家庭ごみの分別・焼却・埋立

2022年02月05日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.4|更新日:2022.2.5
地域循環共生圏概論 ㉟
□ 自転車操業状態の彦根市のごみ焼却場

1月24日、和田裕行彦根市長は、定例会見で「再
稼働するが、貯留量は限度近くにあり、予断を許さ
ない状況は続く」と話し、機械の故障で焼却炉の「
2号炉」と「3号炉」が稼働していない彦根市清掃
センタは、2号炉の修理を終えて2月上旬に再稼働
させる方針を示した。(▶2022.1.29 しが彦根新聞「
焼却炉復旧も「予断許さない」-貯留ごみの処分他
市町に要請」)。市清掃センタは先月中旬、燃やす
ごみを処分する2号炉と3号炉の排ガスを煙突へ送
る誘引通風機に破損を確認し、稼働を停止したと発
表。1号炉のみの稼働になったため、ごみ削減を市
民に求めていた。同センターによると、施設内での
貯留量は先月までの見込み量として最大800㌧と
していたが、約830㌧まで可能なことが判明。
 しかし今月17日までに貯留量が約800㌧に達し
たため、同日から日野町の日野清掃センタヘ貯留ご
みを搬出している。1号炉で一日30㌧~40㌧を焼却
処分し、昨年10月からごみの処分を依頼している三
重中央開発と、日野清掃センタで一日10月から程度
搬出しているが、回収してくるごみ量と比べてプラ
マイゼロのトントンの状況」で、貯留量は今月24日
の燃やすごみの回収前の時点で約770㌧だった。
 年末の大雪の影響で同センタセンタヘのごみの搬
大量は減少しているが、今後の搬入量しだいでは2
号炉が再稼働しても貯留量が減らないため、市清掃
センタでは「厳しい状況に変わりない」として、ほ
かの市町の施設にも協力を依頼している。

市議会臨時会
□ ごみ搬出と修理1億7千万円ふるさと納税好調
 6億円見込む
 同新聞社によると、彦根市は「ふるさと彦根応援寄
付金」(ふるさと納税)の想定以上の入金に伴う返
礼品の発送業務などの経費(1億6,095万円)を含む
専決の12月補正予算案、市清掃センタの焼却炉の故
障に伴う外部搬出などの事業費を盛り込んだ専決の
1月補正予算案(12億8,294万円)、子育て世帯への
臨時特別給付金の追加分などを計上した補正予算案
(1億5,219万円)など4議案を26日の市議会臨時大
会に提案。いずれも承認、可決。市清掃センタ関連
は燃やすごみを外部に委託する運搬費や処分費 1億
3,256万円)、故障した焼却炉2基の修理代(3,849
万円)など計1億7,332万円。ふるさと納税の関連予
算は、当初予算で2億5,000万円の寄付額を想定して
いたが、昨年11月議会に3億2,000万円に見込みを修
正した後、想定以上の寄付の申し込みがあり、12月
補正として6億円を見込んで予算を再度修正してい
る。
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⧉ ワンポイント
□ 家庭ごみ家庭ごみの分別・焼却・埋立
Ⅰ 焼却処理場の環境リスクゼロ計画・設計・評価
1 家庭ごみと二酸化炭素
ごみの焼却等により排出される二酸化炭素は、家庭
から出るそれの11.3%を占めるとされています(デ
ータは1989年とこしふるいですが)。実際に現在家
庭ごみの焼却処分から出る二酸化炭素量を計算して
みると、家庭ごみ量は自治体により多少異なります
が、13大都市の実績から1人1日当り約850グラムと
する(93年度)。環境庁によると一般廃棄物からで
る二酸化炭素量は0.239kg-C/kg(湿重量)、これ
を単純に当てはめると1人1年間当りの量は、0.85×
0.239×365=74.2kg(炭素換算)となります。
これをもう少し詳しくに計算してみると、まず家庭
ごみの含水率を42%とし乾重量でごみの組成別重量
を計算します。その重量に各組成の焼却による二酸
化炭素換算係数2)をかけたものが下表です。これに
よると1人1日当りの家庭ごみの焼却からでる二酸化
炭素は約213グラムであり、年間では0.213×365=
77.7kgとなり、先ほどの単純計算より大きくなりま
すが、こちらの方がごみ組成に基づいており実質に
近いと考えられています。

1-1 1日1人あたりのごみの焼却から出る二酸化
   炭素

➲出所:認定NPO法人 環境市民 - 2.2.1 家庭ごみ
   と二酸化炭素
組成配分は乾ベースで全国平均値から、一人一日あ
たりの家庭ごみ量を0.85kgとする。つぎにごみの収集
車からでる二酸化炭素量を0.0094kg-C/kg(湿重量)
とすると1人1年間当りの発生量は0.85×360×.0094=
2.9kgとなる。これからごみから直接排出される二酸
化炭素量は焼却によるものと合せて1人1年当り80.6kg
となります。さて、ごみになった物の製造時におけ
る二酸化炭素量を概算すると下表のようになります。
これから1人1年当りの二酸化炭素量を計算すると
0.291×365=106kgとなります(なお、これは統計上
は産業部門からの排出扱いとなります)。

