上の画像は「焼却炉+溶融炉」方式が「時代遅れ」になっている根拠を示すものです。現在では市町村が評価する以前にメーカーが辞退するという状況になっています。
そのような時代背景の中で、「焼却炉+溶融炉」方式を導入している市町村が溶融炉の長寿命化を行うとどういうことになるのか?
例えて言えば、①既にメーカーが生産を中止している燃費が悪く維持費の高い中古車を、②廃車にせずに修理して、③温室効果ガスを大量に排出しながら乗り続けることと同じことになると考えます。
また、古いタイプの溶融炉は、④点検費や修繕費等が高くなり、⑤事故や故障のリスクも高くなるので、⑥長寿命化を行っても安定した運転を行うことはかなり困難になると考えます。
溶融炉については国もその役割を終えているという判断をしており、都道府県においても沖縄県を除いて溶融炉の整備を推進しているところはありません。したがって、県内の市町村は長寿命化を行う前に溶融炉に依存しない代替案を検討しておく必要があると考えます。
なお、溶融炉を長寿命化する場合は国の補助金を利用することができますが、事故や故障等で使用できなくなった場合は補助目的を達成できなかったことになるので補助金を返還することになります。
※「焼却炉+溶融炉」のうち「流動床炉+燃料式溶融炉」は一番燃費が悪く維持費の高い組み合わせであり、水蒸気爆発のリスクも高い組み合わせになりますが、沖縄県では中城村北中城村清掃事務組合がこの組み合わせを採用しています。ちなみに、同組合以外では徳之島町(鹿児島県)が同種の組み合わせを採用していますが、ここの溶融炉は故障が原因で休止したままになっています。したがって、組合が溶融炉を再稼動すると国内では唯一稼動している溶融炉になります。そして、国内で初めて長寿命化を行う溶融炉になります。