琵琶湖の散骨Ⅰ

2011年01月20日 | 文化と琵琶湖








散骨は、一般には、故人の遺体を火葬した後
の焼骨を粉末状にした後、海、空、山中等で
そのまま撒く葬送方法をさす。
散骨が刑法190条の規定する死体(遺骨)遺棄
罪に該当するかは、法務省見解(非公式)で、
散骨が節度をもって行われる限りは違法性は
ないとの見解
だという。

現在のところ、散骨が陸地で行われることに
ついては、周辺住民等との間でトラブルとな
ることもある。海や空で行われることについ
ては問題となることはほとんどないが、港湾
や漁場・養殖場のある場所は避けられる。墓地
を持たない「自然葬」の形態をとる場合、見
た目に人骨と分かるものを含め散骨される焼
骨は相当な分量であり、「小瓶につめた骨粉
をサラサラと撒く」といったわけには行かな
い。また現在「自然葬」される死者はわずか
であるが、社会的な認知とともに希望者が増
えた場合、やはり散骨場所の指定や管理方法
を規制する必要が
あるとされる。

 

陸地で行われる場合、他人の私有地に無断で
行うことができない。公有地については取り
決めはなく、また自己の所有地であっても近
隣から苦情が発生する可能性がある。これは
「散骨」という葬送方法が従来の埋葬に関す
る法律や条例の想定外であることも関係して
いる。アメリカではすでに散骨を行った不動
産の売買をめぐって係争問題が生じている

2005年3月に北海道長沼町は散骨を規制するた
めの条例を制定した。これは散骨という新し
い葬送方法をどう受け止めるかをめぐる過渡
的な対立が顕在化したものと考えられる。散
骨を規制する側は「近隣農地で生産される農
産物に風評被害が広がる
」と主張している。


なお、この条例に対して、同年4月、NPO法人
「葬送の自由をすすめる会」が、憲法で保障
された基本的人権の「葬送の自由」を否定す
るものであるとして、条例の廃止を求める請
願書を提出したが、これに対しては特に取り
上げられることもなく、むしろ、この長沼町
での条例化を契機として各地で散骨に対する
規制が定着しつつあるのが現状である。

実際には陸地での散骨は宗教法人が持つ墓地
にて、樹木葬などの形をとって行われる、私
有地であっても散骨をしてしまった場合、土
地の買い手が見つからなくなるなどの民事的
な問題が起こりうるため、まず陸地での(墓
地を除く)散骨は行われない。

日本国外で散骨を行う場合、特にハワイなど
では散骨に関する法律が規定されており、法
律に沿わずに、観光がてらに勝手に行い問題
を起こすと、多額の罰金を支払わなければな
らなくなる。

世界の一部の地域では伝統的、あるいは宗教
上の理由から、墓を作らず散骨する風習があ
る。近代では、墓は迷信の代物とする唯物論
の観点から散骨するケースがある。中華人民
共和国の指導者は、遺体が保存された毛沢東
は例外として、多くが散骨されている。墓地
個人崇拝の対象となることを避けるためで
あるという。また、墓地が聖地とならないよ
うに、あるいは墓が暴かれないように散骨す
るケースもある。キリスト教ではカソリック
は土葬や火葬を含め教会に埋葬することとし
自宅での所持や散骨には否定的
である。プロ

テスタントは多くの宗派で許容されており、
garden of remembrance(思い出の庭)」が持
たれることもある。


【散骨と葬儀史】

散骨には、長い歴史があり、仏教国インド、
アジア地域に広がりをみせ、その後、米国で
も大陸全土に普及し、欧州でも国によって芝
生、海などの特定地域への散骨が行われてい
るという。日本での散骨の歴史も古く「万葉
集」や「続日本後記」にも記述がみられ、淳
和天皇(840年)、一条天皇(1011年)など
の散骨記録がみられ、奈良時代には一般的な
葬送方法としての散骨が盛んに行われていた。

古代では「万葉集」に散骨を詠んだ歌がいく
つもあり、天皇みずからが散骨を望み散骨し
た事例もあるという。平成3年「葬送の自由
をすすめる会」会員によって散骨(自然葬)
が行われた。

現在の日本では、故人が散骨を望んでいても
「墓地に埋葬されるのが当たり前」という風
俗や固定観念が強く、まわり、つまり遺族が
それを許さない風潮もあり、あくまでも故人
の意思と遺族の意思が同じで、かつ重要な親
族からも支持されることが無難だということ

にはなる。

【意識調査例】

http://www.bluemileu.com/

自然葬の意識調査によると、約7割の人が、
自然葬を肯定的に考えています。しかし理解
はしているが実際に自分がしたいのかという
と約25%が「散骨したい」約70%が「散骨し
たくない」ということである。意外と「した
くない」人も多いという結果だという。

ある調査によると、

・自然に還れる        ・・・28%
・このような方法が望ましい  ・・・22%
・海や山などの自然が好き   ・・・14%
・墓地が確保できない     ・・・ 6%
・お金がかからない      ・・・ 6%
・思い出の場所がある     ・・・ 5%
・その他           ・・・18%

という結果が出ているという。


【散骨を希望する理由】

その背景にはどのようなものがあるのだろう
か。お墓や宗教に対する意識や価値観の変化、
家族・人間関係の変化、その背景には様々な
社会の変化によるものが複雑に絡み合ってい
る。


●家族、人間関係的な背

・お墓を守ってゆく人がいない
・子供がいない
・生涯独身だから
・離婚したが実家に戻れない
・法的な夫婦でない
・子供に(お墓のことなど)迷惑をかけたくない

●宗教的背景

・特定な宗教をもっていない(無宗教)
・お寺との付き合いがない
・お寺との付き合いがめんどう
・宗教の意味がわからない

 ●経済的・その他

・高額なお墓は必要ない
・お墓を購入するより安い
・どうせ無縁墓になるんだから
・大好きな自然に還りたい
・思い出の場所・故郷の海へ戻りたい
・自分の最期を演出したい


脚注及びリンク集
__________________

(1)「葬送の自由をすすめる会
(2)「スコーグスシュルコゴーデン(森の墓地)」

(3)「

(4)「手元供養
(5)「葬儀


 


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