1-2 家庭ごみになった物の製造時における二酸
   化炭素排出量

➲換算係数は、(社)化学経済研究所『基礎素材
    のエネルギー解析調査報告書』(1994)から

換算係数は、(社)化学経済研究所『基礎素材のエ
ネルギー解析調査報告書』(1994)から概略値を求
めました。これらを合計するとごみになるものの製
造と焼却処分に関する二酸化炭素発生量は年間一人
当り186.6kgとなる。なお製品の輸送と販売にかかる
二酸化炭素発生量はこの中に含まれていません(残
念)。また家庭からでるごみの中で分別再資源化さ
れているものも、この計算に入っていません。

 家庭あたりの炭酸ガス排出量(1989年)

📚 今夜は、目前にある焼却場の事故について記載
しました。本当は、軟弱な琵琶湖の地盤強化と地震防
災について記載する予定でいました(次回から始めた
いと考えています)。すこし、つまみ食いしてみまし
ょう。

□ 地盤を知る
1.身近であってもわからない地盤
家であれ、工場であれ、ビルディングであれ、多く
の構造物は地盤 の上に造られます。これらの構造物
の重量や地震のときの荷重を地盤 は支えることにな
ります。地盤が弱ければ、構造物をいくらしっかり
と造っても、構造物に大きな負担を抱えて、構造物
の沈下や壁の亀裂 などをもたらすことになります。
地震による家屋被害では、構造物自身の被害も起こ
りますが、全壊や大きな被害を与える原因の多くは
地盤の弱さです。構造物の場所によって沈下の程度
が異なる不同沈下、地震時の地盤の変状は、地盤の
上に存在する構造物に大きな被害を与えます。また、
地中に埋設されている上下水道管などにも大きな被
害 を与えます。 地盤の性質や強さを知ることは重
要です。特に、気を付けるべきは、平時はしっかり
と構造物を支えることができても、地震や大雨の時
には、地盤が支持力を失ったり、大きな変状を起こ
すことです。なぜ、このようなことが起こるのかを
理解しておくことは大事です。


図1 基本的な地形
出典:公益社団法人 地盤工学会 東北支部『知って
おいてほしい 地盤のはなし』

また。下図のように竹中土木HPのある『廃棄物焼却
施設の解体処理技術「トラシッド・システム」』では
廃棄物焼却施設の解体にあたり、計画段階の調査、解
体計画の立案から、施工、跡地の利用までを、周辺環
境に配慮し、作業員の安全を確保しながら、資源とし
てリサイクルを行う、総合技術力を駆使したシステム
を構築提供しています(この技術は財団法人日本建築
センタの「新建築技術認定 焼却施設の解体処理技術」
で国内第1号となる技術認定を取得し、2010年8月に
更新事例のように、人命と環境を守る仕事だけに、丁
寧で高品質(高付加価値)な仕事が必要となります。


※1:洗浄剤を地中で循環させて土に付着した汚染物
質と一緒に汲み上げ、回収する工法
※2:微生物による有害物質を二酸化炭素や水などの
無害な物質に分解する工法

 

【エピソード】

 
□ 除雪作業と屋根瓦・雨樋などの修理で大わらわ
(「防災常態時代①:白い信号機」,ごくとうごくら
く、2022.2.1 )。特に、彦根市民のみなさまもお疲れ
様です。先月24日、件の彦根市長は定例会の中で、除
雪の整備費の補助を求めるため今月13日に総務省を訪
問し、総務省に対し「5年前も大雪だったように、今
後も数年に一度の大雪が予想できる。『準豪雪地帯
という扱いをしてほしい。除雪の整備体制を整えたい
」と補助を求めていることを報告しています。が、こ
のような原因は、温暖化による水蒸気量の増加➲日
本海側の豪雪➲ベタ雪の堆積による嵩密度上昇➲
寒気による氷結➲屋根の陥没・瓦解の破損(局所的
な全地球凍結? ^^; 、樋支持の変形などの罹災を
起こしましたが、補修工事の発注急増でなじみの業者
は対応遅れで、悲しいのやら嬉しいのやら ^^;。



日本には、日本海側を中心に、豪雪地帯と呼ばれる地
域がたくさんあります。スキーやスノーボードで雪を
楽しむ人もいれば、雪かきや雪下ろしに苦労する人、
雪や雪解け水を農業などに利用する人もいます。そん
な身近な雪の「これから」に大きく関わる存在なのが、
地球温暖化です。気温が上がると、降雪は減ってし
まうのか? どうやら、そんな単純なことではない
のです。日本でただ一人、雪と地球温暖化を専門に研
究する著者が、雪と地球温暖化の関係に迫せまります。

□ 地球温暖化で赤い雪が広がる?
▶微生物が引き起こす赤雪現象を、地球まるごとシミ
ュレーション EurekAlert! 2022.2.2 
ところで、アスタキサンチンという赤い色素を細胞内
に貯め込む雪氷藻類が大繁殖すると、雪が赤く染まっ
たように見える「赤雪」と呼ばれる現象が起こります。
面白いですね。
Global Simulation of Snow Algal Blooming by Coup-
ling a Land Surface and Newly Developed Snow Algae M-
odels , Journal of Geophysical Research: Biogeosciences
Volume 127,  First published: 06 January 2022
https://doi.org/10.1029/2021JG006339



【脚注及びリンク】
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