こんにちは!みりこんおばちゃんよ!
今日も引き続き、仕事について
お話しさせていただくわね。
《食い過ぎた女》
23才のBちゃんは、かわいくておしゃれな
今どきの女の子。
大学卒業後は大手食品メーカーの事務に就職して
元気に働いていたの。
ところが何ヶ月か経った頃、急に元気が無くなって
会社を辞めたいと言いだしたの。
家族が理由を聞いても言わない。
セクハラを心配したお母さんが、友人の私に相談したわけ。
お母さんに席をはずしてもらって、Bちゃんと2人
何もたずねずに別の話ばっかりしてた。
で、たまたま回転寿司の話になったのよ。
そしたらBちゃん、泣きだしちゃった。
「回転寿司、嫌か」
そうたずねたら、Bちゃんは
涙をポロポロこぼしながらうなづく。
「回転寿司、悪いのか」
と聞いたら、首をブンブン振る。
どうも、回転寿司が問題らしいのはわかった。
「おばちゃんも回転寿司、嫌いよ。
Bちゃんが嫌いなら、おばちゃんも一生行かん」
本当は回転寿司、嫌いじゃないけど
この際どうでもいい。
そしたらフッと顔を上げて、Bちゃんは話し始めたわ。
会社帰りに上司のおごりで
同僚数人と一緒に回転寿司へ行った。
「遠慮せずに、どんどん食べなさい」
上司の言葉を真に受けて、Bちゃんは燃えた。
か細いBちゃんの食欲に、最初は盛り上がっていた一同。
一同の期待に応えたくて、皿を積み上げるBちゃん。
でも40皿を越えたあたりから、何やら雰囲気が‥。
支払いの時、上司がボソッと言った。
「親の顔が見たい‥」
以上がコトの経緯。
Bちゃん、食べ過ぎちゃったのね。
かわいいじゃないの。
「お母さんの悪口を言われた気がして
すごく悲しかった‥」
だから親には言えず、一人で苦しんでいたのね、
それ以来、上司を始め会社の人達も
なんだかよそよそしい気がする。
それで会社が辛くなっちゃったのね。
Bちゃんは未熟児で生まれたので
心配な両親と祖父母は
たくさん食べるとほめてくれた。
大人はたくさん食べると喜ぶ‥
Bちゃんはそう思い込んだまま、大きくなったみたい。
Bちゃんは大好きなお母さんのことを
悪く言われたと思って傷ついてるけど
実際は、お金の出どころの問題。
他人のお金でお腹いっぱい食べたら
そりゃ嫌われるわよ。
若いBちゃんは、親と他人の財布の区別を
忘れちゃったのね。
連れて行ったが最後、とことんやられたら
たとえそれが安い回転寿司であっても
「怖いヤツ」と警戒される。
Bちゃんは愛されて育ってるから
世の中の人はみんな
自分のことが好きなんだと思ってるけど
家族の他人率が高かった私に言わせれば
あんまり可愛がられて育つのも、一種の不幸だわ。
こういうことがあった時のショックが大きいもんね。
他人ってね「食う寝る」に厳しいものなの。
食べることと、寝ること‥
そうよ、この二つを落としたら生きられない
人間の本能よ。
我が子がよく食べても、よく寝ても腹は立たない。
これが血の証明なの。
だけど血のかかってない他人は違う。
食う寝るという当たり前のことが
強く印象に残るし、カンに触るものなのよ。
盆正月に旦那のきょうだいが帰ってくる‥
本家の嫁は、嫌よね。
他人の食う寝るを目の前で見せつけられるからなの。
そのための準備に気ぜわしくて、物入りな自分‥
強気になる舅や姑‥
バカバカしくて、やってられないわよ。
でも我が子が帰省するとなると
いそいそ準備するわよね。
会社で居眠りする上司は、誰だって嫌よね。
のんきにイビキまでかきやがって、死んじまえ‥
くらい思うわよ。
これ、父親だったら平気よね。
血って、そういうものなのよ。
仕事って、周りが全部他人じゃん。
血の味方が無いわけよ。
食う寝るには他人の目が光ってるから
細心の注意が必要なの。
与えられた物で足りなかったら
帰って食べ直すとか、先に何か食べておくとか
ご馳走してもらったら何かお返しするとか
その時だけじゃなく
後々会うたびに何回もお礼を言うとか
配慮って大事。
そうよ、面倒くさいの。
タダ飯って怖いんだから。
食う寝るで、知らず知らずに逆境に立つ人は
案外多いのよ。
「部下を回転寿司なんかに連れて行く上司がおかしい!」
私は憤慨して見せるの。
きついことを言われたBちゃんを楽にするため。
