この3年、竿の感度について色々と試してきました。
かかり釣りの竿は、他の釣り竿と違い大変短いので、思い切った発想の転換をしてみるのも良いと思います。
ウキを付けない釣りで使用する竿を、仮に感度系の竿と呼ぶようにします。
感度系竿の代表格といえば鮎竿です。
鮎竿は長いので、とにかく軽量化のために余計な物は極力省きたいという大前提があります。
幸いにして鮎竿には大きなテンションが掛かりますので、竿の張りを利用して手元にアタリを伝達させる工夫が凝らされています。
コレを楽器で例えるなら、鮎竿は打楽器です。
張りを調整することで、手元に伝達してくる振動を変化させています。(たぶん・・・)
感度系竿の雄に、ルアー竿・エギ竿があります。
ラインのテンションを受ける竿の張りと、使用する素材の特性を活かして、振動を上手く反響させるような工夫がされているようです。(たぶん・・・)
コレを楽器で例えるなら、打楽器と管楽器が合わさったような感じです。
我らがかかり釣りの竿は、精細な穂先を有し、ラインにテンションを掛けない釣り方が一般化していますので、ウキを使わない釣り竿の中では、上記の竿とは少し異なります。
チューブラーを直に触れながら釣りをするのが一番感度が良いと思われがちなのですが、竿の張りを体感できないかかり釣りの竿では、打楽器的発想は通用しません。
竿ありきで、感度について熟考していきますと、筆者の様に行き詰まり、どうしても時間ばかりが掛かってしまいます。
そこで、柔軟な発想で、、例えば楽器ありきで、竿の設計をしてみたら面白いんじゃないでしょうか。
打楽器がダメ、管楽器では容積不足、、という状況の中で、更なる楽器と言えば「弦楽器」です。
「チューブラー、カーボンパイプ、リールシート、ガイド、グリップ、金属リング等々の竿を作る材料を用いて、弦が1本のギターを作れと言われてん、、どうしよ~~」というヘンテコな立ち位置に一度自分を置いてみると・・・。
というアプローチもアリかと・・・、、なんか楽しそうですや~~ん♪
って、いったい誰に言ってるんでしょうかねぇ~、、(笑)
写真:筆者の超感度系自作竿「カンノンRSX13真打」
筆者は外径15mmのカーボンパイプをギターのボディー(呼び方正しい?)に見立て、ボディーの中央部分を握るように設計しています。
竿作りにも色んな楽しみ方があります。
自作竿を販売されている方は、仕上げやデザイン、素材のクオリティーを日々追及されているようです。
筆者は、自身の竿を趣味で作っていまっすので、仕上げは全く持って無頓着で、エポキシコートを上手く綺麗に仕上げた経験が、たったの1回もありません。
竿の良し悪しを決めると思われがちな、チューブラーなどの素材の開拓にも全く関心がありません。
チューブラーについては、釣具屋さんで売っているグラス以外の素材には全く興味がありません。
って書きますと、ただのヤル気のない人みたいですが、実は釣り具屋さんで売っているチューブラーには、凄く興味があるのです。
グラスは、カーボンやハイパーグラスに比べ重たいのですが、良くしなる柔らかさを備えています。
グラスが持つ固有の振動は、カーボンやハイパーグラスのようなピンっとした張りのある素材には当然ありません。
長い竿ですと、素材がどうであれどうにかなるのですが、かかり釣りのような短い竿の場合には、グラスの出す振動は大変魅力的に感じます。
その振動を効率よく拾えると、大変感度の良い面白い竿が安価でできます。
グラスの太さやカットする場所で、硬いだの・柔らかいだのというのは、何となくゴリラっぽい感じです。
そのさらに向うにあるモノを想像して、時間をかけてチューブラーを選びますと、使ってて楽しそうな竿が出来そうで、みょ~にワクワクしながらレジに並んでしまうのでした。