六ヶ所再処理工場

2011年04月21日 | 防災と琵琶湖






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【六ヶ所再処理工場概要】 

六ヶ所再処理工場は、日本原燃が所有する核燃料の
再処理工場。1993年から約2兆1,900億円の費用をか
けて青森県上北郡六ヶ所村弥栄平地区に建設が進め
られている。現在試運転中である。2010年10月竣工
予定だったが、2012年9月に最大で2年後まで竣工が
延期されることが判明した。

日本全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃
料を集め、その中から核燃料のウランとプルトニウ
ムを取り出す再処理工場である。最大処理能力はウ
ラン800トン/年、使用済燃料貯蔵容量はウラン3,000
トン。2010年の本格稼動を予定して、現在はアクテ
ィブ試験という試運転を行っている。試運転の終了
は当初2009年2月を予定していた。しかし、相次ぐト
ラブルのため終了は2010年10月まで延期されること
が発表されていたが、2010年9月になってから、さら
に完成まで2年延期されることが発表された。完成ま
での延期はこれまでに18回にも及ぶ。これら延期の
ため、当初発表されていた建設費用は7600億円だっ
たものが、
2011年2月現在で2兆1930億円と約2.8倍以
にも膨らんでいる


【これまでの主な事故】

2006年2月20日:低レベル廃棄物処理建屋内で、放射
性物質を含む低レベル濃縮廃液約68リットルが漏れた
と発表した。当該箇所は通常では人の立ち入りがない
場所であるため、作業員の被曝はなかった。

2006年5月18日:精製建屋内で、プルトニウム洗浄器
セルに供給する硝酸ウラナス溶液(U4+の硝酸溶液)約
7リットルが漏洩していたと発表。

2006年5月25日:分析建屋にて作業を行っていた作業
員1名が、微量の放射性物質を体内に摂取していたこ
とを発表。

2006年6月9日:「再処理工場分析建屋における微量
の放射性物質の体内への取り込みについて(調査結果
と今後の対応)」という文書で、当該作業員の預託
実行線量は0.014mSvであったと発表。

2006年6月24日:分析建屋にて作業をしていた作業員
1名が内部被曝の可能性があると発表。

2006年7月3日:2006年6月24日に発表された、分析建
屋作業員の内部被曝に関する調査結果を発表した。
この調査結果によると、作業員から放射性物質は検
出されず、作業員の内部被曝は無かった。

2007年1月22日:低レベル廃棄物処理建屋内で放射性
物質を含む洗浄水約20リットル(推定)が漏れたと発表
した。ウランやプルトニウムは検出されず、作業員の
被曝はなかった。

2007年3月12日:ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋
内で、ウラン・プルトニウムの硝酸溶液を乾燥させ
るための皿に、誤って2バッチ分の溶液を供給したと
発表。

2007年10月11日:前処理建屋内に設置されている、
エンドピース(使用済み燃料の剪断片)を洗浄する
装置の部品が変形していることを発表。

2007年10月23日:前処理建屋内に設置されている、
エンドピース洗浄装置の部品変形に関する調査結果
を発表した。

2008年1月4日:前処理建屋内に設置されている、使
用済燃料の剪断機から作動油約750リットルが漏れた
と発表。なお、漏洩箇所は使用済燃料を剪断してい
るセル内ではなく、漏洩した作動油に放射性物質は
含まれていなかった。

2010年8月2日:使用済み核燃料再処理工場の建屋で、
高レベル放射性廃液が、廃液濃縮缶内から、缶内の
温度計保護管内に漏れたと発表した。男性作業員の
両手とあごに微量の放射性物質が付着したが、男性
の健康や環境への影響はないという。7月30日、作業
員5人が温度計を交換作業で抜き出したところ、温度
計を置いたビニールシート上に基準値の約18倍とな
る放射性物質の付着が確認された。温度計保護管に
欠陥があり、廃液が管内に漏えいしたとみられる。

2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震により外部電
源を喪失、非常用ディーゼル発電機2機で冷却水循環
ポンプ等に給電したが、14日23時40分、ディーゼル
発電機1機に不具合を生じたため停止して外部電源を
使用、2時33分に給電が復旧した。残る1機も外部電
源に切り替えた。また13日には使用済み核燃料の貯
蔵プールの水約600リットルが溢れていたことなどが
報じられた。

ヨウ素129 (I-129)の恐怖

六ヶ所村での予定年間処理量は800tである。1年間
に排水中に430億ベクレル(4.3×1010Bq)、排気中に
110億ベクレル(1.1×1010Bq)を放出するとしている
が、実際の放出量がこの範囲に収まるかは不明である。
放出されるヨウ素-129は海藻に濃縮されるので、環境
汚染は避けるべきである。ヨーロッパでは、広い海域
にわたって海水と海藻はヨウ素-129によって汚染され
北海にまで汚染が広がっている。これはイギリスとフ
ランスの再処理工場からの放出だと考えられている

日本でも、東海村再処理工場の運転開始時には敷地外
にヨウ素-129が放出され、周辺の環境試料が汚染され
たことが、放射線医学総合研究所那珂研究所の研究に
よって明らかにされている。



【エピソード】

 

アレバ社の子会社は日本に年間6億ユーロ請求して、
日本における業績は、他のフランスの大手社LVMH、
エルメス に次いで第3位である。また、同社の全収
益の3分の1以上は六ヶ所村からといわれている。フ
ィンランドの原発建設が日本と同様に3年遅れの損
出が大きく、三菱重工に5百億ユーロ(約600億円)
の増資引受を要請中という話だが、汚水処理事業受
注にこぎつけたアンヌ・ロベルジョン社長の笑み満
面の顔は忘れることができない。


4月19日(ブルームバーグ)
仏アレバCEO:原発事故、短期的に業績に影響も-
中長期戦略維持へ

 

【脚注及びリンク】
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(1)日本原燃公式サイト
(2) MOX燃料
(3)プルサーマル
(4)核燃料サイクル
(5)六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動
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