沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

中北清掃組合のごみ処理事業における「部分最適」を考える(後編)

2017-04-23 10:52:57 | ごみ処理計画

ゲストの皆様へ 

このブログは、下の資料にある日本の「ごみ処理の秩序」を守るための三大原則と、その原則に従って、全体の奉仕者として誠実に職務を遂行しなければならない国家公務員と地方公務員の適正な事務処理をテーマに管理をしています。

 

後編を読む前に、先に前編をお読みください。

後編は、中北清掃組合のごみ処理事業における「部分最適」のリスクを中心に考えてみます。 

下の画像(2つ)は、中北清掃組合における「部分最適」の歴史を整理した資料です。

 

 

【補足説明】このように、現実には、浦添市が中城村と北中城村と広域組合を設立する前に、中北清掃組合の「部分最適」を「全体最適」に改善しなければならないので、同組合が改善できなかった場合や改善しなかった場合は、広域組合を設立することはできないことになります。また、同組合が「部分最適」を「全体最適」に改善できなかった場合や改善しなかった場合は、国から補助金の返還を求められることになり、その場合は、2村の住民から自主財源を確保しなければならないことになります。

下の画像は、地方公共団体が違法な財産管理をしていた場合に適用される、地方自治法第242条第1項の要旨を整理した資料です。

【補足説明】この法令は、地方公共団体の長と職員に対して適用されます。

下の画像は、ごみ処理施設の管理と運用に関する重要法令を整理した資料です。 

【補足説明】当然のこととして、市町村がごみ処理施設の管理と運用に関して、これらの法令に違反していた場合は、財産の違法な管理と運用を行っていたことになるので、そのことによって補助金を返還した場合は、地方自治法第242条第1項の規定が適用されることになります。

下の画像は、補助金適正化法における重要規定を整理した資料です。

【補足説明】このように、国には、国民のために、補助事業者の「部分最適」を「全体最適」に改善しなければならない責務があります。したがって、補助事業者が改善できない場合や改善しない場合は、国民のために、補助事業者に対して補助金の返還を求めなければならないことになります。

下の画像は、中北清掃組合が補助目的を達成している場合を想定して作成した資料です。

【補足説明】このように、中北清掃組合が補助目的を達成している場合は、当然のこととして、他の市町村も同組合と同じように「部分最適」によるごみ処理事業を行うことができることになります。

下の画像は、中北清掃組合が補助目的を達成していると国が判断した場合に、変更しなければならない国の基本方針の概要を整理した資料です。 

【補足説明】この変更は、過去に遡って行わなければ、中北清掃組合が補助目的を達成していることになりません。

下の画像は、中北清掃組合の補助目的達成率に基づいて同組合の補助金返還額を試算した資料になります。

なお、この試算は、会計検査院の考え方に基づいて行っています。 

【補足説明】国(防衛省を含む)には、国民(このブログの管理者を含む)のために、補助金が公正かつ効率的に使用されるように努める責務があるので、少なくとも、国の基本方針に即して善良な管理者の注意をもって誠実に補助事業(ごみ処理事業)を行っている 浦添市との公正性を確保しなければならないことになります。

下の画像は、平成25年度に施行された中城村と北中城村における補助金の交付に関する要綱を整理した資料です。

【補足説明】このように、中城村と北中城村は、補助金適正化法の規定に基づく補助事業者の責務を十分に理解していることになります。したがって、2村は中北清掃組合にも補助事業者としての責務があることを十分に理解していることになります。

下の画像は、改めて浦添市と中城村・北中城村の考え方の違いを整理した資料です

【補足説明】このように、浦添市の考え方は「全体最適型」の考え方になっています。そして、中城村と北中城村の考え方は「部分最適型」の考え方になっています。

下の画像は、国の財政的援助と「部分最適」と「全体最適」の関係を整理した資料です。

【補足説明】このように、国が財政的援助の対象にしている市町村が、「部分最適型」の市町村である場合は、国の財政的援助を受ける資格がないことになります。なぜなら、「部分最適型」の市町村は、国民(このブログの管理者を含む)の税金を浪費する可能性があるからです。

