ギタリスト岡本博文 生徒諸君!

プロギタリストのリアルな経験談、本音を語って行きたいと思います。

京都府軽音楽連盟主催のバンドコンテスト 審査員をやってきた

2022-12-25 04:00:13 | Weblog
審査員をやってきました。各学校の寸評は、後半に。
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京都光華高校のホールで、京都府軽音楽連盟主催のバンドコンテスト。グランプリ校は「2023かごしま総文」京都府代表として出演する。
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ボーカリストの杉山千絵さんと一緒だった。
演奏者全員に一言コメントを書く欄があって、チラッと千絵さんを見たらびっしり埋まっていて、一生懸命僕もコメントで埋めた。よく書くことがあるなあ、と思った。
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京都府の大会の審査員は初めてだったけど、会場になった光華高校の軽音部員の子たちが、バンドがサウンドチェックするとき、音が止むとすぐにモニター注文とかのチェックに各出演者を数人で取り囲む。万全のケアに感心した。
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進行も、大谷高校の部員のMCで進められるのだけど、「〇〇高校の〇〇さんです!。どうぞ!」でバンドが演奏し始める、と決まっていて、サクサク進む。

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会の仕切りに無駄がなく、生徒たちだけでどんどん進んでいくのが素晴らしかった。
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グランプリは大谷高校AMUSE。
準グランプリに同点で
嵯峨野高校リナリアと大谷高校イチニサン。
いずれも、高校生らしからぬタイトな演奏だった。
あと、楽器の音が綺麗。サウンド作りがプロ。
ギターの音も10年前に比べると格段に良くなった。セッティングの研究が深まったんだと思います。
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審査員特別賞は、光華高校のプロジェクトJとプロジェクトW
なんと「八神純子・みずいろの雨」「中森明菜・DESIRE」の完コピです。振り切った選択。
こういうのなかなか難しいんですけど、よく雰囲気が出ていた。
欲目かもしれないけど、この頃の歌謡曲は素晴らしい。
歌詞もメロディーも立体的で、高校生が嬉々として演奏しているのが伝わって考えさせられた。
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ここまで来ると、ほんのちょっとのアドバイスで、まだゴロっと上手くなるんだけどなあ、と思うこともあり。
新しい世代に伝えるべきことは、本当にあると思う。
高校生の伸びしろは無限、と実感する。2年ほどでやり方によったらここまで出来るんだ、とあらめて思った。

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立命館高校 Nauty Cat
洛陽総合高校 あるぱかふぁみりあ
洛東高校 Spring
いずれも、素晴らしい熱演。お疲れ様でした。
個人的には、楽器の音作りに気をつけてほしい。特にベース。そしてドラムとのコンビネーション。
あと、歌の歌詞が聞こえるバランスも。

大谷高校Vintage
大谷高校は、いずれもサウンドがクッキリ聞こえて、さすが強豪校と思います。
ボーカルのしっかりしたバンドからの抜けが印象的。良いボーカルだ、と思った。

嵯峨野高校 東京ジへンジャーズ
東京事変の秘密を演奏。東京事変は難しい、と思う。当たり前のアンサンブルに
特殊なサウンドをあてがって、特殊なアプローチを絶妙に成り立たせるから。
それぞれは、大変上手いのだけど、コード感が聞こえにくい。
ステージ用に、少しアレンジし直すことも必要かも。
歌と歌詞から伝わること、からサウンドを構築することを考えたらよかったかも。

洛北高校ワンニズム
素晴らしい熱演でした。
最初のバンドでも言ったけど、楽器の音作り、ボーカルがしっかり歌うこと。
その上で、ボーカルを聞いてバンドがそのメッセージを増幅して伝えることを忘れないでほしい。

桂高校 ピヴァ
バイオリンとピアノの演奏。多分、小さい頃から楽器をやっている二人。
だから、とても上手かった。とまでは、普通に言えると思うのだけど、
ここまで来て、他のバンドのように「思いを伝える」なら、
フォルテはやり過ぎず、ピアニシモはもっと繊細であって欲しかった。
あと、楽器のレベルに比べて、ボーカルはやってみました感が強く、
全体のバランスを崩してしまったと思います。企画を少し練れば良いと思う。

