日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1337)「清少納言は紫式部ではない」の「述語論理」。

2024-08-27 15:22:47 | 論理

(01)
1       (1)  ∃x(紫式部x&源氏物語の著者x) A
 2      (2)     紫式部a&源氏物語の著者a  A
  3     (3) ~∀x(紫式部x→源氏物語の著者x) A
  3     (5) ∃x~(紫式部x→源氏物語の著者x) 3量化子の関係
   6    (6)   ~(紫式部a→源氏物語の著者a) A
   6    (7)  ~(~紫式部a∨源氏物語の著者a) 6含意の定義
   6    (8)    紫式部a&~源氏物語の著者a  6ド・モルガンの法則
 2      (9)          源氏物語の著者a  2&E
   6    (ア)         ~源氏物語の著者a  8&E
 2 6    (イ) 源氏物語の著者&~源氏物語の著者a  9ア&I
 23     (ウ) 源氏物語の著者&~源氏物語の著者a  36イEE
1 3     (エ) 源氏物語の著者&~源氏物語の著者a  12ウEE
1       (オ)~~∀x(紫式部x→源氏物語の著者x) 3エRAA
1       (カ)  ∀x(紫式部x→源氏物語の著者x) オDN
    キ   (キ)  ∃x(清少納言x&紫式部x)    A
1       (ク)     紫式部a→源氏物語の著者a  カUE
     ケ  (ケ)     清少納言a&紫式部a     A
      コ (コ)∃x(清少納言x&~源氏物語の著者x) A
       サ(サ)   清少納言a&~源氏物語の著者a  A
     ケ  (シ)           紫式部a     ケ&E
1    ケ  (ス)          源氏物語の著者a  クシMPP
       サ(セ)         ~源氏物語の著者a  サ&E
1    ケ サ(ソ)   源氏物語a&~源氏物語の著者a  スセ&I
1   キ  サ(タ)   源氏物語a&~源氏物語の著者a  キケソEE
1   キ コ (チ)   源氏物語a&~源氏物語の著者a  コサタEE
1     コ (ツ) ~∃x(清少納言x&紫式部x)    キチRAA
1     コ (テ) ∀x~(清少納言x&紫式部x)    ツ量化子の関係
1     コ (ト)   ~(清少納言a&紫式部a)    テUE
1     コ (ナ)   ~清少納言a∨~紫式部a     ト、ド・モルガンの法則
1     コ (ニ)    清少納言a→~紫式部a     ナ含意の定義
1     コ (ヌ) ∀x(清少納言x→~紫式部x)    ニUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∃x( 紫式部x& 源氏物語の著者x)。然るに、
(ⅱ)∃x(清少納言x&~源氏物語の著者x)。従って、
(ⅲ)∀x(清少納言x→~紫式部x)。
という「推論」は「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)あるxは、 紫式部であって、源氏物語の著者である。 然るに、
(ⅱ)あるxは、清少納言であるが、源氏物語の著者ではない。従って、
(ⅲ)いかなるxであっても(xが清少納言であれば、紫式部ではない)。
という「推論」は「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)紫式部は、源氏物語の著者である。 然るに、
(ⅱ)清少納言は源氏物語の著者ではない。従って、
(ⅲ)誰であれ、清少納言であるならば、紫式部ではない。
という「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(05)

然るに、
(06)
現在の情報検索や自然言語処理は、基本的に論理で処理させることは当面諦めて統計と確率の手法でAIに言語を学習させようとしています。つまり、文章の意味はわからなくても、その文章に出てくる既知の単語とその組合せから統計的に推測して、正しそうな回答を導き出そうとしているのです(新井紀子、AIvs.教科書が読めない子供たち、2018年、122頁)。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
AIは、
(ⅰ)紫式部は、源氏物語の著者である。 然るに、
(ⅱ)清少納言は源氏物語の著者ではない。従って、
(ⅲ)誰であれ、清少納言であるならば、紫式部ではない。
という「推論」を行う際に、
① ∃x( 紫式部x& 源氏物語の著者x)
② ∀x( 紫式部x→ 源氏物語の著者x)
③ ∃x(清少納言x&~源氏物語の著者x)
④ ∀x(清少納言x→~紫式部x)。
に於ける、
①から②を「演繹」して、その上で、
② と ③ によって、
④を「演繹」している。
といふ、わけではない
従って、
(06)(07)により、
(08)
AIは、「論理的な機械」ではなく
AIは、「確率的・統計的な機械」である。