ギタリスト岡本博文 生徒諸君!

プロギタリストのリアルな経験談、本音を語って行きたいと思います。

不幸な出来事は、使い方次第で、人を輝かせる方向に導く

2014-09-05 07:33:03 | Weblog

キャラを立てると言う事、言葉が、最近のマイブームです。

手前味噌になるかもしれませんが、自分の話しを。
ギターを始めて、すぐ。渡辺香津美さんに憧れ、ジョン=スコフィールド にハマって、学生時代は、アウト=フレーズばかり研究してました。なんでも調子はずれに弾いてました。当時、 ジョン=スコフィールドを知る人すら少なく、「あいつは変人だ」と言われた。しかし、マニアックな人には、受けたし、それがきっかけで注目もされた。

プロを志した始めの頃、「もっと歌の伴奏は、普通に弾かれへんか」「16ビートのカッティングとか、できないのか?」「もっとコードワークやら、イントロ出しが出来ないのか?」とクレームをつけられては、必死で後付けで、練習した。

ファースト=アルバムを出した時、アコースティック=ギターを使ったのは「エレキで弾くとただのジョンスコ=マニアになる」と思っていて、ツールが変わるとそのままで居られなくなる、という観点からでした。もちろん、アコースティックの音に馴染みが有ったからなんですけど。

思えば、僕の身近な友人も、最初のマイブームがその人の将来を決めている。Tomo藤田氏も学生の頃はジャズが上手くなりたくて 、なりたくてバークリーに行ったら、高校生の頃から好きで祇園で弾いていたファンクのカッティングが認められて、大学講師までなってしまった。安達久美さんもギターを始めてすぐに「スコット=ヘンダーソン」に憧れてアメリカに渡った。若い女の子がルックスに似合わず、お洒落なブルースギターを弾くので話題になった。住友俊洋氏は、バイト中大怪我をして指が動かなくなり、スライドギターを自分の売りにして、世界で認められるスライド奏者になった。

「あれが出来なければ」「これが出来なければ」という苦労は、現場でいやがおうにも出会う。きつい言葉にも会うだろう。それは仕事を失いたくなければ、根性でクリアするしかないけど、その前に自分がハマったマイブームを大事にして欲しい。そこに人が振り返るようなキャラが立って来る気がするんです。

うちのみんなを見てください。ファイナンシャル=プランナーが、ガンズ&ローゼスのギターをそっくり弾く。通天閣の電飾をした電気屋さんが松原正樹そっくりに弾く。そこに個性的で楽しい人物像が出来上がって来る。そして、本業が充実しているがゆえに、ギターが弾けるし、また、ギターばかり上手くても、仕事が出来なければ、人として世の中に価値は認められない。

プロとアマチュアのスタンスは、違うと思いますけど「自分は、かっこいい人生を歩んでいる」という自信は、その人に輝きを与える。ハリー=ポッターは、額に傷をうけた事から 並の人間と別な人生を歩まなくてはしょうがなくなっている。弱点、コンプレックス、不幸な出来事は、実は、その人にドラマを与える。使い方によったら、それこそ、まさにチャンスだと思うんです。

なかなか、この文章では、伝わらないかもしれないけど、自分にとっての「ハリーの額の傷」は何か?時間をかけて考えてみたら良いと思います。それが人生を導いてくれる。最近、そう思えるんです。 

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