公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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国際連合安全保障理事会決議第1718号 和訳

2016-08-24 11:02:31 | 日本人
日本海でSLBMらしき試験を行った北朝鮮は調子にのって踏み外した。
このまま「許しがたい暴挙」というアナウンス座視していていいのか。


国連決議1718号は実に弱弱しいものであり、とくに共同行動8(f)は自国の防衛を優先できない国際法適合(国際法というのはどうにでも解釈できるから何もできないから何でもできるまで振れ幅がある)という逆向き「北朝鮮のやり得」の決議になっている。国連憲章第51条の「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を妨げないという規定は先制を許す立場(伝統的解釈)と許さない立場(国連後解釈)に分かれている。いずれにしても実験であるとすればなんでもできる(攻撃の切迫性はない)とする18世紀解釈( the legal principal of the Caroline test. The principle states that the necessity for preemptive self-defense must be "instant, overwhelming, and leaving no choice of means, and no moment for deliberation",)のほうが主流である。SLBM攻撃体系が完成するとinstant, overwhelming,を満たす。と同時に警告決議をしているので均衡性も満たす。したがって解決方法はただ一つ。国連を米国とともに一時的に脱退し、北朝鮮に対するフリーハンドを手にするという緊急避難である。

国際連合安全保障理事会決議第1718号 和訳
(官報告示外務省第598号(平成18年11月6日発行))
安全保障理事会は、

 決議第825号(1993年)、決議第1540号(2004年)及び特に決議第1695号を含むこれまでの関連する決議並びに2006年10月6日の議長声明(S/PRST/2006/41)を想起し、

 核、化学及び生物兵器並びにその運搬手段の拡散が、国際の平和及び安全に対する脅威を構成することを再確認し、

 2006年10月9日に核兵器の実験を実施したとの北朝鮮による発表、このような実験による核兵器の不拡散に関する条約及び核兵器の不拡散に関する世界的な制度を強化するための国際的な努力に対する挑戦、並びに、このような実験が地域内外の平和及び安定にもたらす危険に対し、最も重大な懸念を表明し、

 核兵器の不拡散に関する国際的な制度は維持されなければならないとの強固な確信を表明するとともに、北朝鮮は核兵器の不拡散に関する条約に従い核兵器国としての地位を有することはできないことを想起し、

 北朝鮮による核兵器の不拡散に関する条約からの脱退に関する発表及び核兵器の追求を遺憾とし、

 北朝鮮が無条件で六者会合に復帰することを拒否してきたことを更に遺憾とし、

 中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって2005年9月19日に採択された共同声明を支持し、

 北朝鮮が、国際社会が有するその他の安全保障上及び人道上の懸念に対応することが重要であることを強調し、

 北朝鮮が発表した実験が地域内外の緊張を増大させていることに深刻な懸念を表明するとともに、それゆえに、国際の平和及び安全に対する明白な脅威が存在することを認定し、

 国際連合憲章第7章の下で行動し、同憲章第41条に基づく措置をとって

1 北朝鮮が、関連する決議(特に決議第1695号(2006年))、及び、このような実験は国際社会の普遍的な非難を招くものであり国際の平和及び安全に対する明白な脅威となるものである旨述べた2006年10月6日の議長声明(S/PRST/2006/41)を甚だしく無視して、2006年10月9日に発表した核実験を非難する。

2 北朝鮮に対し、いかなる核実験又は弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないことを要求する。

3 北朝鮮に対し、核兵器の不拡散に関する条約からの脱退に関する発表を直ちに撤回することを要求する。

4 北朝鮮に対し、核兵器の不拡散に関する条約及び国際原子力機関(以下「IAEA」という。)の保障措置に復帰することを更に要求するとともに、核兵器の不拡散に関する条約のすべての締約国が自国の同条約上の義務を引き続き遵守することが必要であることを強調する。

5 北朝鮮が、弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止し、かつ、この文脈において、ミサイル発射モラトリアムに係る既存の約束を再度確認することを決定する。

6 北朝鮮が、すべての核兵器及び既存の核計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄すること、核兵器の不拡散に関する条約の下で締約国に課される義務及びIAEA保障措置協定(IAEA INFCIR/403)に定める条件に厳格に従って行動すること、並びに、これらの要求に加え、透明性についての措置(IAEAが要求し、かつ、必要と認める個人、書類、設備及び施設へのアクセスを含む。)をIAEAに提供することを決定する。

7 また、北朝鮮が、その他の既存の大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄することを決定する。

8 次のとおり決定する。

(a)すべての加盟国は、北朝鮮に対する自国の領域を通ずる又は自国民による若しくは自国の旗を掲げる船舶若しくは航空機の使用による次のもの(自国の領域を原産地とするものであるか否かを問わない。)の直接又は間接の供給、販売又は移転を防止する。

