赤城大沼の放射能汚染

2011年09月06日 | 防災と琵琶湖

 



 


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大沼は、群馬県前橋市富士見町にあるカルデラ湖。標高
1,345mの赤城山頂にある。面積は88ヘクタール、深さは
最も深いところで16.5メートル。半島部の小鳥ヶ島には
上州二宮の赤城神社が鎮座する。観光案内や、その通名
上説明しがたいこと等の理由で、便宜上「おおぬま」と
呼称されるが、正式には「おの」と発音するという

6月中旬につつじが見ごろ。毎年8月初めは赤城山夏祭
りが開かれ、花火大会などが行われる。秋には、ボート
で、冬には氷上でワカサギ釣りスケートが行われれる。

  

 

群馬県前橋市の赤城大沼のワカサギから放射性セシウム
が検出され、県内17カ所の湖や沼でのワカサギ釣り自粛
や解禁日の延期を要請しているが、生息生物の汚染は捕
獲し除染できるが森林や平地の土壌汚染のように、湖底
に堆積したものはどのように放射能の除染はどうするの
かと下調べしても適切なものがない。河川の浚渫のよう
に一旦、湖底の泥を引き揚げ除染するしかない、そもそ
もその基準がないのだから、湖底表層からどれほどの深
さまで除染するのかもわからない。立ちの悪いのは基準
値を下回るレベルので生物連鎖濃縮で再び基準値を超え
る生息生物をどうするのかという問題が長い時間軸で尾
を引くことだ。この場合も汚染レベルを下回り国からの
お墨付きをもらったとしても、いわゆる“風評被害”は
なくならないと覚悟しなければならない。これは観光業
や漁労などで生計を立てている地元住民にとって致命的
なものになる。

 

また、平野部の土壌汚染費用の規模想定をした場合、農
水省では過去のカドミウム汚染水田などで除染を行う「
公害防除土地改良事業」で、天地返し(上層土と下層土
の入れ替え)による除染を行っている。公害史に詳しい
國學院大学の菅井益郎教授によれば、この費用は平均し
て10アール(1000 m²)あたり300万円かかると指摘して
いる(脚注1参照)。これが山間部や湖沼となると少な
くとも数倍以上費用がかかるのではないか。



※このことは、水質や生息生物など以外に湖底堆積層の
モニタリングの基準づくりを意味している。琵琶湖の汚
染を想定すると流域下水道の終末処理の活用がテーマと
なり、除染生物処汚泥の乾燥燃焼固形化処理まで計画に
入れておく必要があるが固形した放射性汚泥をどのよう
に回収し終末処理するのかの方法がいまだ確立されてい
ない。

【エピソード】

日光男体山の北西麓の戦場ヶ原には、男体山の神と赤城
山の神がそれぞれ大蛇と大ムカデになって戦い、男体山
の神が勝利をおさめた、という伝説がある。赤城山の北
にある老神温泉の地名は、このとき落ち延びた神が追わ
れてやってきたことに由来するといわれ、「アカギ」と
いう山も神が流した血で赤く染まったことから「赤き」
が転じたという説もある。また、戦場ヶ原で負けた赤城
山の神は老神温泉で傷を癒した後に男体山の神を追い返
したという。


【脚注及びリンク】
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1.「はたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか?」
2.「子供を守ろう SAVE THE CHILD

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