下の画像は、中城村と北中城村に対する国の評価を整理した資料になります。

なお、この資料は、2村が中北清掃組合の「部分最適」を「全体最適」に改善できなかった場合又は改善しなかった場合を想定して作成しています。

【補足説明】中北清掃組合が補助金を返還して、中城村と北中城村が浦添市と広域組合を設立して広域処理を行うという選択肢はありますが、その場合は、2村が「部分最適型」の市町村であること認めることになります。

下の画像は、浦添市と中城村と北中城村が推進している広域処理における「全体最適」の条件を整理した資料です。

【補足説明】言うまでもなく、中北清掃組合(実質的には中城村と北中城村)が「部分最適型」の市町村ではなく、浦添市と同じ「全体最適型」の市町村であった場合は、上の資料にあるごみ処理計画に関する問題はなかったことになります。

下の画像は、上の資料にあるごみ処理計画の問題をなかったことにするために、浦添市と中城村と北中城村が共同で、「部分最適」を目指した場合を想定して作成して資料です。

【補足説明】このように、1市2村が地域計画の策定に当たって、1市2村のごみ処理計画との関係を削除することができれば、とりあえず「部分最適」は成功することになります。

下の画像は、市町村が策定する地域計画に関する住民の注意事項を整理した資料です。

【補足説明】国は、市町村に対する財政的援助に関する事務処理の大部分を都道府県に委ねています。したがって、都道府県が不適正な事務処理を行っていた場合は、国が市町村に対して不適正な財政的援助を与えてしまう可能性は十分にあります。しかし、市町村が国の財政的援助を受けた後に、都道府県の不適正な事務処理が発覚すると、結果的に、市町村の住民がその「尻拭い」をさせられることになります。

下の画像は、補助金適正化法の罰則規定が適用される場合を整理した資料です。

【補足説明】ごみ処理施設に対する国の補助金の交付に関する事務の大部分は、都道府県が第1号法定受託事務として処理しています。そして、国はそのことによって審査を簡素化しています。したがって、都道府県が本気になれば、市町村と連携して不正な手段を用いて国から財政的援助を受けることも不可能ではありません。

下の画像は、国の財政的援助に関する都道府県の事務処理(第1号法定受託事務)の概要を整理した資料です。

【補足説明】国は都道府県に対して市町村に対する「指導監督事務費」という名目で財政的援助を与えているので、万が一、都道府県が不適正な事務処理を行った場合は、都道府県が補助金適正化法の規定に違反することになります。

下の画像は、上の資料にある事務処理の中で、都道府県であり、補助事業者でもある沖縄県が十分に注意をしなければならない事務処理を整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、都道府県が上の資料にある交付金交付申請書の記載事項について不適当な部分を見逃した場合は、国も見逃す可能性があると考えています。

下の画像は、地域計画に関する国と都道府県と市町村のリスクを整理した資料です。

なお、地域計画とは、交付金交付申請書に添付するごみ処理施設の整備に関する具体的な計画のことを言います。

【補足説明】環境省は、同省が承認した地域計画について、他の市町村に対する技術的援助の一環として、同省において地域計画の内容を公開しています。したがって、この地域計画の内容に不適当な部分があった場合は、都道府県と同省の審査が甘かったことが発覚することになります。

下の画像は、環境省が公開している、浦添市がごみ処理施設の長寿命化を行うために策定した地域計画から、過去のごみ処理事業の実態やごみ処理施設の管理及び運用に関する総括表を抜粋して作成した資料です。

なお、文字が小さくて読みにくい場合は、環境省の公式サイトに直接アクセスしてご確認下さい。

地域計画を公開しているサイト(環境省)

