琶湖水系にのみ孤立
して分布し、また近年における湖の富栄
養化およびブラックバスなどの外来性捕
食魚の個体数増加などにより、その生息
環境の悪化が進行している。また、多景
島周辺に棲息するカワニナ(川蜷:学名
Semisulcospira libertina )は、カワニナ科に
分類される巻貝の一種。東アジアの淡水
域に棲む細長い巻貝で、ゲンジボタルや
ヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の
餌としても知られている。広義にはカワ
ニナ科 Pleuroceridae に属する淡水性巻貝
の総称としても用いられる。琵琶湖水系
では、独特な種分化を遂げた16種ものカ
ワニナ類が固有種として知られる。
この多景島は、竹島・武島とも呼ばれて
いるが、滋賀県彦根市八坂町の沖あいに
位置する。1655年(明暦元年)に長浜・
妙法寺僧慈雲院 日請上人が島内に日蓮
宗見塔寺を開寺する。島内全域が見塔寺
の敷地になっている。島全体が花崗岩で
形成されている。島名の由来は、島を眺
める方向によって多様な景色に見えるこ
とから多景島と呼ばれる。