だいぶ前の棹ですが、塗りの仕上がりがあまり良くなかったので放置していましたが、2日前に塗りを全部剥がして、塗り直しをすることにしました。 また棹の天の形が少し独特でしたので変えることにし、今回は、銘苅春政氏に依頼し調整してもらいました。
その銘苅氏、私が持って行った棹を見て開口一番「これは黒木だね」とすぐに当てたのは流石だと思いました。
画像のとおりほどんど白っぽいのでどうみても黒木には見えないので一般的には判りづらいものです。 この棹はほとんどシラタ部分で製作されたものですが、その全体的な色合いから黒木と判ったのでしょう。流石、かなりの素材をこなしていることはあります。
昨日は天候も良かったのですが、それでもまだ2月なので寒いです。しかし、銘苅氏は工房はあけっぱなしで素足のまま座っていました。なぜ素足なのかと思いましたが実は銘苅氏の製作方法がその理由にあります。氏はあぐらの形で両足の指で棹を挟み棹を削っているのです。(すごい) 通常は、バイスという機械に挟み固定して作業するのですが、氏は固定しなければできない部分以外はその正座スタイルで行っているのです。そのやりかたがいちいちバイスからはずして全体のバランスを見たりする時間が省けると話してくれました。 私の棹も、両足の指で器用に挟みながらさくさくと仕上げてくれました。完成すると別のお客さんが来たので、こちらはすぐに退散ということで門を出ましたが、はっと思いついて看板?の前でパチり。(下の画像) 完成後の画像は近日中にお披露目したいと思います。
形もよくなったので、塗りの工程に入りますが、その前に胴体木枠に予め合わせることにし、せっかくなので開鐘チーガで合わせておきました。
色は、スンチにしたいと思います。
胴体は、強化張りにしようかと。
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2017年3月4日 三線の日に棹の塗りが仕上がりました。
胴体へは強化張り用の生地を張りました。
その生地の上から錦蛇をカットして張りつけたいと思います。
3月10日 画像撮り
3月6日には完成していましたが何かと忙しく本日掲載となりました。
全体のイメージ
天の表
カラクイは紫檀のスイムディ型
裏側
鳩胸部分には少しだけ黒檀模様が確認できます。
ティーガは金襴で合わせました。
胴体は開鐘チーガで特殊胴です。
強化張りしていますので皮が破れる心配はほとんどありません。