(i)国際連合軍備登録制度上定義されたあらゆる戦車、装甲戦闘車両、大口径火砲システム、戦闘用航空機、攻撃ヘリコプター、軍用艦艇、ミサイル若しくはミサイル・システム、若しくは、予備部品を含む関連物資、又は、安全保障理事会若しくは下記12の規定により設置される委員会(以下「委員会」という。)により定められる品目

(ii)文書S/2006/814及びS/2006/815の表に定められるすべての品目、資材、機材、物品及び技術(文書S/2006/816/の表も考慮して、本件決議の採択から14日以内に、委員会が規定を修正し又は完成させない場合に限る。)、並びに、安全保障理事会又は委員会により指定される、北朝鮮の核関連、弾道ミサイル関連又はその他の大量破壊兵器関連の計画に資するその他の品目、資材、機材、物品及び技術

(iii)奢侈品

(b)北朝鮮は、上記(a)(i)及び(a)(ii)の規定の対象となっているすべての品目の輸出を停止し、また、すべての加盟国は、自国民による又は自国の旗を掲げる船舶若しくは航空機の使用による、北朝鮮からのそのような品目(北朝鮮の領域を原産地とするものであるか否かを問わない。)の調達を禁止する。

(c)すべての加盟国は、上記(a)(i)及び(a)(ii)の規定にある品目の提供、製造、維持又は使用に関する技術訓練、助言、サービス又は援助の、北朝鮮に対する自国民による若しくは自国の領域からの又は北朝鮮からのその国民による若しくはその領域からの、あらゆる移転を防止する。

(d)すべての加盟国は、それぞれの法的手続に従い、この決議の採択の日に又はその後いつでも、自国の領域内に存在する資金、その他の金融資産及び経済資源であって、北朝鮮の核関連、その他の大量破壊兵器関連及び弾道ミサイル関連計画に関与し又は支援を提供している(その他の不正な手段を通じたものも含む。)として委員会若しくは安全保障理事会により指定される者又は団体により、又は、それらの代理として若しくはそれらの指示により行動する者若しくは団体により直接的又は間接的に所有され又は管理されるものを直ちに凍結し、また、いかなる資金、金融資産又は経済資源も、自国の国民又はその領域内にいる者若しくは団体により、そのような者又は団体の利益のために利用可能となることのないよう確保する。

(e)すべての加盟国は、委員会又は安全保障理事会により、北朝鮮の核関連、弾道ミサイル関連及びその他の大量破壊兵器関連の計画に関係のある北朝鮮の政策に責任を有している(北朝鮮の政策を支持し又は促進することを通じたものを含む。)として指定される者及びその家族の構成員が自国の領域に入国し又は領域を通過することを防止するために必要な措置をとる。ただし、この規定のいかなるものも、ある国に対して自国民が自国の領域内に入ることを拒否することを義務付けるものではない。

(f)すべての加盟国は、この規定の要求の遵守を確保し、これにより、核、化学又は生物兵器、その運搬手段及び関連する物資の不正な取引を阻止するため、必要に応じ、自国の権限及び国内法令に従い、かつ、国際法に適合する範囲内で、協力行動(北朝鮮への又は北朝鮮からの貨物の検査によるものを含む。)をとることが要請される。

9 上記8(d)の規定は、関係国により次のとおり決定された金融その他の資産又は資源には適用しないことを決定する。

(a)食糧、賃料又は抵当、医薬品及び医療、租税、保険料及び公共料金のための支払いを含む基礎的な経費として必要であると決定されたもの又は法的役務の提供に関連して生じる妥当な専門手数料及び費用の払戻し若しくは凍結された資金、その他の金融資産及び経済資源の日常の保有若しくは維持のための国内法に基づく手数料若しくはサービス料のためのみに充てられる支払いであると決定されたものであって、関係国より委員会に対し、適当と認められる場合に、そのような資金、その他の金融資産及び経済資源へのアクセスを認める意図が通知され、かつ、委員会がそのような通知がなされてから5作業日以内に否定的な決定を行わない場合

(b)臨時経費として必要であると決定されたものであって、そのような決定が関係国により委員会に対し通知され、かつ、委員会によって承認された場合

(c)司法、行政又は仲裁上の担保又は判決の対象であると決定され、当該資金、その他の金融資産及び経済資源がその担保又は判決を充足させるために使用されるものであって、その担保又は判決がこの決議の日よりも前に記録され、上記8(d)に規定する者若しくは安全保障理事会又は委員会により指定される個人又は団体の利益のためではなく、かつ、関係国により委員会に対し通知された場合

10 委員会が、人道上の必要性(宗教上の義務を含む。)を理由として、そのような往来が正当化されることを個別の案件に応じて決定する場合、又は、委員会が、免除がこの決議の目的に資すると結論する場合は、上記8(e)の規定により課される措置は適用しないことを決定する。