光華高校 プロジェクトJ
「八神純子・みずいろの雨」キーボードのアレンジまで、
本格的な仕上がりで、素晴らしかった。何より、真剣に練り込んだ
実力のあるバンドだったと思います。よく頑張ったと思います。

洛陽総合高校 MAFS
立命館高校 ベルベット
熱演、ありがとうございました。
ボーカルはしっかり練習して、それをバンドで支えることを
大事にしてほしい。アレンジ、サウンド作りも含めて。

峰山高校 たわけ
ボーカルは、動き回り、タンバリンも良いグルーブで、
カリスマ性を発揮して、バンドも一つになり、僕は大変良かったと思います。
入賞を逃して残念。みんな良かったけど、ギターが一生懸命ファンキーなグルーヴに
拘って練習してきたのが見えた。あれはこだわらないと出てこないプレー。
ベースもドラムもみんな良かった。

大谷高校 ichi ni san
大谷高校らしいタイトで、サウンドも美しい良いバンドでした。
惜しいのは、ギターの音作りとボーカルとのバランス。
ギターの音が硬すぎるか、バランスが微妙に大きかったのか、PAのせいかわからないのですけど、ボーカルと帯域がぶつかって、言葉が聞きにくかった。
ボーカルは、ほかのバンドと兼任だったと思うけど、うくつしく抜けの良い声が
まだまだ伸びしろを感じます。みんなでがんばってほしい。

立命館高校 前田雪菜
椎名林檎の「ここでキスして」を軽く歪んだギターサウンドで
弾き語り。歌も良かった。ギターのコントロールもこだわりが感じられた。
これはPAのせいかもしれないけど、ややギターが大きく歌が微妙に聞こえづらい
ところがあった。ボリュームバランスに関しては、自分で手元でコントロールできる
状況なので、もう少し煮詰めることはできると思います。
ただ、バンドでこの完成度と歌の抜けが表現できるかは未知数。
良かったけど、バンドの参加者に点数をつけたのが本音。
ごめんね。

光華高校 プロジェクトW
中森明菜のDESIREを持っていたのは、やられた。
演奏も素晴らしい。惜しいのは、もっと高いキーでボーカルが歌った方が良かったんじゃないか?
という疑問。バンドは、普通に歌手のバックの仕事してるおじさんのバンドかと思うぐらい安定してました。
でも、ちょっとそれが不気味で(笑)どうにかしてフレッシュさを演奏で出せたらもっと良かったと思います。
でも、良かった。

大谷高校 AMUSE
グランプリおめでとうございます。
始まった瞬間にフレッシュな説得力とありがたみのある8ビートだった。
このありがたみって大事で、ともすれば普通の高校生バンドになってしまう。
この大事さを肌でわかっているのが、大谷高校の強みだと思います。
ギターの音作りもすごく研究されていた。

嵯峨野高校 リナリア
大変良いバンドでした。
個人的には、あとは好みだと思って、グランプリと同じ点をつけました。
全員が上手いし、コンセプトはお洒落で。また、ピアニストがテクニシャンで、それを軸にサウンドができているのも新鮮だった。上手かった。モチベーションもあり、堂々としていたと思います。

洛陽総合学校 team梅
熱演、ありがとうございました。
ボーカルはしっかり練習して、それをバンドで支えることを
大事にしてほしい。アレンジ、サウンド作りも含めて。

鴨沂高等学校 Owl
ボーカルとギタリストだけで、オリジナルによく挑戦されたと思います。
素晴らしい。ただ、剥き出しの自分でこの場で勝負した場合、演奏力、コンセプト全てが剥き出しになるので、結果はそのまま出たと思います。でも、良かったし、諦めずにこのまま自分たちにサウンドと向かい合って、継続してほしいです。次の段階は見えてくると思います。








 
 
 
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