只今、深夜0時をまわったところです。
3時に起きて釣りに行かなければならないので、ホントはこんな事を書いてる場合ではないのですが・・・。
あれは、小学校の高学年の頃だったと思います。
池にはブルーギルという魚が現れ、ルアーなる釣りが流行しつつある、そんな時代でした。
休み時間、いつものように釣りの話で盛り上がっていたのですが、この中の1人が「ニジマスのバター焼って、めっちゃうまいでぇ~」と、ニジマス自慢をしだしたのです。
近所に、浄水場施設を利用した「ニジマスの養殖場」があり、そこで釣って帰って食べたというのです。
「ホンマかぁ~」「ええなぁ~」「お金いるんかそれ?」と口々に言い出し、群集心理も手伝ってか、全員ニジマスをどうしても食べたくてショウガナイ状態になったのでした。
夜中(8時頃だったと思います)に集合し、養殖場の柵を乗り越え、ニジマスを釣ろう・・・という事になりました。
問題は、どうやって釣るか?です。
餌は何?
竿を持って高い柵を乗り越えられるか?
もし見つかった時に、竿を持って逃げられないのではないか?
それぞれは、子供ながらも自他共に認める釣り名人なのですが、
ニジマスを・・・しかも、こんな形で・・・釣るのは、みんな初めてです。
作戦会議の末、夜(8時頃だったと思います)集合して決行することになりました。
釣る方法は、竿だと持ち運びが大変なので、ダンボール紙に3号ラインを10メートルくらい巻き、先にはルアーをつけたらいい・・・という事になりました。
もし見つかったら、捨てて逃げれるように、失くしてもいいルアーを持ってくるように・・・と各々申し伝え帰宅しました。
約束の時間に、みんな集まってきて、順番に金網を登り柵を乗り越え、養殖場に入りました。
養殖の円形プールに近づき、各々釣りのスタートです。
私のは、池で拾ったスピナーベイトだったと思います。
プールに放り込むと、狂ったようにスピナーベイトを食ってきて、すぐに釣れました。
用意しておいたビニール袋に3匹?入れた時、懐中電灯が近づいてきたことに気付き、小さい声で「おっさんや!見つかった。逃げろ!!」と誰かが言って、そのままルアーを捨てて一斉に走り出しました。
懐中電灯も、だんだんスピードを上げて近づいてきます。
その時誰かが、何故か?あの状況の中で「アホォ~アホォ~おっさんのアホォ~」と、言い出したのです。
ニジマスを盗られたからなのか、「おっさん、アホォ~」と言われたからなのか、
急に大声で「コラー!!」と怒鳴り始めました。
一目散に全員金網に登り、柵を超えてから中をみると、おっさんはみんなが残した釣り道具を集めていました。
少し離れたところから、おっさんはコッチを見て「お前らコレは没収やぁー!」と、叫びました。
吉本新喜劇でよくある、ボコボコにされてから「今日はこれくらいにしといたろぉ~」みたいな感じに見えたので、可笑しくて可笑しくておもいっきり笑った記憶があります。
それに対し、友人の1人が「そんなもん、いるかぁー!おっさ~ん」と言いました。
そして、自転車に乗って家に帰りました。
翌日、母親に「コレ、どうしたん?」と聞かれたので、
「昨日の晩、みんなで養殖場に入って釣ってきてん」と答えました。
「怒られへんかったん?」
「おっさんが、めっちゃ怒ってた」
「もう、そんな事したらアカンよ」
「うん」
それから、ニジマスのバター焼を食べたのですが、味についての記憶が全くないのです。
あんまり、美味しくなかったのかも知れません。
これが、ルアーで初めて釣った私の体験談です。
あの頃の世間は、寛容な時代だったんでしょう・・・ね?
たぶん・・・。