他の食事なら一人分の量が決まってるから
こんな事態にはならなかったの。
食後に食べた分を精算する、回転寿司が不運だったのよ。
その不運がかわいそうでね。
「回転寿司が原因で会社辞めても、後悔しない?」
そう聞いたらBちゃん、後悔すると言うじゃない。
仕事は続けたいんだって。
そこで、何ヶ月も経ってるけど上司に謝る‥
ひたすら記憶が薄らぐ時効を待つ‥
会社の宴会か何かあった時、上司にお酌でもして
「あの時はすみませんでした。
深く反省してます」と言う‥
これらの対策を提案したの。
じきに会社の宴会が予定されていたので
Bちゃんは第3案のお酌を選択した。
上司は笑って「気にするな、また行こう」
と言ってくれたそうよ。
親は子供を可愛がるばかりじゃなく
他人の目という怖いお話を聞かせてあげるのも
大切な教育の一つだと思うわ。
(続く)
今日も引き続き、仕事について
お話しさせていただくわね。
《食い過ぎた女》
23才のBちゃんは、かわいくておしゃれな
今どきの女の子。
大学卒業後は大手食品メーカーの事務に就職して
元気に働いていたの。
ところが何ヶ月か経った頃、急に元気が無くなって
会社を辞めたいと言いだしたの。
家族が理由を聞いても言わない。
セクハラを心配したお母さんが、友人の私に相談したわけ。
お母さんに席をはずしてもらって、Bちゃんと2人
何もたずねずに別の話ばっかりしてた。
で、たまたま回転寿司の話になったのよ。
そしたらBちゃん、泣きだしちゃった。
「回転寿司、嫌か」
そうたずねたら、Bちゃんは
涙をポロポロこぼしながらうなづく。
「回転寿司、悪いのか」
と聞いたら、首をブンブン振る。
どうも、回転寿司が問題らしいのはわかった。
「おばちゃんも回転寿司、嫌いよ。
Bちゃんが嫌いなら、おばちゃんも一生行かん」
本当は回転寿司、嫌いじゃないけど
この際どうでもいい。
そしたらフッと顔を上げて、Bちゃんは話し始めたわ。
会社帰りに上司のおごりで
同僚数人と一緒に回転寿司へ行った。
「遠慮せずに、どんどん食べなさい」
上司の言葉を真に受けて、Bちゃんは燃えた。
か細いBちゃんの食欲に、最初は盛り上がっていた一同。
一同の期待に応えたくて、皿を積み上げるBちゃん。
でも40皿を越えたあたりから、何やら雰囲気が‥。
支払いの時、上司がボソッと言った。
「親の顔が見たい‥」
以上がコトの経緯。
Bちゃん、食べ過ぎちゃったのね。
かわいいじゃないの。
「お母さんの悪口を言われた気がして
すごく悲しかった‥」
だから親には言えず、一人で苦しんでいたのね、
それ以来、上司を始め会社の人達も
なんだかよそよそしい気がする。
それで会社が辛くなっちゃったのね。
Bちゃんは未熟児で生まれたので
心配な両親と祖父母は
たくさん食べるとほめてくれた。
大人はたくさん食べると喜ぶ‥
Bちゃんはそう思い込んだまま、大きくなったみたい。
Bちゃんは大好きなお母さんのことを
悪く言われたと思って傷ついてるけど
実際は、お金の出どころの問題。
他人のお金でお腹いっぱい食べたら
そりゃ嫌われるわよ。
若いBちゃんは、親と他人の財布の区別を
忘れちゃったのね。
連れて行ったが最後、とことんやられたら
たとえそれが安い回転寿司であっても
「怖いヤツ」と警戒される。
Bちゃんは愛されて育ってるから
世の中の人はみんな
自分のことが好きなんだと思ってるけど
家族の他人率が高かった私に言わせれば
あんまり可愛がられて育つのも、一種の不幸だわ。
こういうことがあった時のショックが大きいもんね。
他人ってね「食う寝る」に厳しいものなの。
食べることと、寝ること‥
そうよ、この二つを落としたら生きられない
人間の本能よ。
我が子がよく食べても、よく寝ても腹は立たない。
これが血の証明なの。
だけど血のかかってない他人は違う。
食う寝るという当たり前のことが
強く印象に残るし、カンに触るものなのよ。
盆正月に旦那のきょうだいが帰ってくる‥
本家の嫁は、嫌よね。
他人の食う寝るを目の前で見せつけられるからなの。
そのための準備に気ぜわしくて、物入りな自分‥
強気になる舅や姑‥
バカバカしくて、やってられないわよ。
でも我が子が帰省するとなると
