過去最低を更新した県内2月の完全失業率2・1%(原数値)について、男女別では女性の失業率が1・5%、季節調整値では1・3%まで低下し、1%台という全国的にも記録的な水準に達している。日本復帰後初めて沖縄の失業率が全国平均を下回った中で、女性の雇用環境の改善が失業率全体の押し下げに寄与していた。有識者は「人手不足により専業主婦などが労働市場に進出している。従業員を受け入れるため、企業が女性の働きやすい環境を整備していることも背景の一つ」と分析する。
2月の全国平均の完全失業率は、原数値から季節変動要因を除いた季節調整値(季調値)で2・3%となり、男女別では男性が2・5%、女性が2・2%だった。県内の完全失業率を同じ季調値で比較すると全体では2・0%と全国を初めて下回っているが、男女別に見ると県内男性の失業率が2・7%と全国平均より高いのに対し、県内女性の失業率が1・3%と全国平均を大きく下回っていた。
就業者数で見ると男性が前月比4千人減の40万1千人だったのに対し、女性は同1万4千人増の33万5千人となった。県内の観光需要が好調なことから、宿泊業や飲食サービス業、卸売業、小売業などで就業者が増えた。
沖縄に進出する県内企業が増加し働く場所が増えたほか、求人難のため企業が企業内保育所の整備など職場環境の改善を進めるケースもあるという。
南西地域産業活性化センターの金城毅上席研究員は「飲食や宿泊関連のほか、コールセンターなど女性向きの職種で人員不足が起きており、高齢者や主婦なども仕事に就きやすくなった。出産して労働市場から出ていた女性が仕事に復帰できる環境も整ってきている」と指摘した。
一方で、県内女性の失業率は昨年12月に2・9%(季調値)、1月は2・8%(同)で推移していたのが2月に大きな低下を見せており、金城氏は「単月の失業率は振れ幅が大きく、2%に戻る可能性も含めて注視していく必要がある」と語った。