沖縄県那覇市は、市通堂町の明治橋駐車場の仮設バスターミナル跡地に常設の観光バス待機場を設置する。関連費用を含む補正予算案を12月議会に提案し、2019年度早期の利用開始を目指す。市内では観光客を待つ観光バスが路上に駐停車することが常態化し、渋滞の発生や安全面の問題が指摘されてきた。待機場設置で、課題解決を目指す。
10日の那覇市議会代表質問で桑江豊氏(公明)に名嘉元裕経済観光部長が答弁した。名嘉元部長は「狭隘(きょうあい)な市内で常設の待機場として適当な用地の確保は大きな課題だった。早期に供用開始できるように努めたい」と話した。
市観光課によると、敷地面積は3300平方メートルで27台のバスが収容できる。敷地は那覇港管理組合の所有地のため同組合と賃貸借契約を結ぶ予定。補正予算案には土地の賃借料など237万2千円を計上した。契約後は、19年4月から敷地整備や休憩所設置に向けた手続きと工事などを始め、終了次第、利用を開始する。
那覇市内では、クルーズ船の寄港や修学旅行などによる観光客の増加で、観光バスがてんぶす那覇や牧志駅近くなど国際通り周辺を中心とした路上で駐停車し渋滞の要因となっている。市は市樋川ののうれんプラザ隣の県有地を乗降場として観光客の乗り降りに使い、その間の待機場として明治橋駐車場を使う計画。
観光バス待機場を巡っては、16年度から3年間、市西の運転免許試験場跡地で期間限定の実証実験をしている。16年度の利用は1571台あったが、1台千円の利用料を徴収した17年度は245台と低迷。18年度も9日時点で268台にとどまっている。名嘉元部長は有料化について、維持管理のために必要とした上で、「どの程度の料金が妥当か検討していきたい」とした。