11 すべての加盟国に対し、この決議の採択から30日以内に、上記8の規定を効果的に実施するために実施した措置につき、安全保障理事会に報告するよう要請する。

12 安全保障理事会の仮手続規則の規則28に従って、同理事会のすべての理事国により構成される同理事会の委員会を設置し、次の任務を遂行することを決定する。

(a)すべての国(特に上記8(a)に規定される品目、資材、機材、物品及び技術を生産し又は保有する国)に対し、この決議の8により課された措置を効果的に実施するためにとった行動に関する情報及び委員会がこの関連で有用と考える更なる情報を求めること。

(b)この決議の8により課される措置に関して申し立てられた違反に関する情報について検討し、適切な行動をとること。

(c)上記9及び10に定める免除の要請を受けた場合に検討し決定すること。

(d)上記8(a)(i)及び8(a)(ii)の目的のために特定される追加の品目、資材、機材、物品及び技術について決定すること。

(e)上記8(d)及び8(e)により課される措置の対象となる追加の個人及び団体を指定すること。

(f)この決議により課される措置の実施を促進するため必要とされる指針を定めること。

(g)安全保障理事会に対し、委員会の作業について、特に上記8の規定により課される措置の効果を強化する方法に係る評価及び勧告とともに、少なくとも90日ごとに報告すること。

13 朝鮮半島の検証可能な非核化を達成し、かつ、朝鮮半島及び北東アジア地域の平和と安定を維持するため、中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって2005年9月19日に採択された共同声明を迅速に実施するために、外交努力を強化し、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控え、かつ、6者会合の早期の再開を促進するというすべての関係国による努力を歓迎し、更に奨励する。

14 北朝鮮に対し、直ちに無条件で六者会合に復帰すること、また、中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって2005年9月19日に採択された共同声明の迅速な実施に向けて作業することを要請する。

15 北朝鮮の行動を絶えず検討すること、また、北朝鮮によるこの決議の規定の遵守の状況にかんがみ、上記8に規定する措置の妥当性について、その時点における必要に応じ、検討(これらの措置の強化、調整、停止又は解除についての検討を含む。)を行う用意があることを確認する。

16 追加の措置が必要な場合には、更なる決定が必要とされることを強調する。

17 この問題に引き続き積極的に関与することを決定する。


wiki抜粋
『歴史上自衛権は19世紀以来国際慣習法によって認められてきた国家の国際法上の権利である[5][6]。1945年に署名・発効した国連憲章の第51条には「武力攻撃が発生した場合」に国連加盟国が「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を有することが明文化された[5][4]。国連憲章第51条を以下に引用する。

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。(以下略)

— 国連憲章第51条より抜粋。


同憲章制定直後から現在まで主に、自衛権行使の対象が他国の「武力攻撃」に限られるのかという問題と、自衛権行使を正当化しうるのはその武力攻撃が「発生」した場合に限られるのか(先制的自衛権は認められるのか)という問題について意見が対立してきた[4][7][8]。ただしいずれの立場も、武力攻撃が発生しそれが攻撃を受けた国にとって真に急迫したものであれば自衛権行使が容認される、という点では基本的に一致している[4]。

先制的自衛権を否定する見解は国連憲章第51条中の「武力攻撃が発生した場合」という文言をより重視し、「武力攻撃が発生」していない場合の自衛権行使否定する[4]。こうした見解によると、確かに19世紀以来の国際慣習法においては「武力攻撃が発生した場合」に限らず国家の重大な利益に対する侵害に対して自衛権行使は容認されてきたが、国連憲章第51条の「武力攻撃が発生した場合」という文言はそれまで国際慣習法上認められてきた自衛権行使を一部制限したものとする[7]。』


 【ニューヨーク國枝すみれ】北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射を受け、国連安全保障理事会は24日、日米韓の要請を受け、非公開の緊急会合を開いた。北朝鮮を非難する報道声明に関し議論したが、安保理筋によると理事国の一部が反対し、同日は発表できなかった。報道声明は全安保理メンバーの合意が必要で、調整は今後も難航すると見られる。

 安保理議長国のマレーシアは多くの理事国が北朝鮮を非難したことを明らかにし、米国の報道声明案に基づき検討が続けられるとの見通しを示した。

 北朝鮮は7月に2回と今月3日にミサイルを発射し、3日のミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。日米などは安保理が北朝鮮を非難する報道声明を発表することを強く求めたが、中国やロシアの反対で見送られてきた経緯がある。

 英国国連代表部のピーター・ウィルソン次席大使は24日、緊急会合前に記者団に対し、「すべての国が北朝鮮の行為を非難し、安保理が一致して明確な反応を出すことを期待する」と述べた。
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