【補足説明】浦添市と中城村と北中城村は、①平成29年度に地域計画の策定に着手して、②平成30年度に国の承認を受けて、③平成31年度に広域組合を設立する予定でいます。したがって、1市2村が策定する地域計画には、平成24年度から平成29年度までの過去のデータが記載されることになります。

(注)都道府県と市町村が連携すれば、過去のデータを「改ざん」することも不可能ではありません。しかし、市町村のごみ処理事業に関する過去のデータは、環境省が毎年公表している一般廃棄物処理事業実態調査報告書に保存されているので、環境省がこのデータを「改ざん」しない限り、都道府県と市町村は過去のデータを「改ざん」することはできないことになります。

下の画像は、環境省と沖縄県が公表している、中北清掃組合に関する平成24年度から平成27年度までのデータを整理した資料です。

一般廃棄物処理事業実態調査結果報告(環境省)

廃棄物対策の概要(沖縄県)

【補足説明】中北清掃組合は、沖縄県の技術的援助に従って平成26年3月にごみ処理計画を改正して、平成26年度から溶融炉の運用を休止しています。

(注1)平成27年度の沖縄県のデータ(平成29年1月公表)は、正しいデータに修正されていますが、平成26年度のデータは修正されていません。また、環境省の平成27年度のデータ(平成29年4月公表)は、平成26年度と同じように事実と異なる間違ったデータになっています。

(注2)環境省は平成28年3月に総務省からデータの正確性を確保するように勧告されていますが、結果的に同省は総務省の勧告を無視している形になっています。 

下の画像は、改めて中北清掃組合に対する沖縄県のミスを整理した資料です。

【補足説明】沖縄県は、平成13年度に告示された国の基本方針をほとんど無視して、県内の市町村(中北清掃組合)に技術的援助を与えていたことになるので、県は廃棄物処理法の規定(第4条第2項及び第5条の6)に基づく都道府県の責務を果たしていないことになります。

下の画像は、中北清掃組合に対して技術的援助を与えている沖縄県の「部分最適」と「全体最適」に関する資料です。

【補足説明】 沖縄県がミスを無視していれば、時間の経過とともに、ミスはなかったことになる可能性もあります。しかし、県がミスを認めない場合は、浦添市と中城村と北中城村は、適正な地域計画を策定することができないことになります。したがって、広域組合を設立することもできないことになります。

下の画像は、北中城村における決定的な「部分最適」の見本を整理した資料です

北中城村一般廃棄物処理基本計画(概要版) 

【補足説明】上の資料から、このブログの管理者が書き加えた注釈の部分を削除すれば、北中城村のごみ処理計画は国の基本方針に即して策定されている沖縄県の廃棄物処理計画を上位計画として策定していることになります。しかし、実際のごみ処理計画は、沖縄県の廃棄物処理計画との整合性が確保されていない計画になっています。そして、国の基本方針に適合しない計画になっています。

(注)北中城村は、平成26年3月に県の技術的援助に従ってごみ処理計画(基本計画)を改正しているので、この計画は、県との「合作」ということになります。

最後に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北清掃組合の「部分最適」が北中城村と中城村に与えるダメージを整理した資料です。

なお、この資料は、中北清掃組合が「部分最適」を「全体最適」に改善することができなかった場合、つまり、同組合が補助目的の達成を放棄して国に補助金を返還した場合を想定して作成しています。

【補足説明】北中城村は沖縄県において防衛施設周辺地域に指定されています。しかし、中城村は指定されていません。このため、中北清掃組合が国(防衛省)に補助金を返還した場合は、北中城村に対する防衛省の財政的援助に関する審査等が厳しくなる可能性があります。

