―(20)以下に、「昨日(令和6年11月13日)の記事」の「続き」を書きます。―
然るに、
(17)
(ⅰ)
1(1) P&Q A
1(2) P 1&E
(3)(P&Q)→P 12CP
(ⅱ)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
(3)P→(P∨Q) 12CP
然るに、
(18)
(ⅰ)
1(1) ~{ (P&Q)→P} A
1(2) ~{~(P&Q)∨P} 含意の定義
1(3) (P&Q)&~P 2ド・モルガンの法則
1(4) P&Q 3&E
1(5) P 4&E
1(6) ~P 3&E
1(7) P&~P 56&I
(8)~~{ (P&Q)→P} 17RAA
(9) (P&Q)→P 8DN
(ⅱ)
1(1) ~{ P→(P∨Q)} A
1(2) ~{~P∨(P∨Q)} 1含意の定義
1(3) P&~(P∨Q) 2ド・モルガンの法則
1(4) P 3&E
1(5) ~(P∨Q) 3&E
1(6) ~P&~Q 5ド・モルガンの法則
1(7) ~P 6&E
1(8) P&~P 47&I
(9)~~{ P→(P∨Q)} 18RAA
(ア) P→(P∨Q) 9DN
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
①(P&Q)→P
② P→(P∨Q)
である所の、
①「連言除去」
②「選言導入」
を含めて、「恒真式(トートロジー)」とは、
「否定をすると、矛盾が生じるため、背理法(RAA)により、仮定の数が0になる」所の「連式の結論」である。
然るに、
(20)
① ~{(P&Q)→P}
② ~{P→(P∨Q)}
ではなく、
③ ~{(P∨Q)→P}
④ ~{P→(P&Q)}
の場合は、
(ⅲ)
1(1)~{ (P∨Q)→ P} A
1(2)~{~(P∨Q)∨ P} 含意の定義
1(3) (P∨Q)&~P 2ド・モルガンの法則
1(4) P∨Q 3&E
からは、
1(5) P 4&E
1(6) ~P 3&E
1(7) P&~P 56&I
とはならないし、
(ⅳ)
1(1)~{ P→ (P&Q)} A
1(2)~{~P∨ (P&Q)} 1含意の定義
1(3) P&~(P&Q) 2ド・モルガンの法則
1(4) P 3&E
1(5) ~(P&Q) 3&E
1(6) ~P∨~Q 5ド・モルガンの法則
からは、
1(7) ~P 6&E
1(8) P&~P 47&I
とはならない。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① ~{(P&Q)→P}
② ~{P→(P∨Q)}
の場合、すなわち、
①「連言除去」
②「選言導入」
の場合は、「否定をすると、矛盾が生じる」ため、「背理法(RAA)により、仮定の数が0になる」所の「連式の結論」であるが、
③ ~{(P∨Q)→P}
④ ~{P→(P&Q)}
の場合は、「否定しても、矛盾が生じない」ため、「背理法(RAA)により、仮定の数が0になる」所の「連式の結論」ではない。
従って、
(21)により、
(22)
③ ~{(P∨Q)→P}
④ ~{P→(P&Q)}
は、「偽(矛盾)」ではないため、
③(P∨Q)→P
④ P→(P&Q)
は、「真」ではない。
従って、
(22)により、
(23)
③(P∨Q)├ P
④ P├ (P&Q)├ Q
という「推論」、すなわち、
③ Pまたは、Qである。従って、Pである。
④ Pである。従って、PであってQである。従って、Qである。
という「推論」は、「妥当」ではない。
従って、
(23)により、
(24)
例えば、
P=男性である。
Q=女性である。
として、
③ 男性か、または、女性である。従って、男性である。
④ 男性である。従って、女性である。
という「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(25)
話は変わるものの、
1948年、ゲーデルは、アメリカ市民権を取得する。このとき、保証人に名を連ねたのがアインシュタインである。当時、アメリカ市民権を取得するには、米国憲法に関する面接試験が課せられていた。そのため、ゲーデルは、合衆国憲法を一から勉強しはじめた。面接当日、ゲーデルは「合衆国憲法が独裁国家に合法的に移行する可能性を秘めていることを発見した」とアインシュタインたちに語り、彼らを当惑させた。そして、移民審査をする判事から「あなたは、独裁国家(ナチス・ドイツに併合されたオーストリア)から来られたのですね。我がアメリカ合衆国ではそのようなことは起きませんから、安心してください」と言われた際、ゲーデルは、即座に「それどころか私は、いかにしてそのようなことが起こりうるのかを証明できるのです」と答えた。そのため、その場に付き添っていたアインシュタインたちが慌てて場を取り繕うという一幕があった(ウィキペディア)。
然るに、
(26)
連立方程式を解かせると間違った答えを出したり、定理の証明を求めると奇妙な間違い計算を続けて、最後に「証明ができました」と言ったりする。使い物にならない。数学だけではない。形式論理の適用でも間違えることがある。例えば、逆命題と対偶命題を混同し、誤った結論を出すことがある。こうした問題はChatGPTだけでなく、そのもとになって大規模言語モデルLLMに共通する問題だ(野口悠紀雄、生成AI革命、2024年、299頁)。
従って、
(25)(26)により、
(27)
(ⅰ)「(超一流の)論理学者」は、「アメリカ合衆国憲法の瑕疵を、証明出来る」が、
(ⅱ)「(論理が苦手)なAI」は、「アメリカ合衆国憲法の瑕疵を、証明出来ない」。
という風に、思われる。
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