先日、大津の高校軽音に行ってきました。
バンドの練習ということだったけど、
ドラムの子がいなくて、顧問の先生から
「ギターボーカルの子が、曲は浮かぶけどコードがつけられない。
コードのつけ方を教えてあげて欲しい」と聞いていたので、
簡単に教えることから始まった。
「まず、Cメジャーで使えるコードが7つある。
Cマイナーで使えるコードが7つある。
今は、これらのコードをうまいこと混ぜて使う曲がほとんど。
あと、G7以外に7thコードをうまく使うことも大事なんや。」
と紙に書き出した。いくつかコード進行をつくり弾いてみせる。
「ここのコードは、よく似た仲間だから、入れ替えることができる」
「勝手に7thコードに変える人もいるんや」
と弾いてみせると、真剣に聞いてくれる。
その空気が濃密で大変気持ちよかった。
するとたまたまチャイムがなった。
key=Fで、ミドレ、ソ〜〜、ソレミ、ド〜〜。
(だから実音でラファソ、ド〜〜、ドレラ、ソ〜〜)
3拍子ですね。
ルーパーにそのフレーズを録音して、
確か、F /Bb /Bb・C/Fと2回弾いて、
その後、
F /Eb7(+11) /D7sus4・Dm7/G7(13)
Gm711 /C7 /Bb(onC) /F
を弾いたぐらいで、一人の子が
「わ。卒業式で聞いたら泣く」と言い、目を見るとすでに涙目だった。
Bm7-5/ Bbm7 /Am7+5/ Ab7(13)
Gm7/C7sus4 /Bb(onC) /Fsus4 F ・
とか、弾く頃には「卒業したくない」と完全に涙目。
思わず、もらい泣きしそうになった。
僕は正直、え?こんな事で?と思い、心は狼狽えたけど、
コードがひとつ変わるごとに動く色や心への響き具合に
感動できる心が自分には希薄になり、当たり前のようになっていることにも気づき、
その高校生の心が自分の高校時代とダブって見えた。
タイムスリップしたようだった。
最後に弾いたコードでソロをして、
「こういう風に、僕はこんにちはと言いながらさようならを言われるような
コード進行を見つけると心の中にストックしていくことにしている」
と話した。
「曲は鼻歌や思いつきからしか始まらないけど、
かならずしも、自分がKey=Cで歌っているとも限らないから、
違うキーでも、いくつか弾いてみておく必要があるよ」
と、ある簡単な曲をいくつかのキーで弾いて見せた。
バンドの練習を見学させてもらった。
いい曲だった。詩がとってもよかった。
ドラムの子に「歌詞をいつも聞いていること。
なんでドラムを私が叩いているのか、意味が変わると思うよ」
みたいな事を言った。
ベースの子に「これは、歌とベースで音楽の骨組みが出来ているから、
恥ずかしがらずに大きな音で弾いたらいいよ」と言った。
ギターの子に「ギターを無理に弾こうとせずに、
歌に奉仕するつもりで時々ギターを弾くのでも良いよ」
と言った。
しばらくすると何人か部員がやってきた。
歌とギターを聞いた。なかなかこれがよかったので、
一緒にまぜてもらって演奏した。
自分の高校生だった頃を思い出して、
感慨深かった。この子たちと高校生活をもう一度出来たら、
素晴らしいなあ、と思った。
とっても大事な良い時期なので、大切に暮らして欲しい、
と思った。
***********
また、他の軽音にも顔を出したい。
違う感覚を持った人たちとの出会いはインスピレーションに
満ちています。