鈴鹿山脈の御池岳(標高1,242m)に
源を発する茶屋川、御池川と御在所
山付近に源を発する神崎川が深い峡
谷を刻みながら流れ、永源寺で合流
し北西へと流れを変え、大きな扇状
地を形成する。下流では彦根市と東
近江市の境界となりつつ琵琶湖へ注
ぐ。上流から中流にかけての東近江
市内では国道421号(八風街道)が
並行する彦根市と東近江市(市町村
合併前→八日市市、能登川町、永源
寺町、愛知郡、神埼郡、愛荘町)と
一部近江八幡市、蒲生郡にまたがる
流域をもつ 41.1km の河川。
滋賀県湖東地方を流れる、琵琶湖に
注ぐ川。東近江市東境(三重県境)
の水を集め、永源寺ダム以降は広大
な蒲生野を北西流し、彦根市と能登
川町の境で琵琶湖東岸に注ぐ。河口
に顕著な湖成三角州を造る。ほとん
どの支流は谷口までに入り、中原に
流れ出して以降に大きな川の流入は
ない。一級河川の起点は東近江市黄
和田(旧永源寺町)。古称:人取川、
古綴:愛智川。
東近江市には、市内のほぼ中央を流
れる愛知川(41.1km)や、蒲生平野
を流れる日野川(46.7km)をはじめ、
蛇砂川(26.9km)、大同川(18.6km)、
佐久良川(15.8km)など総延長1km
をこえる河川44本をはじめとする
大小の河川が多く流れ、広い山林や
田畑が雨や雪をかん養するために地
下水や湧水にも恵まれている。能登
川地区は「ラムサール条約登録湿地
」「琵琶湖国定公園」に指定されて
いる琵琶湖に面しており、現在では
滋賀県内でも数少なくなった内湖の
ひとつである伊庭内湖がある。蒲生
地区には、主に農業用として使われ
たため池が現在でも百近く残り、固
有の貴重な動植物が生息している可
能性があるといわれる。
【河辺いきものの森】
愛知川は鈴鹿連峰を水源とし、永源
寺付近から大きな扇状地を形成し豊
かな田畑を育み、下流は東近江市と
彦根市の境となって琵琶湖に注ぐ大
きな川。両岸には河畔林が発達して
いたが、多くはケヤキなど価値のあ
る高木の伐採→骨材(砂利や砂)の
採取→掘った後の穴を産業廃棄物で
埋める→工場誘致のパターンを辿り、
ほとんどが消滅。
わずかに残されたのが15ha(300m×
500m)の広さを持つ「河辺いきもの
の森」。戦前まで建部地区の共有林
であったものが農地解放時に薪炭林
として利用していた。当時の八日市
市には市域にまとまった緑地が少な
かったことと、このあたりが扇状地
のため鈴鹿山地の標高が高いところ
に生えていた植物が流されてきて定
着し、低地にもかかわらずイチリン
ソウ、キクザキイチゲなどが観察さ
れ、市が地元の方と協議して「生き
物とのふれあいの森」として借地し
この森を整備した。
自然植生のコナラやケヤキ、それが
遷移した照葉樹林が観察される。ま
た、公園整備に当たり、笹・竹等を
切り日光が入るようにしたところ、
絶滅危惧種や希少種が次々と芽生え
てきたそうで、今回は、サクラソウ
科のハイハマボッスを観察すること
ができたという。近畿では戦前に絶
滅し、生きているのを見ることがで
きるのはここだけ。
河辺の森駅で下車。田んぼの真ん中
の可愛いらしい無人駅。駅前の道を
東に向かって、途中アメリカイヌホ
ウズキ、ヨメナ、スカシタゴボウ、
イヌガラシ、オオニシキソウ、コ
ニシキソウ、アレチハナガサが観
察される。広場の先にはコナラ、ア
ベマキ、クヌギを主体とした林が広
がり、進行右手は根元から伐採して
再生した林で、高木管理は手入れが
楽であるが、老齢の樹木に感染して
枯らすナラ枯れに対応できない。ナ
ラガレ菌の正体は、交尾のためにナ
ラの老木の導管に侵入するカシノナ
ガキクイムシ(樫の長木喰虫)が背
中に共生させているカビである。最
近ナラ枯れの西進が大問題になって
いて、この虫の侵入を防ぐために地
面から2mほどシートを巻いて幹を保
護した木が何本もある。
河原から森にかけ、ヤダケ、ノコン
ギク、コマユミ、ハリギリ、ウラゲ
エンコウカエデ、キツネノマゴ、オ
ニドコロ、ネズミモチ、アキニレ、
ツクシトネリコ、ナラガシワなどが
見つけられるという。
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※イヌガラシ(アブラナ科 Rorippa indica)
※スカシタゴボウ(アブラナ科 Rorippa
islandica)
黄色い小さな花をつけるアブラナ科
イヌガラシ属で、もっともやっかい
な雑草として農業では嫌われる。ス
カシタゴボウは北半球に広く分布す
る越年性の一年草。水田・畦道・浅
い水路・湿った畑などに生育する。
ゴボウのような太い根はない。果実
はコロコロとした円筒状。一方、イ
ヌガラシの果実は細長いので区別で
きる。イヌガラシは道ばたや空き地
など至る所によく見られる雑草。芥
子に似ているけど役に立たないこと
からイヌという接頭語がく。両種と
も若葉は天ぷらなどにすれば食用可
能と記載する本がある。スカシタゴ
ボウとイヌガラシの自然雑種として
ヒメイヌガラシという種があるが、
種子はつけず栄養繁殖するのみ。
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※愛知川の流域は、広く詳細の説明
は別途、地区別に見てみる。
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