いそいそ準備するわよね。
会社で居眠りする上司は、誰だって嫌よね。
のんきにイビキまでかきやがって、死んじまえ‥
くらい思うわよ。
これ、父親だったら平気よね。
血って、そういうものなのよ。
仕事って、周りが全部他人じゃん。
血の味方が無いわけよ。
食う寝るには他人の目が光ってるから
細心の注意が必要なの。
与えられた物で足りなかったら
帰って食べ直すとか、先に何か食べておくとか
ご馳走してもらったら何かお返しするとか
その時だけじゃなく
後々会うたびに何回もお礼を言うとか
配慮って大事。
そうよ、面倒くさいの。
タダ飯って怖いんだから。
食う寝るで、知らず知らずに逆境に立つ人は
案外多いのよ。
「部下を回転寿司なんかに連れて行く上司がおかしい!」
私は憤慨して見せるの。
きついことを言われたBちゃんを楽にするため。
他の食事なら一人分の量が決まってるから
こんな事態にはならなかったの。
食後に食べた分を精算する、回転寿司が不運だったのよ。
その不運がかわいそうでね。
「回転寿司が原因で会社辞めても、後悔しない?」
そう聞いたらBちゃん、後悔すると言うじゃない。
仕事は続けたいんだって。
そこで、何ヶ月も経ってるけど上司に謝る‥
ひたすら記憶が薄らぐ時効を待つ‥
会社の宴会か何かあった時、上司にお酌でもして
「あの時はすみませんでした。
深く反省してます」と言う‥
これらの対策を提案したの。
じきに会社の宴会が予定されていたので
Bちゃんは第3案のお酌を選択した。
上司は笑って「気にするな、また行こう」
と言ってくれたそうよ。
親は子供を可愛がるばかりじゃなく
他人の目という怖いお話を聞かせてあげるのも
大切な教育の一つだと思うわ。
(続く)
するどい視点に溢れる愛情☆素晴らしいです。
ひとまずの解決に至ったので
堂々と行けるけど、解決しなくても行く。
年に1回ぐらいしか行かないけど。
お寿司ってスルスル入るので
時に鬼門となるのはわかりました。
注意一秒、怪我一生。
まわりからすれば微笑ましい悩みですね。
ごちそうになる時はやはり気を使います。
高い物はダメ、でも安すぎるのもバカにしてる感が出てダメ。
私は小食なので
「あまりたくさんは食べられないので・・」と言ってればいいので簡単ですが笑
でも、そのあとで雰囲気が変わって・・・とちゃんと気づけたBちゃんは優秀ですよね!
ほんとまったく空気読めない奴ってどこにでもいますもん。
周りを不快にして、それにまったく気づかず、気にもならない
あれって一種の才能だと思いますもん苦笑
様々な感情を通り越して
見上げたもんだと感心しちゃう。
「親と外食の時は控えめに
人からおごってもらう時は
高い物をたくさん食べなさいと
親から教わりました」
微笑みながら真顔で言われて
ぶっ飛んだ経験があります。
そそ、Bちゃんなんて優秀よ。
少食!
なんかうらやましい(笑)
しかも気を使うなんて。
ユウキさん、立派!
今回の女の子、張り切って食べたんですね。
遠慮というものを知らなかった。
私も覚えがあるんですよ。
私達姉妹にとっては実家だから当然だと思ってましたが大勢で里帰りして食う寝る。
勿論手伝うし、布団も敷くし、帰るときは布団を干してシーツ洗って掃除機かける。
遠慮はしまくっていたし義姉には感謝しているし、ありがとうも言っていた。
でも、やっぱり実家なんだから当たり前って意識だった。
母がいた間は当たり前だって思っていました。
でも、娘孫達がお泊まりするのもシンドイ時あるのに義姉は本当に大変だったと今なら思います。.
チョットみりこんさんの言いたかったこととズレた・・・・。
兄弟が多くて苦労が多いとわかっている家の
長男に嫁いでしまう女性には
そのお役目を背負う宿命があります。
気を使って、お役目をはたす協力をした
すみこはん姉妹、とても良いことをされたと
思います。
そのごほうびは各自、知らず知らずに
受け取っていらっしゃると思いますよ。
思いあたる、そこそこの運の良さ、経済、人望‥
親のしつけの原点は、ここにあります。
ツツジ、こちらではまだツボミです。
そろそろ新緑の季節ですね!
山桜がぷかり、ぷかりと浮いているような
春の野山も好きですが、新緑も大好き。