<追加資料>

下の画像は、「部分最適」と「全体最適」との決定的な違いを整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、中城村と北中城村は、中北清掃組合の「部分最適」を継続して行くために、浦添市との広域処理を選択したと考えています。しかし、2村が「全体最適」を継続している浦添市と新たな広域組合を設立して広域処理を行う場合は、広域組合を設立する前に中北清掃組合の「部分最適」を「全体最適」に改善して、2村が「全体最適」を継続して行かなければならないと考えています。

下の画像は、浦添市と中城村と北中城村が守らなければなければならない、広域処理のセオリーを整理した資料です。 

【補足説明】1市2村が設立する広域組合は、新たな地方公共団体になります。したがって、はじめから部分最適型の地方公共団体を設立することはできないことになります。

下の画像は、浦添市と中城村と北中城村が広域処理に失敗するパターンを整理した資料です。 

【補足説明】もしかすると、中北清掃組合や中城村・北中城村は、上の資料にあるようなパターンで浦添市との広域処理を推進するつもりでいるかも知れません。しかし、このパターンは広域処理のセオリーに反するパターンになるので、広域組合を設立することはできないことになります。

下の資料は、「部分最適」と「全体最適」に関する、ピーター・ドラッカーの有名な格言です。

広域処理の成功を祈ります。 


中北清掃組合のごみ処理事業における「部分最適」を考える(前編)

2017-04-23 10:21:07 | ごみ処理計画

ゲストの皆様へ 

このブログは、下の資料にある日本の「ごみ処理の秩序」を守るための三大原則と、その原則に従って、全体の奉仕者として誠実に職務を遂行しなければならない国家公務員と地方公務員の適正な事務処理をテーマに管理をしています。 

  

今日は、中城村北中城村清掃事務組合(以下「中北清掃組合」という)のごみ処理事業における「部分最適」について前編と後編に分けて徹底的に考えてみます。

その前に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北清掃組合に対する国の財政的援助の概要を整理した資料です。 


【補足説明】中北清掃組合は、国(防衛省)の財政的援助を受けてごみ処理施設を整備していますが、総事業費は約60億円になっています。そして、国から約90%(約54億円)の財政的援助を受けています。もちろん、この約54億円は国民(このブログの管理者を含む)の税金によって賄われています。したがって、国と中北清掃組合には、上の資料にある国民(このブログの管理者を含む)に対する責務があります。

(注)中北清掃組合の自主財源(総事業費の約10%=約6億円)は、中城村と北中城村の住民が負担しています。したがって、同組合には、補助事業者としての責務のほかに、地方公共団体としての責務もあります。

下の画像は、上の資料における中北清掃組合の補助事業者としての責務と地方公共団体としての責務を整理した資料です。

【補足説明】中北清掃組合は、①最終処分場を所有していない市町村が、②最終処分場の整備を行わない前提で、③国の財政的援助を受けてごみ処理施設(焼却炉+溶融炉)を整備しているので、同組合には、④最終処分ゼロを達成して継続する責務があります。また、地方公共団体として、補助金適正化法や廃棄物処理法等の他の法令の規定にかかわらず、⑤所有財産(ごみ処理施設)の所有の目的に応じた効率的な運用を行う責務があります。

下の画像は、補助金に関する財務省の考え方を整理した資料です。

【補足説明】財務省の考え方は、国(全府省庁)の考え方になります。

(注)国(実質的には国民)が、補助事業者である市町村が補助目的を達成していないと判断した場合は、ごみ処理施設における設備が補助金適正化法の規定に基づく処分制限期間を経過している場合であっても、一定の制限を受けることになります。

下の画像は、市町村が行う「ごみ処理施設の整備」に対して国が財政的援助を与える場合の基本条件を整理した資料です。

なお、国が「ごみ処理施設の整備」に対して財政的援助を与える場合の根拠法は、廃棄物処理法になります。 

【補足説明】市町村が行う「ごみ処理施設の整備」は、廃棄物処理法の規定に従って行われます。このため、市町村が行う「ごみ処理施設の整備」に対して国(防衛省を含む)が財政的援助を与える場合も、廃棄物処理法の規定に従って与えることになります。 

