昨日と今日田圃の準備に汗を流しました。
例年だと家内が草刈など済ましてくれていたので、田の耕起程度でよかったんですが、今年は草刈、耕起と思いのほか手間取りました。日ごろの手抜きが祟りました。
それにしても、暑かったです。
山吹が散れば夏来たりと言いますが、本当です。
『山吹』(やまぶき)バラ科の落葉低木
『山吹』は、古来、春の終わりを彩る花として、親しまれて
きました。
語源説はいろいろあるのですが、山風に振れる(=揺れ動く)
ところから、こう呼ばれるようになったという説が、有力です。
その証のように、『万葉集』の原文では、「山振」と表記する方が
多いようです。
細くしなやかな枝。
その先に咲く、少し赤みを帯びた黄色の花は、たしかに、風が
吹くたびに揺れています。
花びらは散りやすく、「移ろう(=散る)」という言葉と
いっしょに詠われたりもしました。
一重咲きと、八重咲きがあるのですが、八重山吹の方は、
実がならないということも、よく知られていたようです。
~七重八重 花は咲けども 山吹の
実のひとつだに なきぞあやしき~
(兼明親王『後拾遺和歌集』
太田道灌(どうかん)の故事で知られる、有名な歌ですね。
ただ、故事の方では、第五句が「なきぞ悲しき」となっています。
一重、八重、印象は違いますが、どちらも、鮮やかな花の色は
同じ。
そして、花が散ってしまえば、もう夏だということも……。
行く春を惜しむ気持ちと重なって、いつまでも心に残る色です。
夢子こと山下景子 幸せを呼ぶ~夢の言の葉~ より