【高浜原発現地調査始まる 安全対策実効性検証】
福井県高浜町の関西電力高浜原発3,4号機の安全評価
(ストレステスト)1次評価に関し、経済産業省原
子力安全・保安院などによる現地調査が24日、同原
発で始まった。関電が国に提出した1次評価の報告
に示された安全対策の実効性を検証する。保安院と
原子力安全基盤機構の担当者計12人が参加した。
25日まで行う。24日は、原子炉建屋近くに設置され
た3号機の非常用ディーゼル発電装置のケーブルを
接続して起動させる訓練が公開された。他にショベ
ルカーによる崩落がれきの除去訓練や非常用ポンプ
など資機材の保管状況の確認なども行われる。関電
の原発での現地調査は昨年12月の大飯原発3,4号機
に次いで2例目。同3号機は既にフル稼働中で4号
機も25日未明にフル稼働に達する予定だ。
※使用済み間燃料の排出量は年間フル計算で百万kWで
1トンとして計算。原爆は1発1㎏として計算。
【漂流する核廃棄物】
原子力委員会の依頼で、日本学術会議(会長・大西隆東大大
学院教授)が解決の糸口を探るため二年前に議論を開始。だ
が今月上旬に出した結論は、地下深くに埋める現行の処分方
針では安全性の確保も受け入れ先を見つけるのも難しく、方針
転換が必要との内容で、一から考え直すことを提起した。近く
報告書をまとめるが、将来に負の遺産をつけ回す原発の最大
の問題点があらためて浮かんだ。
毎時1500シーベルト(1505万ミリシーベルト)と人がわず
か20秒で死に至る放射線を放つ高レベル放射性廃棄物は、
処分がやっかいだ。国は2000年に関連法を制定し、廃棄物
をガラスで固め、地下三百メートル以上の地層に埋める「
地層処分」方式を採用した。しかし、処分場の受け入れ先
はまったくめどが立っていない。何とか打開策を見いだそ
うとした原子力委は10年、学術会議に知恵を出してもらう
よう頼んだ(内閣府:日本学術会議)。
核のごみの放射線レベルが十分に下がるまでには約十万年
という想像もできないような時間がかかる。日本はもとも
と地震や火山活動が活発なことに加え、議論を始めた後、
東日本大震災が発生し地殻変動も活発化している。検討委
は、そんな現実の中で、10万年間安全だと説明しても住民
の理解は得られないとみて、地層処分からの方針転換を議
論。50~数百年にわたって暫定的に貯蔵し、その間に抜本
的な解決策を探る、と先送りの案も浮上した。「将来世代
にごみを送り続けるのは現代人のエゴだ」「未来の人類の
知恵にすがらなければ、最終的な決定ができないとわれわ
れの限界を認めなければならない」今月7日の検討委でも
さまざまな意見が出た。結局、一致したのは、地層処分で
は住民理解は進まず、行き詰まりは解消されない-という
ことだった。検討委は8月下旬にも報告書をまとめ、原子
力委に提出する予定。検討委員長の今田高俊東京工業大教
授(社会システム論)は「脱原発を進めても核のごみ問題
の議論は避けられない。われわれの検討結果が、国民的な
議論を呼び起こすことを期待している」と話している。
「東京新聞」2012年6月18日 07時04分
【エピソード】
最終処分方法がないものを使うという原発は「無免許運転」と同
じだ(だからいくらコスト計算で安いとはじき出しても、それは虚
構にすぎない)。
政府は早急に(1)衆参を同時解散し、総選挙を実施するか(2)
原発稼働方法めぐって国民投票するかの二者選択を決定すべ
きすべきだ
【脚注及びリンク】
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・「世界はどのように「核のゴミ」を処理しているのか」
・「大飯発電所」ウィキメディア
・「滋賀県と京都府、大飯原発再稼働について物申す」
・「高浜発電所」
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