下の画像は、市町村が所有している財産に対する市町村の責務を整理した資料です。

【補足説明】中北清掃組合は、補助金適正化法の規定に基づく設備の処分制限期間を経過したことを理由にして、溶融炉の運用を休止しています。しかし、同組合に対しては、地方財政法第8条の規定が適用されるので、同組合は平成26年度から法令に違反してごみ処理施設を運用していることになります。

下の画像は、溶融炉に対する補助金の交付の目的を整理した資料です。

なお、この資料は、最終処分場を所有していない市町村を前提として作成しています。

【補足説明】このように、中北清掃組合は浦添市と同じように「焼却炉+溶融炉方式」を採用しています。したがって、同組合と浦添市に対する補助金の交付の目的も同じ目的になります。

(注1)中北清掃組合が「焼却炉+民間委託処分方式」を採用していた場合は、国の基本方針に適合しないごみ処理事業を行うことになるので、自主財源によりごみ処理施設を整備しなければならなかったことになります。

(注2)市町村が行うごみ処理施設の整備に対する国の財政的援助については、環境省が財政的援助を与える場合であっても、防衛省が財政的援助を行う場合であっても、廃棄物処理法第4条第3項の国の責務に基づいて与えることになっています。

(注3)市町村が行うごみ処理施設の整備に対する国の財政的援助については、廃棄物処理法の規定に基づく国の基本方針に即して与えることになっています。そして、市町村は国の基本方針に即してごみ処理事業を行うことになっています。

下の画像は、このブログで何度か使用している、浦添市と中城村・北中城村の最終処分量と最終処分率を整理した資料です。

【補足説明】仮に浦添市と中城村と北中城村が、平成14年度から広域処理を行っていた場合は、浦添地区は補助金の交付の目的に従ってごみ処理事業を行っていたことになりますが、中城村・北中城村地区は補助金の交付の目的に反してごみ処理事業を行っていたことになります。

(注)実際に、浦添市と中城村と北中城村が広域組合を設立すると、この資料にある1市2村のごみ処理事業の歴史と、1市2村が所有しているごみ処理施設を、広域組合がそのまま引き継ぐことになります。

下の画像は、溶融炉に対する補助金の交付の目的に関する資料に、中北清掃組合のごみ処理事業の実態を追加した資料です。

【補足説明】このように、中北清掃組合におけるごみ処理事業の約60%は、結果的に「焼却炉+民間委託処分方式」を採用していたことになります。

(注)中北清掃組合は、平成26年度から、完全に「焼却炉+民間委託処分方式」を採用しています。

下の画像は、中北清掃組合が溶融炉を休止する前と休止した後の中城村と北中城村のごみ処理費の違いを比較した資料です。

なお、この資料は、環境省が毎年公表している、一般廃棄物処理事業実態調査結果報告にあるデータに基づいて作成しています。

【補足説明】中北清掃組合は、運転経費の高い溶融炉を休止することで、同組合に対する中城村と北中城村の予算(住民の負担)を削減するはずでした。しかし、結果的に2村の予算はそれほど変っていないことになります。

(注1)北中城村については、多少、予算が減っていますが、中城村については、中北清掃組合が溶融炉を休止した目的が達成されていないことになります。

(注2)平成26年度と平成27年度において、中北清掃組合が遵守していた法令の規定は、廃棄物処理法の処理基準だけという状況になっています。

(注3)平成26年度と平成27年度において、中北清掃組合が削減したのは、住民の財政的な負担ではなく、組合の職員の事務処理の量だけという状況になっています。

では、今日の本題に入ります。

下の画像は、「部分最適」の定義を整理した資料です。 

【補足説明】このブログの記事を書くために、多くの辞書等を調べてみましたが、この定義が一番分かりやすい定義と判断して採用しました。

下の画像は、市町村のごみ処理事業における「部分最適」と「全体最適」の違いを整理した資料です。

【補足説明】このように、市町村のごみ処理事業における「部分最適」と「全体最適」との違いは、簡単に言えば、ごみ処理事業に関する関係法令を十分に理解しているか、理解していないかの違いになります。

