日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1348)「幾らかのフランス人は寛大である」の「述語論理」。

2024-11-27 14:17:58 | 論理

(01)
「すべてのフランス人は寛大である」は一種の条件文として適切に記号化されるので、これと同化(assimilation)してしまって、
「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく、
∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
∃x(Fx→Gx)とするのは、よくある間違いである。しかし、
∃x(Fx→Gx)は、
それがフランス人であるならば、寛大であるようなものが存在することを主張するのであって、
これは、かりにフランス人が存在しないとしてもであろう。しかるに、
幾らかのフランス人は寛大である」は決してそうではない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、124頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1    (1) ∃x(Fx→Gx)     A
 2   (2)    Fa→Ga      A
 2   (3)   ~Fa∨Ga      2含意の定義
  4  (4)   ~Fa         A
   5 (5) ∀x(Fx)        A
   5 (6)    Fa         5UE
  45 (7)   ~Fa&Fa      46&I
  4  (8)~∀x(Fx)        57RAA
  4  (9)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 8∨I
    ア(ア)       Ga      A
    ア(イ)    ∃x(Gx)     アEI
    ア(ウ)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) イ∨I
 2   (エ)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 249アウ∨E
1    (オ)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 12エEE
1    (エ) ∀x(Fx)→∃x(Gx) オ含意の定義
(ⅱ)
1    (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1    (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3   (3)~∀x(Fx)        A
  4  (4)    Fa         A
  4  (5) ∀x(Fx)        4UI
 34  (6)~∀x(Fx)&∀x(Fx) 35&I
 3   (7)   ~Fa         4RAA
 3   (8)   ~Fa∨Ga      7∨I
   9 (9)        ∃x(Gx) A
    ア(ア)           Ga  A
    ア(イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   9 (ウ)       ~Fa∨Ga  9アイEE
1    (エ)       ~Fa∨Ga  2389ウ∨E
1    (オ)        Fa→Ga  エ含意の定義
1    (カ)     ∃x(Fx→Gx) オEI
然るに、
(03)
(ⅱ)
1    (1)  ∀x( Fx)→∃x(Gx)  A
1    (2) ~∀x( Fx)∨∃x(Gx)  1含意の定義
 3   (3) ~∀x( Fx)         A
  4  (4) ~∃x(~Fx)         A
   5 (5)     ~Fa          A
   5 (6)  ∃x(~Fx)         5EI
  45 (7) ~∃x(~Fx)&∃x(~Fx) 46&I
  4  (8)    ~~Fa          57RAA
  4  (9)      Fa          8DN
  4  (ア)  ∀x( Fx)         9UI
 34  (イ) ~∀x( Fx)&∀x( Fx) 3ア&I
 3   (ウ)~~∃x(~Fx)         4イRAA
 3   (エ)  ∃x(~Fx)         ウDN
 3   (オ)  ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)  エ∨I
    カ(カ)          ∃x(Gx)  A
    カ(キ)  ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)  カ∨I
1    (ク)  ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)  23オカキ∨E
(ⅲ)
1    (1) ∃x(~Fx)∨∃x(Gx) A
 2   (2) ∃x(~Fx)        A
  3  (3) ∀x( Fx)        A
   4 (4)    ~Fa         A
  3  (5)     Fa         3UE
  34 (6)    ~Fa&Fa      45&I
   4 (7)~∀x( Fx)        36RAA
 2   (8)~∀x( Fx)        247EE
 2   (9)~∀x( Fx)∨∃x(Gx) 8∨I
    ア(イ)         ∃x(Gx) A
    ア(ウ)~∀x( Fx)∨∃x(Gx) イ∨I
1    (エ)~∀x( Fx)∨∃x(Gx) 129アウ∨E
1    (オ) ∀x( Fx)→∃x(Gx) エ含意の定義
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ∃x( Fx→Gx)
② ∀x( Fx)→∃x(Gx)
③ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
① それがフランス人であるならば、      寛大であるようなものが存在する。
② それがフランス人であるならば、その中に、 寛大であるようなものが存在する。
③ フランス人でないものが存在するか、または、寛大であるようなものが存在する。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(01)(05)により、
(06)
③ フランス人でないxが存在するか、または、寛大であるxがする。
といふのであれば、
③ これは、かりにフランス人が存在しないとしてもであろう
従って、
(01)(04)(06)により、
(07)
「幾らかのフランス人は寛大である(Some French are generous))。」といふ「日本語(英語)」を、
∃x(Fx&Gx)と記号化するかわりに、むしろ、
∃x(Fx→Gx)とするのは、「よくある間違い(Common mistake)」である。
といふ、「E.J.レモンの説明」は、「正しい」。
然るに、
(08)
1      (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1      (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3     (3)~∀x(Fx)        A
  4    (4)    Fa         A
  4    (5) ∀x(Fx)        4UI
 34    (6)~∀x(Fx)&∀x(Fx) 35&I
 3     (7)   ~Fa         4RAA
 3     (8)   ~Fa∨Ga      7∨I
   9   (9)        ∃x(Gx) A
    ア  (ア)           Ga  A
    ア  (イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   9   (ウ)       ~Fa∨Ga  9アイEE
1      (エ)       ~Fa∨Ga  2389ウ∨E
1      (オ)        Fa→Ga  エ含意の定義
     カ (カ) ∃x(Fx)        A
      キ(キ)    Fa         A
1     キ(ク)           Ga  カキMPP
1     キ(ク)    Fa&Ga      キク&I
1     キ(ケ) ∃x(Fx&Gx)     クEI
1    カ (コ) ∃x(Fx&Gx)     カキケEE
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)∀x(Fx)→∃x(Gx)。然るに、
(ⅱ)∃x(Fx)。従って、
(ⅲ)∃x(Fx&Gx)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxがフランス人であるならば、あるxは寛大である。然るに、
(ⅱ)あるxはフランス人である。従って、
(ⅲ)あるxはフランス人であって、寛大である。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)それがフランス人であるならば、その中に、寛大であるようなものが存在する。然るに、
(ⅱ)フランス人であるものが、存在する。従って、
(ⅲ)フランス人のあるものは、寛大である。
といふ「推論」は、「妥当」である。



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