田沢湖

2011年04月23日 | 日本の湖沼百選



項目  単位  
所在地   秋田県
面積 km2 25.8
周囲長 km 20
最大水深 m 423.4
平均水深 m 200
貯水量 km3 7.20
水面標高 m 249
成因   不明
淡水・汽水   淡水
湖沼型   酸栄養湖
透明度 m 4.0

田沢湖は、秋田県仙北市にある湖。日本で最も深い湖
である。田沢湖抱返り県立自然公園に指定。日本百景。
大きく深い湖であるが、その成因は判明していない。
秋田県の中東部に位置する。最大深度は423.4mで日本
第一位(第二位は支笏湖、第三位は十和田湖)、世界
では17番目に深い湖である(世界で最も深い湖はバイ
カル湖)。湖面標高は249mであるため、最深部の湖底
は海面下174.4mということになる。この深さゆえに、
真冬でも湖面が凍り付くことはない。そして、深い湖
水に差し込んだ太陽光は水深に応じて湖水を明るい翡
翠色から濃い藍色にまで彩るといわれており、そのた
めか日本のバイカル湖と呼ばれている。かつては火山
性・ミネラル分の高い水質と流入河川の少なさのため、
1931年の調査では摩周湖に迫る31mの透明度を誇って
いた。

しかし、1940年に発電所の建設と農業振興(玉川河水
統制計画)のために、別の水系である玉川温泉からpH
1.1に達する強酸性の水(玉川毒水・玉川悪水と呼ば
れる)を導入した結果、田沢湖は急速に酸性化し固有
種であったクニマスは絶滅
(2010年になって、卵が放
流されていた山梨県の西湖での生存が確認された)。
水質も悪化し魚類はほぼ死滅してしまった。それに対
し、1972年から石灰石を使った酸性水の中和対策が始
まり、1991年には抜本的な解決を目指して玉川酸性水
中和処理施設が本運転を開始。湖水表層部は徐々に中
性に近づいてきており放流されたウグイが見られるま
でになった。しかし、2000年の調査では深度200メー
トルでpH5.14~5.58、400メートルでpH4.91と未だ湖
全体の回復には至っていない。なお、一部箇所では湖
水浴場として認められており、海水浴場と同様な利用
が可能となっている。


【クニマス】

クニマス(国鱒:Oncorhynchus nerka kawamurae)は、
サケ目サケ科に属する淡水魚。別名キノシリマス、キ
ノスリマス、ウキキノウオ。産卵の終わったものをホ
ッチャレ鱒、死んで湖面に浮き上がったものを浮魚(
うきよ)という。かつて秋田県の田沢湖にのみ生息し
た固有種だったが、田沢湖の個体群は1940年頃に絶滅
し、液浸標本17体のみが知られていた。このため環境
省のレッドリストでは1991年、1999年、2007年の各版
で「絶滅」と評価されていたが、2010年に京都大学研
究チームの調査により、山梨県の西湖で現存個体群が
再発見された。 



体は全体的に灰色、もしくは黒色で下腹部は淡い。幼
魚は9個前後の斑紋模様(パーマーク)を有する。全
長は30~40cm。皮膚は厚く、粘液が多い。ベニザケの
陸封型であるヒメマスと比べて瞳孔と鼻孔が大きく、
体表や鰭には明瞭な黒斑がない。成熟した雄でも「鼻
曲がり」にはならない。幽門垂の数は46~59と(サク
ラマスと同程度。ヒメマスは67~94、ベニザケは80~
117)著しく少ない。しかし鰓耙(さいは)数は31~
43と、ヒメマス(27~40)と比較してやや多い。また、
胸・腹・尻鰭が長く、鰭の後縁は黒くなる。肉はほぼ
白色で、卵は黄色と記録されている。生物学的な生態
は不明点が多いが、伝承等によると普段は田沢湖の水
深100~300m付近の深部に生息し、岩に付着した藻類
やプランクトンを餌としていたと考えられている。産
卵は、1~3月を盛期に水深40~50mの浅い所で行われ
ていたのではないかと報告されている。



【エピソード】



【脚注及びリンク】
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(1)「田沢湖 歴史田沢湖 歴史のご紹介
(2)「
玉川・田沢湖における水質改善
(3)「
田沢湖・観光・見所
(4)「
玉川酸性水中和処理事業の効果について
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