(注1)このブログの管理者は、中北清掃組合と中城村と北中城村は、「部分最適型」のごみ処理事業を行っている市町村になると考えています。そして、浦添市は、「全体最適型」のごみ処理事業を行っている市町村になると考えています。

(注2)このブログの管理者は、同組合と2村に対して技術的援助を与えている沖縄県は、市町村に対して「部分最適型」の技術的援助を与えている都道府県になると考えています。

(注3)このブログの管理者は、平成26年度から同組合が、①溶融炉の所有の目的に応じた運用を休止して、②地域ごとに必要になる最終処分場の整備も放棄して、③平成35年度まで廃棄物の民間委託処分を継続することを容認した国(防衛省及び環境省)の職員は、「全体最適型」ではなく、完全に「部分最適型」の国家公務員になると考えています。

下の画像は、市町村のごみ処理事業における「部分最適」と「全体最適」を比較した資料です。

【補足説明】一般的に言って、市町村長や市町村議員は、ごみ処理事業に適用される法令を十分に理解していません。また、市町村に対して技術的援助を与えている国や都道府県の職員についても、関係法令を十分に理解していないケースが多々あります。そして、ごみ処理事業に関わっている市町村の職員が関係法令を十分に理解していない場合は、「全体最適」よりも「部分最適」を求めるようになります。

(注)ごみ処理事業に関わっている市町村の職員が、関係法令を十分に理解している場合は、「全体最適」を求めるようになるので、法令に違反するリスクは小さくなります。しかし、逆の場合は、法令に違反するリスクが大きくなります。

下の画像は、市町村ではなく民間企業(産業廃棄物の排出事業者)における「部分最適」と「全体最適」を比較した資料です。

【補足説明】このように、民間企業(産業廃棄物の排出事業者)の社員が関係法令を十分に理解していない場合は、目先の経費の削減等を目的として「部分最適」を求めるようになります。そして、国や都道府県の職員が関係法令を十分に理解していない場合(民間企業に対して法令に基づく適正な指導等を行っていない場合を含む)は、結果的に法令違反を回避できない状況になります。

(注)法制度上、市町村が収集した一般廃棄物については、市町村が排出事業者になり、処理責任者になるので、市町村の職員が関係法令を十分に理解していない場合は、上の資料にある結果と同じ結果になります。

下の画像は、中北清掃組合が十分に理解していないと思われる国のルールを整理した資料です。

【補足説明】平成25年度までの中北清掃組合のごみ処理事業と、平成26年度からの同組合のごみ処理事業の実態を前提にすると、このように考えざるを得ない状況になっています。

ここからは、中北清掃組合における「部分最適」の具体的な事例に基づいて考えて行きます。

下の画像は、平成15年度から平成25年度までの、同組合における「部分最適」の歴史を整理した資料です。

【補足説明】中北清掃組合における「全体最適」は、浦添市と同じように最終処分ゼロを達成して継続することになります。しかし、同組合は平成25年度まで「部分最適」を求めて、最終処分場の整備を行わずに、資源化が困難な廃棄物の民間委託処分を継続していました。

下の画像は、平成26年度から平成28年度までの、中北清掃組合における「部分最適」の歴史を整理した資料です。

【補足説明】平成26年3月に改正した北中城村のごみ処理計画には、運転経費を削減するために、平成26年度から平成35年度までの10年間は溶融炉の運用を行わずに廃棄物の民間委託処分を継続して行くと明記されています。また、平成35年度までは現体制を維持して行くと明記されています。

