2024年2月に、花栗第2児童遊園(花栗3丁目)が「くじら公園」として拡張・リニューアルオープンしました。うちの実家の近くで、私も子どもの頃にいつも遊んでいた公園です。
この公園には、防災用のかまどベンチが設置されていますが、鍋や調理器具などが備えられていません。それら備品を入れる防災備蓄倉庫もありません。
開園式で町会の方から、「なぜ備品がないのか?」という質問が出たところ、市役所職員からは「町会で買ってください」と説明されました。
公園の防災設備は、地域住民みんなが使うものです。町会だけが費用を負担するのは不公平ではないでしょうか。
これら課題の経緯や、公園防災の現状、そして今後の改善策について草加市議会9月定例会で質問しました。
(写真)花栗第2児童遊園「くじら公園」
■過去5年間で、公園に防災設備を設置した実績は?
2019~2023年度に、5カ所の公園にかまどベンチ9基、防災あずまや2基、防災井戸2基を整備。
- 清門中央公園
- 両新田くすのき公園
- にっさと防災公園
- 吉町あずま公園
- 花栗第2児童遊園
■町会が防災備品を購入する根拠は?
- 草加市地域防災計画の「自主防災組織が担う活動内容」が根拠
- 地域住民のコミュニティ醸成や防災知識の普及・啓発、防災訓練の実施のほかに、避難生活に必要な防災用資機材の購入・管理など、平常時から災害の備えを定めている
■防災資器材を購入する際の補助制度は?
①草加市自主防災組織資機材支援
- 自主防災組織を立ち上げた時に、1団体につき1回、100万円相当額以内を支援
- 消火器、救助用具セット、エンジンカッター、防災備蓄倉庫などの必要な資機材等を草加市が購入し、同組織に貸し付けるかたち
②草加市自主防災組織育成事業補助金
- 防災資機材などの購入費用として1団体につき年間上限5万円を交付
③草加市自主防災組織発電機購入費補助金
- 発電機を購入する際に、経費の2分の1(上限10万円)を交付
■課題について
①不十分な補助金制度
町会などが主体的に自主防災組織を推進していくことは重要なことです。しかし、公園は町会のものではありません。公園の防災設備も、町会員だけが使えるものではありません。
現状の支援制度では、自主防災組織を立ち上げた時だけ大きな支援を受けられますが、その後は年間5万円までの補助に限られます。多くの町会が、その補助金のなかで防犯パトロールのビブスや資器材を計画的に更新しています。そのため、新たにできた公園の防災備品をそろえる余裕はありません。そもそも、防災倉庫は5万円で買えません。
②公共施設の防災設備が町会丸投げ
また、補助金は単年度で清算するルールのため、繰り越したり貯蓄することもできず、結局は町会費から多額の予算を投じて防災倉庫や資器材一式を購入するしかないのが現状です。
公共施設の防災設備を町会に丸投げしている状況といっても過言ではありません。
③発災時の混乱と責任の所在
さらに、町会が公園の防災備品をそろえなかったら、どのようなことが生じるでしょうか?
いざ災害が起きた時、避難者が公園に集まります。かまどベンチを用意していざ炊き出しなどをしようとします。ところが、かまどベンチはあるけど、鍋も熱源もなんの備品もありません。当然、「なぜ無いのか?」となります。
すると、「いや、それは町会が用意するものなんですよ」となり、町会が悪いのかって話になってしまいます。
このような公共の無責任ルールは改めるべきではないでしょうか。
■新たな補助制度の創設、連携強化を!
公園の整備・リニューアルなどの例外的な理由により防災倉庫等を購入する場合は、そのとき限定で使えるような補助の枠組みをつくることや、国や県の補助金などを探して町会などが活用できるよう支援するといった改善策を検討するよう提案しました。
提案に対して市は、「自主防災組織の意向を伺うなかで、市の様々な補助制度に加え、防災備蓄倉庫などを助成対象とする一般財団法人自治総合センターの自主防災組織育成助成事業の活用を検討するなど、地域防災の充実の一助となるよう努めてまいる」と答えました。
公園防災という身近な問題を通じて、地域における防災体制の課題(とりわけ公助の課題)を浮き彫りにしました。草加市と市民が協力し、より効果的な防災体制を構築していく必要があります。
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