ともちゃんの のんびり登山教室

分県登山ガイド「大阪府の山」(山と渓谷社)著者の岡田知子が
ご案内する登山教室。
のんびり、ゆるゆると山に登ります。

2014年7月26日 山頂だけは涼しかった 比良・釈迦岳

2014-07-30 11:20:16 | 遊山の会(旧 週末日帰り登山教室)
毎年、夏の行き先選びには困っています。低山は暑いし、かといって標高の高い山は歩行時間が
長くなるし。大阪から日帰りで行ける、涼しい山を探して、毎年頭をひねっています。

長い間運休していた、比良・イン谷口へのバスが運行再開し、比良駅から登山口までの時間を短縮できるということで、
今月は比良登山に決定。

今月はMr.Dashが東京から帰ってこられないので、山岳部の後輩、T橋くんにピンチヒッターを
お願いしました。






万一の場合、車があれば心強いかと思って車で比良駅に向かったのが間違いでした。京滋バイパスで
渋滞に巻き込まれ、カーナビは遠回りの道を案内し、バスの時間に間に合わないかもとおおいに
あせりました。「間に合わなかったら、イン谷口行きのバスに乗って、先に向かっておいてください」
とM原さんに電話したのですが、なんとかギリギリ間に合いました。

関東出身のT橋くん、イン谷口を地名とは思わず、「INN谷口」というホテルがあると思って地図上に建物マークを
探していたそうです。笑っていたら、江若バスの車内アナウンスのイントネーションが「このバスは比良イン 
谷口行きです」となっていました。運転手がマイクでフォローしてましたけど。






大津ワンゲル道を行くか、本来の計画通り神璽ノ滝ルートを行くか迷ったけれど、やはり暑い尾根道よりは
沢沿いを歩くほうがいいと判断しました。結局、正解でした。沢筋でも暑い暑い!20~30分ごとに休憩し、
水分補給します。







地面に落ちたヤマボウシの実を発見。よく熟すと甘く、食べられます。







リフトのあった場所はまだ木が低く、眼下を眺めることができます。この場所でふと上を見上げたS木I子さんと
A路さんが、「ここ、冬に来たことがある!A旅行社の登山教室で、雪の中直登した!」と、記憶がよみがえった
様子。夏と冬ではまるで別世界なのに、よく思い出しましたね。







まっすぐに伸びるから「スギ」と名付けられた杉も、比良の雪に毎冬覆われていると、こんな個性的な枝ぶりに
なります。京都北山の芦生スギに似ていますね。







リフト駅の跡。ちょっとした近代遺跡です。







稜線に出ると、琵琶湖を見下ろすことができました。暑さにうんざりしていた皆さんの顔が、ぱっと明るく
なりました。







この景色ですから!







釈迦岳山頂に到着。日陰で昼食をとっていると、昼寝したくなるくらい快適な気温でした。ここで往路を
引き返すこともできたのですが、予想よりいいペースで登ってこられたことと、下山ルートにある楊梅滝
を楽しみにしている方が多かったので、当初の予定通りのコースをとることにしました。






琵琶湖を見下ろしながらの稜線歩きは気分最高!






ヤケオ山に到着。暑いので先を急ぎます。しばらくすると後ろから「せんせーい!」という声。M原さんの
足がつってしまったのでした。最初はふくらはぎ、しばらく歩くと、次は腿という具合に、痙攣する場所が
次々と移っていき、そのたびに休憩をとりました。やはり熱中症の症状でしょうか。それとも、比良の山は
ちょっとハードだったかな。

足への負担を減らし、背中からも熱を放射するため、M原さんのザックをT橋くんに背負ってもらいました。







ヤケ山。今日は3山制覇です。






羽化したばかりのセミを見つけました。セミは朝に羽化するものだと思っていたけど。







石灰岩質の登山道がおおきくえぐれた道を通ります。まるで人間が溝を整備したみたいになっています。







楊梅滝の滝見台から雄滝まで下りることができるのですが、「滝まで下りたい人~?」と尋ねても、
全員が「・・・・。」暑さと疲労で、もう寄り道する気力もないみたい。「ではまたの機会に」と
いうことで、先に進みました。







比良げんき村まで下山しました。T橋くんが「あそこに自動販売機があります!」と声をかけると、
みなさんが一斉に駆け寄って、冷たいものを買い求めました。文明の利器のありがたさがしみます。







北小松駅で解散したのが午後6時。暑いのでこまめに休憩を取ったとはいえ、コースタイム4時間
のところを、8時間もかかってしまいました。これから日が短くなるので、10月からの登山計画は
慎重に決めていかなければなりませんね。

しかし「猛暑につき運動禁止」という警告が出ている中、みなさんよく倒れずに歩いてください
ました。そこらへんの若いモンよりも体力あるかも、です。来月は涼しい大台ケ原で避暑気分を
味わいましょうねー。

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2014年7月17日 夏の二上山

2014-07-17 21:04:03 | のんびり山歩の会
元々は1週間前の7月10日に予定されていたのですが、大型台風が接近していたため、
17日に延期しました。予定表には「ササユリを探す」とありましたが、7月も半ばを
過ぎればもうササユリは期待できません。台風が過ぎ去っていきなり真夏の暑さに
なり、今日は熱中症にならないよう、こまめに休憩しながら、ゆっくりと歩きます。