下の画像は、中北清掃組合における平成29年度以降の「部分最適」を整理した資料です。

【補足説明】中城村と北中城村は平成28年11月11日に、浦添市に広域施設を整備する前提で、同市と基本合意書を締結しています。したがって、中北清掃組合は平成29年度以降の「部分最適」に成功していることになります。

下の画像は、中北清掃組合における平成15年度から平成25年度までの「部分最適」の結果を整理した資料です。

【補足説明】中北清掃組合には、浦添市と同じように、補助事業者として最終処分ゼロを達成して継続する責務がありますが、同組合は平成25年度まで一度も最終処分ゼロを達成した年度がありません。そして、毎年、廃棄物の民間委託処分を行っていました。したがって、同組合は、結果的に補助金適正化法の規定に違反してごみ処理事業を行っていたことになります。

下の画像は、中北清掃組合における平成26年度から平成28年度までの「部分最適」の結果を整理した資料です。

【補足説明】中北清掃組合は、平成26年度から所有財産である溶融炉の所有の目的に応じた運用を放棄して休止しています。そして、補助目的を達成しないまま、補助目的の達成を放棄して廃棄物の民間委託処分を継続しています。したがって、同組合は平成26年度から地方財政法と補助金適正化法に違反してごみ処理事業を行っていたことになります。 

下の画像は、中北清掃組合における平成29年度以降の「部分最適」の結果を整理した資料になります。

【補足説明】前にも書きましたが、中城村と北中城村と浦添市が広域組合を設立すると、中北清掃組合の「部分最適」の歴史は、広域組合が引き継ぐことになります。したがって、その場合は、同組合における平成29年度以降の「部分最適」は失敗に終わることになります。

下の画像は、改めて中北清掃組合のごみ処理事業の実態を整理した資料です。

【補足説明】このように、中北清掃組合のごみ処理事業の実態は、①関係法令を十分に理解していない職員が、②「部分最適」を求めて、③法令に違反する事務処理を行っていることになります。

下の画像は、改めて中北清掃組合のごみ処理事業の課題を整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、広域組合を設立する前に、同組合が国の財政的援助を受けて既存施設の長寿命化を行うことが広域処理を成功させるための必須条件になると考えています。

下の画像は、改めて浦添市のごみ処理事業の課題を整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、広域組合を設立する前に、中北清掃組合の「部分最適」を「全体最適」に改善することが最大の課題になると考えています。なぜなら、浦添市は「全体最適」を求めてごみ処理事業を行っているからです。

下の画像は、広域処理に関する重要法令を整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、3番目の法令を知らない市町村の職員はいないと考えていますが、1番目と2番目の法令を知らない市町村の職員はいると考えています。

下の画像は、沖縄県に適用される重要法令を整理した資料です。

【補足説明】このブログの管理者は、中北清掃組合に対して技術的援助を与えている沖縄県の職員は、1番目の法令は十分に理解しているが、2番目の法令については、十分に理解していないか、知らない可能性があると考えています。

下の画像は、広域処理における「部分最適」と「全体最適」の違いを整理した資料です。

【補足説明】浦添市が中城村と北中城村(中北清掃組合の構成市町村)の考え方に従って広域処理を推進する場合は、浦添市も「部分最適型」の市町村になってしまいます。

下の画像は、浦添市が中北清掃組合の「部分最適」を認めた場合を想定して作成した資料です。 

 

【補足説明】「部分最適型」の市町村は、法令に違反して事務を処理している地方公共団体になるので、そもそも、広域組合を設立することはできないことになります。

 

下の画像は、改めて広域処理に対する浦添市と中城村と北中城村の課題を整理した資料です。

【補足説明】1市2村は、平成29年度から広域施設の整備に関する建設準備室を発足させて、施設の規模や処理方式等に関する協議を進めることになっています。しかし、その前に、上の資料にある4つの課題を解決しなければ、建設準備室における全ての事務処理が無駄になると考えています。

後編に続く