殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

中国王朝ドラマ

2014年10月12日 22時30分31秒 | みりドラ
中国の王朝ドラマが好きだ。

といっても見たことがあるのは

「宮廷の諍い女(いさかいめ)」と

「宮廷女官ジャクギ」の二つだけの初心者。


何が好きって、お金のかかった豪華なところ。

そこで繰り広げられるドロドロ。

たまらんわ~。


韓国の王朝ものも好きだけど、中国に比べるとチープ感は否めない。

最近はずいぶんマシになってきているものの

経費の都合なのか、実在する古い建造物をそのまま使用するため

玄関や板の間、外壁や石垣なんかがボロい。

満艦飾に着飾って、ボロ家から出てくるやんごとなき方々。

このチグハグに、心は騒ぐ。


衣装は、つい襟に注目してしまう。

中国ものは私の大好きなスタンドカラーだが

韓国の衣装は、日本の和服と同じように

うち合わせの白い襟が付いている。

主役級はアップが多いので、白い襟元はパリッと綺麗。

大臣A、女官Bあたりになると使い回しになるらしく

黄ばんでくたびれている。

襟の階級、身分制度より厳しそう。


「整形しました!

美しいかどうかじゃなく、手術したことに意義があるんです!」

とでも言いたげなおばさんが、必ず出てくるのも怖い。


最も苦しいのは、日本語版の吹き替え音声である。

職業声優を使うため、自分の美声と滑舌に酔っているフシが感じられ

せっかくのドロドロが際立たないではないか。

これら身勝手な理由により、韓国より中国に軍配を上げてしまう私である。


それに私は、なにげに紫禁城がごひいき。

なぜか懐かしい気持ちになるのだ。

前世に興味は無いが、もしも私に前世というものがあるとしたら

紫禁城の片隅で掃除か洗濯でもしていたのではなかろうか。


ごひいきの理由はもう一つ。

義父アツシの知り合いに、老後のライフワークとして

中国王朝の研究を始めた人がいる。

その人が自費出版した本が家に何冊かあり

誰にも読まれないまま、軽く20年は本棚で待ちぼうけていた。

今回、夫の実家で暮らすようになり、暇にあかせて読んでいたら

ややこしい身分制度や慣習の知識が少し備わって

紫禁城がより近づいた気分になったのである。



「宮廷女官ジャクギ」は、現代の中国に生きる歴史好きの女の子が

事故に遭い、突然、清朝の時代にタイムスリップしたという

荒唐無稽な話である。

意識が戻った女の子は、ジャクギという名前で

皇子の側室の妹になっていた。

美人じゃないんだけど、いまどきの女の子っぽい

あっけらかんとした言動で、皇帝の座を争う美しき9人の皇子にモテモテ。

彼らにピースサインなんか教えちゃう。


ジャクギちゃんは誰が皇帝になるか、誰が罪に問われて失脚するかなど

皇子達の先行きを知っている。

他の人には未知なる運命でも、ジャクギちゃんにとっては

決定済みの歴史なのだ。


知ってるけど言えない…

みんなの未来はジャクギちゃんにとって過去…

失脚するとわかっている人に告られて困ったりしながら

知っているゆえの苦悩と戦いつつ

最終的には皇帝の座に就いた第四皇子の側室になる。

が…やはり過去を知っていることが何かと災いし

ゴタゴタしたまま病死して、現代に戻る。


ドロドロの愛憎劇は薄口だが

このドラマで一番すごいと思うのは

男性俳優の辮髪(べんぱつ)である。

前半分を剃り落とし、後ろ半分の髪を伸ばして三つ編みにした

キョンシーでお馴染みのヘアスタイルだ。


今をときめく中国や台湾のイケメンスター達が

惜しげもなくツルツルの丸坊主にして

後頭部に辮髪のカツラを付けている。

端役もしかり。

その意気込みは見事だ。


この「宮廷女官ジャクギ」より前に作られた「宮廷の諍い女」。

ジャクギが側室になった皇帝と、「宮廷の諍い女」の皇帝は

演じる人は違うものの、たまたま同じ皇帝。

ジャクギの方は、皇子から皇帝に進む若かりし頃が舞台

諍い女の方は、その皇帝の中年以降の話である。


ただし「宮廷女官ジャクギ」に登場する皇帝は

ニヒルなイケメン。

「宮廷の諍い女」の皇帝は、むくつけきおじん。

この落差をどうしてくれよう。



「宮廷の諍い女」は、このおっさんを取り合って繰り広げられる

正室、側室入り乱れての正統ドロドロ劇である。

敵対する相手に命を狙われるのは当たり前…

信じた相手に陥れられた…

心の友に裏切られた…

控えめで優しい正室が、実は一番のワルだった…。


女達は自身と実家のプライドや権勢をかけて、死闘を展開する。

その美しさ、残酷さ、哀しさ。

そうまでして取り合うのは、不細工なおっさん。

このザンネンが、女達の華麗を引き立てているという見方もあるが

同じ命を賭けるなら、イケメンの方がいいぞ!

と、心で叫びながら鑑賞する私である。


コメント (12)
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