殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

電話日

2011年01月13日 10時53分27秒 | みりこんぐらし


先日は、一日中電話をしていた。

同級生で行く一泊旅行が近付いたため、そろそろ参加者の最終確認や

スケジュールを詰めなければならない。

男子のほうの連絡は、言い出しっぺの祐太朗が受け持つことになっている。


    「男子のほうの連絡、頼むね~」

と電話すると

「すまん!オレ今、上海(シャンハイ)。

 しばらく帰れそうにないから頼むわ」

祐太朗は、とある企業の社長。

去年パパから引き継いだばかりで、何かと多忙なのだ。


   「当日は大丈夫なんだろうね!」

「それまでには帰れる」

ということで、男子も私が連絡することになる。

が、横着者の私であるから、モトジメに電話して丸投げをたくらむ。

しかし、モトジメは息子の大学受験が控えており

自分だけチャラチャラしていたら、今後の人生が危ういそうで

今回の旅行は、欠席すると言う。


しかたなく全員…といっても10人余りだが、電話する羽目になる。

それでも留守だったり、後で思いついたけどあれはどうなってるだの

泊まらずに宴会だけでもいいのかだの

携帯と家電に次々と連絡があり、私は十何年ぶりかで

忙しかったOL時代を思い出す。


合間で、やはり同級生のなっちゃんが、別件でたびたび電話してくる。

なっちゃん一家は、とあるプロスポーツチームの大ファン。


唐突だが、義母ヨシコの通う眼科のミドリ先生も、そのチームの大ファン。

ミドリ先生は毎年、正月明けに餅つきのイベントをする。

そこへチームの選手を数人、はるばる招待するのが恒例になっている。


ヨシコはこのスポーツにも選手にも、まったく興味は無いが

毎年、餅つきに助っ人で行く。

餅をつく者と食べる者はたくさんいるけど

つきあがった餅を小分けにする者がいないのだ。

あれは熱いし粘るしで、熟練した年寄りしかできない。

近頃は家庭用の餅切り機も出ているそうだが、それでは味気ないと

ミドリ先生は言う。


こないだ、なっちゃんに会った時、餅つきの話をしたら

ぜひ行きたい、なんとかしてくれと言う。

そこでヨシコに頼み、なっちゃん一家をもぐりこませてもらうことにした。

この日は、その当日なのであった。


ヨシコとなっちゃんは初めて会うので、ヨシコの特徴を説明する。

    「目鼻立ちのはっきりした婆さんがいない?

     茶髪で、たぶん派手な色の服着てる…」

「何人かお婆ちゃんはいるけど、みんなそう見える…」

派手なのは我が姑だけと思っていたが、近頃の年寄りは皆、派手らしい。


やがて、ヨシコとなっちゃんは無事合流できた。

こういう時、ヨシコは気さくなので、助かる。

友達を預けても安心だ。


ホッとしていると、今度はなっちゃん、大興奮で電話してくる。

「すんごい豪華メンバーよ!○○も来てるし、○○も、○○も!」

選手の名前を言われても、私も興味が無いので全然わからん。


また旅行関連の電話をかけたり、かかったりが夜まで続き

合間でなっちゃんから、興奮とお礼を伝える電話が2回。

さすがに口がくたびれ、ぐったりする。


そこへ、Kのヤツからメールだ。

なんだか大きな勘違いをしている、遠方在住の同級生である。

詳しくは右のカテゴリー“異星人”を見てちょ。

“Kです。アドレス変えたのでよろしく!”だとよ。


何がよろしくだ…こいつの魂胆はわかっている。

年末の宴会からこっち、すべてを無視しているので、別の作戦に出たのだ。

前にもやった。

アドレスには、いつもヤツの姓名が入っているので

登録していなくてもわかるのだ。

変えては元に戻し…を繰り返している。


しばらく時間を置いて、今度は他人と間違えたフリのメールが来る。

“久しぶりのヨッコからのメール、なつかしかったよ。

 やっぱりオレ、お前のことが忘れられないんだなあと思った”


この手も、前に使いやがった。

前はナニコだったか忘れたが、やはり古くさい名前だったと思う。

いまどき“ヨッコ”なんて呼ばれる女がいるものか。

アドレス変えたばっかりなのに、久しぶりの“ヨッコ”から

メールがあるわきゃ~ねえじゃねえか。

小学生だって、こんなことはしない。

古い!昭和!幼稚!

そしてその手で引っかかるだろうと思われ

ナメられている我が身が腹立たしい。


ほどなくまたメール。

“ごめん、ごめん、他の女と間違えちゃったよ!(^_^;)”

もう、書いてるだけで、こっちが恥ずかしいわい。


どっと疲れたので、寝ようと思った深夜、また携帯に電話。

Kかと思いきや、ゲゲゲのゲ…これはKよりも避けたい人物。

一つ下の妹の旦那…つまり義弟のシュンであった。

トドメがこれかよ…。


シュンは、酔うとしつこい。

近くに住んでいても滅多に会わないが

年に2~3度、酔ってひょっこり電話してくる。

わたしゃ、酔っぱらいが大嫌いなんじゃ。

これまでは妹のためと思って、我慢していたが

今年から、こいつも無視じゃ。


携帯はしばらく、スタイリスティックスの「愛がすべて」を奏でていた。

そうよ…キムタクが出ていたギャツビーのCMの歌よ。

放置する場合、好ましいミュージックに限る。

(ちなみにメール着信は、従姉妹とおソロにして「アメージング・グレース」)

それを聞きながら「ああ、キムタク…」とつぶやいて、私は眠りについた。
コメント (22)
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