近鉄二上神社口駅に集合。体調不良によるドタキャンが3人もおられ、今日は3人だけ
となりました。先週お母様を亡くされたばかりのT根さんは、思ったより早く身の回りが
落ち着いたからと、参加してくださいました。お母様の家が二上山の麓にあり、
ご自身もこのあたりで生まれ育ったそうです。地元にも関わらず、二上山には今まで
登ったことがなかったとか。へええ。そういうものなんですね。今日は故郷の山を
堪能してください。








加守神社で準備体操してから、登山口に向かいます。「通行禁止?!」と思ったら、
ケモノ除けのゲートでした。






最初のうちはおしゃべりしながら歩いていましたが、だんだんと無口に・・・。
たまに出てくる言葉は「暑い・・・。」







登山道のわきに、いろいろなキノコがたくさん生えていました。これはまさにキノコらしい
キノコ。






大判焼きみたいなキノコも。「ともちゃん先生は何でも食べ物に結びつけるなあ。」
大きさがわかるよう、手を添えて写真を撮ってみました。






これも大きなキノコ。黄色くて、でっかいカレーパンみたい。あ、やっぱり食べ物を連想
しちゃう。







小さくてかわいいキノコもありました。






15分~20分ごとに休憩をとり、塩分チャージ飴をなめて水を飲んで、としているうちに、
大津皇子の墓に到着。謀反の疑いをかけられて捕えられ、24歳の若さで自害した悲劇の
王族です。

謀反人とされたのに、立派なお墓があるのは意外ですね。彼を死に追いやって次期天皇の座を
奪った草壁皇子が3年後に急逝し、代わりに即位した息子の軽皇子も25歳の若さで亡くなった
ことから、大津皇子のたたりと恐れられ、再葬されたそうです。







変な形にくっついた(?)木がありました。どんな生い立ちだったのでしょう?







雄岳の葛城二上神社。週末にはここで入山料を徴収されますが、平日には徴収人がいないようです。







すぐそばの木陰で休憩。山名表示板はここにありました。







馬の背でトイレ休憩したあと、雌岳の山頂へ。日陰がなく、暑い!







ちょっと下ったところにあるあずまやで昼食しました。日陰はすずしくて快適です。







バードウォッチャーが餌付けしているらしく、小鳥が近くまで寄ってきます。
動きが素早いので、後姿しか撮れなかった!エナガ???

メジロも飛んできましたよ。でも撮れませんでした。






岩屋峠まで下り、ちょっと岩屋に寄り道。あたりには冷んやりした空気が漂って気持ちがよく、
「ここで昼寝したい!」と、M本さん。分かります。その気持ち。






岩屋の前にはハンゲショウ(半夏生)が群生していました。







祐泉寺を目指して下山します。途中、冷たい水が飲める水場があり、この時期には特に
助かります。

「下山したら、駅前の中将堂本舗で中将餅を食べよう!」を合言葉に、木陰がなくなった
炎天下の車道を歩きます。







麓の山口神社の近くにある傘堂。「真柱1本のみで宝形造りの瓦屋根を支える総欅造りの
風変わりな建物」で、「他に類例のほとんどない珍しい建築遺構です」と、説明文に
ありました。「江戸時代前期にこの地の郡奉行が、主君の没後、その菩提を弔うために
建立した位牌堂」だそうです。これに梵鐘が吊り下げられていたそうです。







当麻寺の参道がら少し離れた道沿いに最近できたらしい文房具店兼カフェ兼ギャラリー
文晃堂」。地元名物の
中将餅もメニューにあります。ここで休憩すればよかった。






このあたりの古い家にはユニークな形のしめ縄が玄関に飾られています。船?雲?







当麻寺の境内を通ります。こんな暑い中、我々のほかに歩いている人は一人もいません。
「中将姫が一夜で蓮糸で曼荼羅を織り上げた」という伝説からか、池には蓮が花を咲かせて
います。







さらに暑い車道を歩き、駅前にたどり着いた我々が目にしたもの、それは・・・。
シャッターの下りた中将堂本舗と、「休業中」の張り紙。これだけを楽しみに
歩いてきたのに・・・。





気を取り直して、駅前の小さなお店に入りました。







最近、当麻名物として売出し中のどっこいまんじゅうをいただきました。
皮ごとペースト状にしたさつまいもに米粉や生クリームを加えた生地の大判焼き(回転焼き)
です。あんこや栗、抹茶など、いろんな味のバリエーションがあります。

帰りの電車で、行きたい山、見たい花など、いろいろリクエストをいただきました。10月からの
コース選定の参考にさせていただきますね。

帰宅してすぐにシャワーでさっぱりし、ビールを飲んで30分ほど昼寝しました。目覚めたときの
爽快感といったら!こんなことで幸せになれるともちゃんは単純?いや、人間のシアワセって、
案外簡単なものかも知れませんよ。来月もシアワセ探しに行きましょー!

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